二次創作小説(新・総合)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Genshin - ChaosDays -
- 日時: 2024/01/02 17:08
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
皆さん、どうも初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。HALと申します。
過去3度も挫折をしたにも関わらず、やっぱりどうしても小説という形にしたかった物語を書きたくなった為に4度目の執筆をしてからもう半年以上。実は、私が取り扱おうとしたジャンルが「多重コラボレーション」を禁じているのでは、という指摘を受けまして、内容を修正しようと検討していたらこんな日月に……
ということで、これじゃあ埒があかないと思い、急遽HAL史上初の「単独ジャンル日常小説」の形で再開させてもらうことにしました。クロスオーバーではなくなったのでタイトルが過去例から大分変動しておりますが、今まで通り「カオスな日常」をテーマにしているので…… まぁ、おおらかな目で見て頂けますと幸いです。
※カオスな日常がテーマなので、やっぱり公序良俗心配です。え、理由?私も含めた皆様の過去の日常小説をご確認ください……
〔 目 次 〕
『ようこそ、どうしようもないテイワット大陸へ』 >>1-6
『帰らぬ熄星 - 翼にねがいを - 』 >>7-10
『とある雪山でのすれ違い』 >>11-14
─ 注意事項 ─
・この小説では、どんなに著者が頑張っても独自解釈によるキャラ設定(キャラ崩壊率???%)が施されてしまいますので、どうかご了承ください。また”設定変更の可能性”もございます。
・圧倒的文章量(の少なさ)、徹底的誤字数(の多さ)
・募集企画は……いつかやるかもしれませんね。その時を待ってください。
・荒らし相手にはそれ相応の処置をしますのでそのつもりで。
・4度も挫折してるという事実からも察せられるように、更新頻度は壊滅的に遅いです。またしても挫折する可能性もありますし、更新できたとしても数ヶ月かかる事も予測されますので、よほど暇がある方のみが読まれることを推奨致します。
・これは人によって制限されていない様なのですが、こちらの小説ではマナーを守った投稿をお願い致します。
- ようこそ、どうしようもないテイワット大陸へ ( No.5 )
- 日時: 2023/06/13 22:52
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
煙緋からの衝撃の告白に対して一息ついたところで、空は再度ピンばあやから呼び出された。
「ほぉっほぉっ。随分と煙緋に気に入られたようじゃな」
「旅の忠告を受けてただけだよ。何やら不穏な話も伺ってしまったし」
「ふむ…… であれば尚のこと、この贈り物は受け取ってもらわないとねぇ。さあ、この『塵歌壺』を子供たちに贈ろう」
そう言ってピンばあやから贈られたのは……1つの小さな壺だった。どうやらピンばあやは、この小さな壺の中に旅人達の仮住まいとなるであろう生活空間を生み出したらしい。
「あぁ。それとこの「設計図」、壺の中をもっと賑やかにしたいなら、これを使うといい」
「何から何まで……本当にありがとう、ばあや」
「でも…… ばあや、この壺……どうやって使うんだ?」
「心配はいらないよ。もう「おチビちゃん」と……ばあやの仲間の一人を壺の中に呼んでおる。この塵歌壺に関することは、その子らに聞くといいじゃろ」
流石に頭の中が?で埋め尽くされそうになる2人だったが、結局は百聞は一見にしかず。
かつての依頼時に試した時と同じ要領で、彼らは壺の中を覗き込んだ……
2人が目を覚ますと、そこはもう玉京台の景色ではなかった。
かつて仙人の作りし秘境を冒険したことがある空達だったのだが、今目の前に広がっている光景はその時の情景に何処か似ているような気がした。
そして、かの幻想的な風景の真ん中には、ポツンと璃月で見られるような大きな一軒家が建っていた。恐らくはアレが2人の住宅なのだろうと確信した。
……しかしながら、まだまだ疑問点は残っている。
ピンばあやが言うには、おチビちゃんと……ばあやの仲間の一人という位には、また別の仙人がこの中に居るはずなのだ。
家の周囲を見渡していると、庭先に人並みの大きさの……ヤマガラだろうか? のほほんと1羽佇んでいるのが見えた。
「……おや。ようやく人が来ましたか。初めまして」
「どうも。多分ここは塵歌壺の中だと思うんだけど……あなたは?」
「はい。私は「壺の妖精」です。名前は……ええっと……」
「…………まぁ、とりあえず「マル」と呼んでください!」
「とりあえずで名前を決めるなよっ!!」
まんまるとしたマルと名乗るヤマガラっぽい妖精は、洞天──つまりこの壺の中の世界にまつわる雑事、相談事などを一手に引き受ける役割を持つことを話してくれた。確かに、四六時中壺の中にいる訳ではないのだから、彼女の存在がどれ程有り難いかはよく分かることだろう。
「あぁ、そうでした。ところでお二方、設計図は持っていますか? あれらには綺麗なお家や家具などが描かれており、必要な材料を用意してくれれば、あなたたちの望むがままに洞天を建て直すことが出来ます」
「設計図…… 多分ピンばあやが一緒にくれたものだよな? 旅人、試しに何か作ってみようぜ!」
マルが教えてくれた手順通りに、空は調度品を製作する。
もらった設計図を確認し、該当素材を用意した上で、頭の中で完成品、及び配置をイメージする……
──僅か数秒で、簡易的な工房が住宅前に現れた。
「す……すげぇ…………」
「お、おい、旅人! もっと、もっと色々作ってみようぜ!」
思わず興奮した空達は、さらなる洞天内改装の為に今度は住宅内に乗り込んだ。
「『──かくして、金髪の異邦人は多大な犠牲を払いながらも、なんとか港の脅威を鎮めたのであった。』ふぅ……まぁこれだけ書ければ上々でしょう」
「……おっと、ようやく物語の主人公がやってきた訳ですね。よくぞ来てくれました」
住居内では……恐らくピンばあやが話していたであろうもう1人の仙人(?)が、何やら書物を書いてるようだった。
「うわあああーーーーっ! ……ってビックリしたぞ! お前、何処の誰なんだよ!?」
「おや? ピンばあやからお話を伺いませんでしたか? 外にいたマルと一緒に、この壺でのお世話を受け持ったのですが……」
「……あっ、もしかして貴方が仙人の?」
書いていた作品に一段落が着いたからか、冴えない青年は筆を置いて2人に向き合った。
「仙人、かぁ。うん、まだそう呼んでもらってて構わないよ。俺の名前は……いや、こっちの方はちゃんとした名で言おうか。HALという。宜しく」
「初めまして、空です。こっちはパイモン。ええと、H……A…………??」
「つっはは。見慣れない言語だものな。困惑しちまうのも無理はなかったか、申し訳ない」
「そ、そんなヒルチャール語みたいな名前の奴、今まで聞いたこともないぞ……」
ここで豆知識を1つ。原神というゲームは当然ながら日本語対応もバッチリなのだが、その影響か日本人から見たテイワット大陸には英語の概念がほぼ無いのである。まさか筆者名がボケに直結するとは著者自身も思うまいて。
「まぁそうだな。俺は語の仙人だし『著者』とでも呼んでくれればそれでいい」
「わざわざすみません……」
「ところで、お前はマルと違ったなにか専門的な事が出来たりするのか?」
パイモンからの痛烈な質問に、正直冷や汗が垂れる。しかし、何も考えていない著者ではない。
「専門的、か。そうだな…… では空に1つ質問しよう。君は今後、この塵歌壺で何かをしてみたいという要望はあるだろうか?」
「えっ、自分がしたい事……?」
「あぁ。料理会でも運動会でも勉強会でも……何でもいい。とにかく、何かしらのイベントやアクションを起こしたい、けれどテイワット大陸で行うには無理がある、そんな時に俺を頼ってほしい。全力で君の願いをサポートさせてもらおう」
「な、なんか仙人にしちゃ効果がしょぼいな……」
まぁそう言われても仕方ない。
二次小説で著者に出来ることなど、せいぜい新しい物語の提供や、出来事を物語として昇華させる程度なのだから。
──逆を言えば、物語を生成する為ならば、だいぶ無茶な仕様も押し通してしまえる反則力業も併せ持つ。
ここまでを読み進めた読者ならば、幾つか心当たりがあるのではなかろうか?
「さて。とはいえ、君達の旅はプロローグの真っ最中だ。俺が出しゃばるにもまだ早い」
「「………………??」」
「一度屋敷を出るといい。俺達のこの洞天に対する理解度が十分になった事で、マルが重要なアイテムを生成してくれた筈だ」
「あぁ、俺が出してしまった道具類は気にしないでくれ。直ぐに片付けて、俺の本拠である屋根裏部屋に移しておくから。……最も、君達は屋根裏部屋には入れないんだけどもね」
著者からの誘導に従って屋敷から出ると、すぐ側にいたマルがこちらに声を掛けてくれた。
「おや、丁度いらしたようですね。よかったです」
「さっき、著者さんからマルがアイテムを用意したって話を聞いたんだけど……」
事前にお話を受けてたようならこれ幸いと、マルは空にとある札を渡してくれた。
「これは『洞天通行証』と言いまして、あなたたちの為に生み出されたこの洞天を自由に行き来することを許可するためのものになります」
「本来は個人単位で効力を発動するものなのですが、ピンから聞いた話によれば、あなたは既に数多くのご友人がいるそうですね。なので、著者さんのご協力もいただいて、私達の方で少しばかり改造しました」
「それを招待したい人の手のひらで軽く叩けば、あなたの気がその人の身に入り、あなたの洞天を行き来できるようになります。是非とも、1度やってみてください」
マルと著者という洞天の管理人に出会った空達は、そこで幾つかのまたしても幻想的なシステムに心を踊らされた。
この楽しみを共有したい者達を、最後に洞天に招待するとした。
- ようこそ、どうしようもないテイワット大陸へ ( No.6 )
- 日時: 2023/06/13 23:04
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
「……という事があってね。それで、君達を招待したかったのだけれど……」
「……なるほど。あなたからのお誘いをいただけるなんて嬉しいわね」
「……ここが「月海亭」でなければもっと良かったのだけれど;」
マルからの助言を受けて空達が最初に向かった場所「月海亭」という所は、言ってしまえば璃月のトップ層の人間が会議する為に集う職場である。日本でいう所の国会議事堂のようなもの。何故開幕でそこに突っ込んだ。
「私までお誘いしていただけるなんてそんな…… お気持ちは嬉しいのですが、そう容易くあなたの住まいに行けるとは思えなくて……」
「何言ってるのよ甘雨。この話の最大の焦点は「招待に応じれるかどうか」ではなく「招待に応じたいかどうか」よ。私としては興味深い話なのだけれど…… ねぇ旅人、その申請にはどれくらいの時間を要するの?」
月海亭で旅人が洞天への勧誘を行ったのは3名。
1人目は凝光。
事実上の璃月トップ組織『璃月七星』の一角、「天権」である。というか璃月七星の中でも取り分け代表格である。主に璃月の法務を取り仕切っており、司法経済の流れを巧みに操り、璃月の安寧と資産の万全性を確立している。
かつて璃月の上空には、まるで天空城を彷彿とさせる彼女の拠点「群玉閣」が浮遊していた。しかし、先の璃月全土を揺るがす大問題を鎮圧する為の最終兵器として、迫り来る旧き魔神を屠る為に放棄した経緯がある。
白、金、黒を基調とした中華風の衣服を身にまとった高身長の女性。左腰上部には岩元素の神の目を携えている。
2人目の困惑した表情の子は甘雨。
実は麒麟と人間のハーフと、煙緋に似通ったルーツがある。しかし煙緋とは異なり、彼女はおよそ三千年前から活動を始めた。
今は二千年以上の歴を誇る璃月七星全体の秘書を担当している。彼女が困惑してしまったのも、この仕事業務が恐らくテイワットでも1,2を争えるのではないかというレベルで膨大な量であるからだろう。
氷元素の神の目持ちで、頭には半仙の証かのように赤黒模様の角。しかしそれ以上に問題なのは服装で、黒の全身を覆うタイツに腹部から太もも辺りまでを申し訳程度にガードする程度である。つまりエ(ry
3人目の意欲的な少女が刻晴。
璃月七星の一角、「玉衡」。主に建築、土木関連を司っており、その業務内容の都合上、璃月各地を飛び回ってる事で知られる。こうした着工問題は日程に厳しい印象があるが、実直生真面目の塊である刻晴はハードワークを犠牲に完璧主義を貫いてきた。
一応オンオフの切り替え自体は昔からちゃんとしており、休むと決めた時は買い物に出かけるなど年頃の少女らしい一面もある。ただ、大体はやっぱりオーバーワークで、半仙の甘雨と異なり生身の彼女は無理が祟りやすい。空に必死に説得されて、ようやくほんの少しまともになったという。
雷元素の使い手で、紫色の服装をしている。その長髪で擬似的なケモ耳を作った上でツインテールにしてるので、遠くにいても一発で刻晴は分かるという。
……全員揃って、璃月重鎮の年頃な女達である。
璃月全土を揺るがす大事件だっただけに、岩神に逢う目的の為とはいえ、本当に凄い人物との縁を結んでいたというのがよく分かる。
「……っと。これで良し! 忙しい中で本当にごめん! 洞天に遊びに来る様なことがあったら、丁重におもてなしするから!」
「それじゃあな~」
……地の文で自己紹介をしている内に、3人とも招待契約交わしちゃったよ; まぁ前スレの最後に契約方法(超簡単)が載っていたので、あまり問題にはならなかったろうけど。
「全く。普段は真面目に業務の手伝いなどもこなしてくれるというのに、こうした些細な出来事には直ぐに目を光らせて…… 私達の都合も考えてほしいわね」
「ですが、彼の存在が今の璃月、ひいては私達にも影響を与えてくれたのは事実です」
「そうね。甘雨の言う通りよ。……こうなったら、益々仕事のペースを上げないといけないわ。今週末に十分な休み時間を設けて、彼の家に泊まるんだから!」
「……それは気が早すぎないかしら;」
刻晴達の招待に成功した空達は、尚も璃月を走り回っていた。どうやらあと数名ほど、今日中に招待しておきたい人達がいるらしい。
「お、おい旅人。そんなに焦るなって。別に塵歌壺への招待なんて機会があればいつでも出来るだろ?」
「そういう訳にもいかないんだよパイモン。人は業務に熱を持ってる内にそれに取り組まないと、いつか冷めてしまって事の優先度が落ちてしまうんだから」
……とはいえ、空のスタミナも決して無限ではない。息切れを起こしてしまった空は、次に思考を回転させ始めた。
──ふと何を思ったのか、空は自分の所持金を確認しだした。手元には30万モラ。
「……自分とパイモン、2人分なら多分いけるな」
そう呟いた後、空はとある店に向かって走り出した。
気づけば時間は21:30。通常であれば、この時間には2人はとっくに夕飯を食べ終わってる頃だった。しかし今は違う。
「も、もうお腹がペコペコだぞ…… けど正気か、空? この時間から「琉璃亭」で食事だなんて…… 財布のモラがすっからかんになっても知らないからな……!?」
パイモンがこう釘を刺すのには理由があった。
琉璃亭は、璃月の中でも二大とされる超有名料理店の片割れ。璃菜と呼ばれる山の幸をふんだんに使った一品は、筆舌に尽くし難い美味しさだと言われる。
そんな高級料理店に相当腹を空かせて行くだなんて、庶民からすれば考えがたい事であるのは確かだった。
しかし空は、ある記憶に基づいた仮説から、一か八かの賭けに出ていた。
琉璃亭の重い扉を開き、日中に予約した者だと告げた後、指定された座席を目指す。
……その矢先、彼はターゲットが今日たまたまこの店に来店していたことを見逃さなかった。
「……ハハッ、ビーンゴッ」
彼の視線の先には、2人の青年男性が璃菜を囲んで食事をしていた。
1人は、黒地に茶色の装飾をあしらったスーツを着用した、気品風流に溢れる男。
もう1人は、灰色を基調とした服、ベルトの右側に水元素の神の目、そして赤のマフラー(?)を巻いたイケメン……の筈だ。というのも、サイズがやけに大きい色つきメガネに分不相応のつけ髭までしており、明らかに誰かが変装を通じて姿を偽っているようにしか見えなかったのだ。
「すみません、お二方。今、お時間頂いても?」
「……む。これは驚いた。旅人達じゃないか」
「あっれれ、おっかしいなぁー。どうしてこんな所にやってきたんだい、相棒! 鍾離先生もこの反応だし……まさか独断で?」
「そっ、そのまさかだよ」
料理を待つ間の時間を使って、2人の話に参入することに成功した。
鍾離と呼ばれた男は、初めは驚いた顔をしていたが、直ぐに表情を戻すと話の本題を聞いてきた。
「お前達がわざわざ会食の最中にやってきたんだ。なにか話があって来たんだろう?」
「そうなんだよ…… オイラたち、今日ピンばあやから塵歌壺ってのを贈ってもらったんだけど、旅人が2人を招待したいって言って聞かなくて……」
「ほう、塵歌壺を。俺は別に構わないが、なぜ「公子」殿を? 一時行動を共にしていたとはいえ、仮にもお前はファデュイとは敵対関係にあるだろう?」
鍾離がこう聞き返すのにも訳があった。
実は空のことを"相棒"と呼び慕ってきたこの男。名をタルタリヤと言うのだが、実は彼の正体はれっきとしたファデュイ。しかも、ファデュイ組織の中でも選りすぐりからなる11名の執行官「ファトゥス」、その第十一位「公子」の名を授かる、指折りのやべー男なのである。
本スレで何度も語った璃月を襲った大事件の黒幕……と世間では言われており、もはや璃月では立つ瀬のない男であるが故に、尚も璃月に居座る時は(どう見てもバレそうなものだが)変装をしていたという事である。ちなみに本当の事件の真相は少しばかり異なる点があるのだが……その詳細は読者自身の目で確かめてもらいたい。
「まぁ、そりゃあ思いましたよ? この後モンドと璃月の知人をガンガン招待しようかなーと思ってる手前、ファデュイの執行官を住居に招待しようなんてね? 無謀にも程があるだろうって。……でもさぁ」
「タルタリヤの家族に対する愛情とか…… 他の執行官からはひしひし感じられる、欲望を根源とする怨み辛みが、コイツからはどうにも感じられなかったり…… あと……」
「……命賭けて、魂すリ減らして、この世界で初メて本気で闘いに興じることが出来たンだ。……認めちまッたんだよ、俺ノ本能が」
──そこには、モンドの栄誉騎士とも、璃月の英雄とも形容しがたい『ナニか』が残っていた。
或いは、冒頭に語ったあのおふざけの文章が、もしかしたら……
「ぷっ……ハハハハッ!! いやぁ、やはり俺の目に狂いはなかった。それでこそ、俺は君を"相棒"と認めたんだから!」
「……ふっ。何事も、表の事象があれば裏の事象もある。旅人は別に気にしなくてもいい。今ここにいるのは、狂気を武道に注いだ武人と、過去が摩耗していくだけの人間だ」
……かくして空は、鍾離だけでなく、タルタリヤをも洞天へと招待した。彼の洞天招待の旅は、まだ始まったばかりである。
「あっ。さっきも言ったけど、璃月の重鎮も平気で入ってくるから、面倒事はなるべく避けてくれよな」
「えっ、それ自己責任にするのかい!?」
……と、ここまでがプロローグになります。
次回は……何でしょうね。プロローグ後編とでも思ってもらえれば幸いです。
小説カキコでは恐らく自分以外取り扱ってるであろう形跡がない【原神】からの参戦。利用規約を考えると、恐らく本筋でコラボジャンルを用意する事はまぁ無いと思いますので、別案が思い浮かんだら、前作のオリキャラクロスオーバーを改変してお送りするかもしれませんね。
それでは感想をどうぞ!!
- 帰らぬ熄星 - 翼にねがいを - ( No.7 )
- 日時: 2023/07/02 21:58
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
琉璃亭での一件から一夜が明けて。
初めて塵歌壺で睡眠をとった空達は、心做しか不思議な感覚に陥っていた。
「ん…… おはよう、パイモン」
「ふわぁ~…… む、おはよう、旅人。思ったよりもぐっすり眠れたな」
「あぁ。やっぱり、野宿だと常に仮眠しか取れなかったから。神経を尖らせる必要なく眠れるのは、だいぶ話が変わってくるよな」
いつ誰に襲われるかも分からない野宿よりは、確かに塵歌壺での就寝の方が安心度が桁違いだった。塵歌壺のありがだみをその身で感じた2人は、ピンばあやに感謝の思いを届けながら身支度をした。
「で、これから空は何をするつもりなんだ?」
「またそろそろモンドに戻ろうと思う。塵歌壺の一件でモンドの皆も招待したいと思ったから」
璃月を離れるべく埠頭を散策していた空とパイモン。やはり璃月は七国でも最大級の貿易都市だからか、何もない日常であっても常に商人達の誘い文句で活気に満ち溢れていた。これも一重に、璃月七星の尽力による所も大きい。
すると、ふと空達の後ろから、自分達の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
「あっ! おーい、旅人にパイモーン!!」
「ん? この声は……香菱! それに行秋も! ……あれ、ところで重雲は……」
「いるよ!? ハァ、ハァ…… 急に2人が走り出すから遅れてしまったんだ……」
振り返るとそこには、アンバー達と同年代くらいの少年少女3人が駆け寄ってきた。
1人目は香菱。
編んだ髪で∞を描いてるのが特徴の女の子である。右腰に炎元素の神の目を付けており、槍術に長けている。また、グゥオパァーという狸……の見た目をしたパンダが一緒にいる。聞いた話によると、この槍術はピンばあやからの教えらしい。本当に何でも出来そうだな、あのおばあちゃん……
実家は璃月内でもチ虎岩と呼ばれる場所に居を構えている『万民堂』という大衆向けの食堂。父親の卯師匠が店主を務めており、空達も何度もお世話になってきた。勿論、娘の香菱も大の料理好き。料理は作る事も食べる事も、なんなら食材調達のための狩りすら大好き。大体の生物を「食材」としか見てないサイコっぷりが少しある……かも?
2人目は行秋。
現状の原神内でも1,2を争うレベルで中性的な少年。左腰には水元素の神の目を付けている。
実家は璃月でもだいぶ大きめの商家、飛雲商会。次男坊である行秋は家督を継ぐ必要はないとはいえ、彼も本来はビジネスに生きる側の人間だろう。しかしながら、本質はどこか違うようだ。勉強熱心で本の虫ではあるが、空いた時間が出来るとふらっとその場を離れては人助けをするなど義侠心を特に重んじている性格。尚、字は汚いし、いたずらっ子でもある。
同時に彼は「古華派」の剣士でもある。古華派は当時没落した門派だったのだが、その武芸に惚れ込んだ行秋は数年をかけて数々の流儀を会得したのである。
3人目は重雲。
水色の短髪が特徴の、まるで眼鏡を外して年相応の見た目をしたアンデルセン(FGO)のような少年である。腰に巻いたベルトには氷元素の神の目がはめられてある。
方士という妖魔退治を生業とする一族の生まれなのだが、「純陽の体」という特異体質である。陽キャオーラというか……陽の気に満ち溢れてるからか、そもそもその場にいるだけで妖魔が恐れをなして逃げ出すという。その為、方士なのに悪霊退散の経験が全くないという異色の経歴を持つ。あと、何故か影が薄い。
尚、この陽キャオーラは非戦闘時でも常時活発で、抑え込むにも一苦労している。具体的に言うと、熱いものと辛いものを食べない、厚着をしない、日差しが激しい日は出かけない、感情を激しく昂らせないなどが挙げられる。抑え込めずに陽の気が暴走してしまうと性格が豹変し、「熱血」と「衝動」に強く駆られるのだと香菱から聞いた。つまり、本当に陽キャになる。
「この辺りを歩いているという事は、璃月港を離れるのかと思ってね。何処に行こうとしていたんだい?」
「おう。それがな…… オイラ達、そろそろ一旦モンドに戻ろうかって話をしてたとこなんだ」
「えっ、もうここを離れちゃうの!?」
「……うん。モンドにも同じように戻ってくるのを待ってる人達とかもいたりするから。……あっ、そうだ。皆も塵歌壺に招待しないとか」
「……? 塵歌壺……? 何なんだそれは……?」
「まぁ仮住まいみたいなもんだな。要件を満たしさえすればいつでも遊びに来れるって寸法」
「へぇ~! そこってさ、グゥオパァーも連れていけるの!?」
「まぁ大丈夫じゃないか? パイモンだって通れてるんだし……」
「おい! だから空はオイラを何だと思ってるんだ!」
またしてもパイモンにやいのやいの言われながらも、香菱、行秋、重雲の3名も塵歌壺に招待した。これで塵歌壺招待者は累計7人だ。
3人に別れを告げ、空達は璃月港の入口まで来た。
ここからモンドまでの距離は決して短くはない。相応の準備はして来た事を確認した上で、再度モンドへの旅路に向かおうとしていた。──その時だった。
「やっと来てくれましたね。待ちくたびれました」
「…………!」
「う、うわっ!? 誰だお前!?」
切り立った岩場の上に、巨大なとんがり帽子とやけに薄手で星空を模したかのような衣装が目立つ少女が座り込んでいた。
彼女はこちらに気づくや否や、ワープホールのようなものを生み出したかと思えば、一瞬で2人の目の前に姿を現した。
「ふふん、やはり私の「占星術」に間違いはありません。さぁ、ついてきてください」
軽く言葉を残したかと思えば、直ぐさま歩き出す少女。薄手の衣装で顕著になってしまっている大腿筋、及び華奢なおs……と、そんな事は今はどうでも良かったか。
「お、お前……いくらなんでも怪しすぎるだろ! 飛び込み営業の占い師なのか!?」
「私を疑っているようですね。……ではこう言えばどうでしょうか。あなた、『この世界の人間じゃありません』ね?」
「……………………!?」
「ど、どうしてソレを……!?」
空がこの世界で持つ特異性。それは通常、見てくれだけでは分からないような事象なのだが、それを一発で見抜いてきたこの占星術師(仮)はやはり只者では無い。空とパイモンが驚くのも無理なかった。
「自己紹介もしておきましょうか。私はアストローギスト・モナ・メギストス。名前が長くて覚えにくいので、モナと呼んでください」
「そうか。宜しく、モナ。俺の事は分かってそうだけど……改めて、空と言う」
「そんで、オイラはパイモンだ!」
お互いの自己紹介を済ませた所で、話はモナの要望に移り変わる。
「私は占星術師。今は師匠の代わりにモンドへ向かう用事がありまして。そこでここ数日の動きを占わせてもらったのですが、モンドの英雄とも呼ばれるあなたがモンドに帰還するとありました。あなたと旅路を共にすれば、自分の実力や地位を知らしめる事が出来る良い機会になるだろうと」
「要は護衛しろってのか……?」
「いや、実力や地位を証明するって話なら……腕は立つんだろ?」
自分達がモナの旅路に同行する事自体は別に構わないのだが、なんか釈然としないのでゴネ出した2人。まぁ当然モナにはそんなのはお見通しだったわけで……
「モンドに向かう理由の一つに、知識の交流があります。その経験を糧にすれば、あなたの運命がよりはっきり見えるようになるかもしれません。例えば…………神、及び家族のこともでしょうか?」
「…………なるほどね。分かった、交渉成立だ」
奇妙なやり取りを交わした後、モナが一時的にモンドへの旅路に同行することとなった。
しかし、このモンドへの旅路が少しばかり面倒な事態になるとは、この時の3人は知る由もなかった…………
更新続けます。感想まだ。
- 帰らぬ熄星 - 翼にねがいを - ( No.8 )
- 日時: 2023/07/02 22:00
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
モナと一緒に旅を続けて二、三日。モナのことについて、空は多方面から少しづつ理解度を上げていった。
彼女は……占星術を随分と高く評している。
生業としてるのだから当然だとも言えるだろうが、その本分がなんというかこう、世間とズレているのだ。
最新鋭の占星設備を揃えるための投資を全く厭わないので、稼ぎ自体はあるのにとにかく常時金欠。
空達が望舒旅館でご飯を食べようとした時も、モナは1人そうめんを頼んでおり、思わず2人して心配してしまうレベルだった。
おまけに彼女、占星術を崇高概念としている都合上、金儲けなどの世俗的な目的では決して使おうとしないポリシーを併せ持っている。その為、先程収入があると話はしたが、それも並の一般人程度のものと見てもらって構わない。
以上のような特徴を持っている上に常時はプライドが高い人物でもあるので、正直随分と生きづらい日々を過ごしていたのではないかと、空はだいぶモナを心配してしまっていた。
──ここは石門。モンドと璃月の丁度境目といった場所である。旅を続けた空達3人は、ようやく折り返し地点まで辿り着いた。
「ふぅ…… ここまででもだいぶ長い道でしたね。少し休憩していきましょうか」
「それもそうだね」
別に急ぎ旅というわけではないので、旅路に休息は必要。石門で商売をしてる人達の相手をするなどして、各々で時間を過ごしていた。…………その時だった。
「ん……? お、おい! 昼間なのに「流星群」が降ってるぞ!?」
パイモンからの突拍子もない叫び声に、何を言ってるんだコイツ?と思いながら空を見上げる2人。すると空には…………
快晴の空だというのに、青や紫に輝く流星群がテイワットの空を駆けていったのだ。しかも、その一部は既にモンドに墜落しているように見えた。
「おいおい…… テイワットじゃ昼間に流星群が降るのが日常なのか……?」
「そんな訳ないでしょう!? このような現象、私も初めて見ましたよ…… 一先ず、周辺を調査してみましょう」
見覚えのない現象に不安に駆られた3人は、急遽石門を後にすることにした。
その道中での事だった。
モンド城への道中にて、同じく旅人なのだろうか、巨大な笠を被った1人の少年が、反対側から歩いてきた。
「……おや? そこの君達、急いで何処へ行こうとしてるんだい?」
「どうも、こんにちは。さっき、昼間だってのに流星群が降ってきただろ? 見慣れない光景で不安になったから、モンド城に向かおうとしてた所なんだ」
「……………………っ!?!?」
「成程…… なら僕から1つ忠告しておくとしよう。聞いた話によれば、その落ちてきた隕石に触れてしまった人間は、どういう訳か昏睡状態に陥ってしまうらしい。もっとも……」
────刹那。
和装の少年が忠告をしている真っ最中だというのに、空達は血相を変えたモナの手によって、強制的に離脱を余儀なくされた。
……道すがらには、1人残された少年。
「……あらら、逃げられちゃったか。僕の詳細は彼らには知られてなかった筈なんだけど……何かを「見る」能力でもあったのか?」
「……まぁいい。今回の主な任務は、何も彼らの殺害じゃあない。自分の為すべき事をするまでだ」
物騒な言葉を残し、少年は来た道を戻る。
…………彼の名はスカラマシュ。
又の名を、ファトゥス執行官第六位『散兵』。
「……ぷはぁ! やっと出てこれたぜ……」
「でも、何だって急にあの場から撤退したんだ? お尋ね者なのかアイツ?」
モナの緊急脱出により、一同はモンド城までの旅路をむしろ大幅に短縮していた。
それはそうと、何故道中で緊急避難をせざるを得なかったのかをモナに聞いてみる。
「お尋ね者なんて可愛いものじゃありません。いっぱしの占星術師であっても、あの人物が『ファデュイの上位層の人物』である事は簡単に見抜けます」
「なっ、ファデュイだって!?」
「何の目的でこの地に……っ、まさかあの流星群……!」
「可能性としては浮上してきたでしょう。今まで以上に十分注意する必要があります」
モナからの警告を受け、今回の超常現象が人災である可能性があるとして、身体に更なる緊張が走った。
それはそれとして、3人が飛んできた場所の近辺に、位置としてはモンド郊外に値する「清泉町」という集落があった。
モンド城までの道のりとして通る必要のある場だったので、流星群にまつわる話を聞きながら通過する予定だった。の、だが…………
「……? あんな所に仮設テントなんてあったか?」
「あっ、おい! テントに人が何人も倒れ込んでるぞ!?」
「まさか、もう隕石の影響が出始めてるんですか……? 急いで確認しましょう!」
見慣れないテントが幾つか設置されており、救急搬送された人達が寝転がっているのを見るに、既に何かが起こってると見ていいだろう。
そんな中、急いで介護に回っている者達の中に、空達もよく知る人が紛れていたようだ。
「あれ、レザーじゃないか! 今日は狼たちとは一緒じゃないんだな」
「もしかしてレザーも、あの隕石が気になって来たのか?」
「…………! お前達、来てたのか。隕石、降ってきた。ルピカ、人間、心配。だから、オレが来た」
「ん? この人達は……! 西風騎士団の栄誉騎士か!?」
介護メンバーの中でも特に目についたのが、ボロボロのフードを被った顔に傷がある白い長髪のレザーという少年と、額のゴーグルと鼻についた絆創膏が特徴の少年の2人だった。
「紹介、する。空、パイモン、オレの友達」
「やっぱり! えーと。初めまして、だよな? 俺の名前はベネット。冒険者協会に所属している冒険者だ。お前の噂はかねがね聞いていたから、是非とも逢いたいと思っていたんだ。まさか、こんな緊急事態でとは思わなかったけどな…… ところで、そちらの人は?」
「占星術師、アストローギスト・モナ・メギストス。モナで構いません。訳あって彼の旅に同行させてもらってました」
各々が自己紹介をしあってるので、ここでまた1つ出てきた単語について説明させてもらおう。
冒険者協会とは、テイワットの七国の人々や他の組織のために、冒険者の斡旋を行う組織である。
冒険者協会は、寄せられた複雑な口コミ情報を集約し、冒険者に割り当てられた任務や冒険という形で再配布している。その内容は多岐に渡っており、猫探しから秘境探索までこなす。
テイワット七国の各地に支部が設置されているが、本部があるのはどうやらスネージナヤらしい。最も、ファデュイとの関連性は見られておらず、独立した組織である事が窺えるのだが。
モットーは『星と深淵を目指せ!』
実のことを言うと、空も冒険者協会に所属してはいる。しかし、大抵のことは1人でこなせてしまう為、今まで冒険者同士の横の繋がりは形成していなかったのである。
まだまだ続きますぜ
- 帰らぬ熄星 - 翼にねがいを - ( No.9 )
- 日時: 2023/07/02 22:05
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
「……つまり。今ここで昏睡状態になっている皆さんは、隕石に触れてしまった事が原因であると?」
「あぁ。ここに搬送された全員の共通点がそれだからな。まず間違いないと思う」
「……けどよ。だとしたら、なんでおまえはピンピンしてるんだ? 隕石墜落時に飛んできた破片が、確かにおまえに直撃したんだろ?」
自己紹介を済ませた一同は、現在状況の共有を行っていた。
隕石に誤って触れてしまった者達が悉く昏睡状態に陥らされたというのに、どうやら隕石の破片を頭で受け止めてしまったベネットは無事だったのだという。……隕石の破片が被弾するってどういう運してるんだコイツ。
「しかし、この事象は隕石の正体を掴む手がかりになるはずです。……ちなみに、その隕石の破片は今どこに?」
「冒険者が、もってった。他の破片、集めてる」
「なるほど、被害を拡大させない為に隕石の回収に乗りでたのか。しかも、調査が続行してるって事は、その人達も隕石に触れても大丈夫な人だった。ふむ……」
ここまで口にして、空は思案する。
丁度今、彼には1つの仮説が浮かんでいた。
……レザーのフードの背中にあった紫色の球と、ベネットの腰のポーチに羽目られた赤い球を見て。
「……なぁ。その破片を持っていった冒険者って、神の目を所有してなかったか?」
「? 確かにフィッシュルなら神の目を持ってるけど」
「……! なるほど、元素力が原因だとすれば……!」
「恐らくは御名答よ、異郷の旅人達よ」
つまりはこうだ。
降ってきた隕石には元素力が込められており、神の目を所有するベネット達であれば取り扱う事が出来たが、一般の人間が触れると元素力の影響を直で受けてしまうが為に昏睡状態に陥ったのではないかという話だった。
そして、空達の話に割って入ってくる声の方を見やると、3人の少女と1羽の鴉が町の外から戻ってきたようだ。
「おっ、フィッシュル! 戻ってきたのか! それで、隕石の欠片は……?」
「えぇ。彼の地に飛来せし星屑達は、全てわたくし達の手によって回収されたわ。これで、夢境に囚われし衆人達も、永久に沈む呪縛から解き放たれる筈よ」
「次期に皆さんも目を覚ますことでしょう、と仰られております」
「ふん、この辺りはアタシからすれば庭のようなものにゃ。隕石の欠片を探すなんておちゃのこさいさいにゃ!」
「皆様のご期待に応えられたようで良かったです。あら、あなたさまも来てくださったのですね!」
ここまでの説明でベネットとレザーについては軽く触れる事が出来たと思われるが、彼女達にはそんな時間はあまり作れなさそうなので、こちらで軽く説明させてもらう。
まずはベネットと会話をしていたフィッシュルという女の子。
紫と黒の薄手の装束に身を包んでおり、左目を眼帯で隠しているなど、見た目の時点でアレな気がするが、言動も自称:断罪の皇女など、明らかに厨二病患者。おまけにCVが内田真礼氏なので完全にやみのまである。狙ったろホヨバ。
冒険者協会出身の雷元素の使い手で、自らの権能によって召喚された夜の如き漆黒の鴉「オズ」を従えている。皇女の厨二病発言をオズが注釈するのはもはや日常茶飯事。みんな苦い顔をしがちなのだが、ベネットは素直に憧れているようだ。男の子だねぇ。
2人目は猫耳、三毛の尻尾、語尾のにゃが目立つ幼女。名をディオナという。カッツェレイン一族という人よりの猫獣人と見てもらって構わない。
普段はキャッツテールという、エンジェルズシェアとは別の酒場でバーテンダーをやっている。幼女なのにバーテンダーとはこれ如何にと思うかもしれないが、ファンタジーなので置いといてほしい。彼女が作るお酒は非常に美味しいらしいのだが、酔っ払いがウザ絡みしてくるからか、本人はお酒が大嫌いな模様。
清泉町を庭と称しているが、実際に彼女の生まれは清泉町。父親のドゥラフがこの村の代表みたいなものである。氷元素の神の目持ち。
3人目は軽装鎧調のメイド服に身を包んだ少女、ノエル。
西風騎士団への本格的な入隊を切望する女の子。本職は見たまんまのメイドさんである。普段の活動範囲はモンド城なのだが、此度の流星群襲来は大きな影響を及ぼすだろうと考え、モンド城内の安全を確認した後に城を飛び出した所を、ディオナ共々ベネット&フィッシュルに協力をお願いされたという経緯がある。
岩元素の神の目を所有しているが、性格も岩と形容していい程に頑固。
新メンバー、続々参上。