二次創作小説(新・総合)

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ポケットモンスターRE:ReBURST
日時: 2023/08/04 08:28
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

『もう1回、バーストしてみる?』


【注意】
ポケットモンスターReBURSTの二次創作です。
ReBURSTの他に色んなポケモンのネタが出てきたりします
前に書いた『ポケットモンスタートライ』と違い、本編のネタバレあり(というか、これを書くために今度は本編ちゃんと買いました)
AIのべりすとを借りた地の文スタイル

Re: ポケットモンスターRE:ReBURST ( No.1 )
日時: 2023/08/03 21:04
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

「あの野郎!!」

「珍しいポケモンの化石を安く売ってるって言うから買ったのに……」

「頭と体が全く別の生物じゃねえかよ!騙しやがって!」
そう言い捨てて、少年は駆け出した。そして、少年が消えた場所には無数の化石が落ちていた。
……

「あれ…、あの露天のおっちゃんもういなくねぇか?」

「撤収しやがったか……失った金は少ないとはいえ、なんかイラつくな……」

「はぁ、はぁ……ったく、今日という今日はマジで許せねぇ!」

「もし見つけたら口から脊椎引っこ抜いて……」

「やめんかアホ」

「いて」

少年は顔面埋められて、引っ張られながら移動する。

「町……せめて次の町ではなんか休めたらいいんだけどな、いい感じの宿!野宿より上!」

「はぁ、でも余計な金使っちまったしな……あ!でも屋台とかあったらいいなァ!!」

「……」
少年は無表情のまま、相方の方へ無言で振り返る。

「相棒…これ屋台とかあるか…?」

「屋台どころか…寝れるかも怪しいレベルじゃないかコレ…」

マドロシティ
そこは酷く荒廃し、崩れかけの建物が建ち並ぶ場所だった。
崩壊した建物からは時折火の手が上がっている。
ところどころに瓦礫の山が出来ており、そこに大きな獣のような生き物の骨があった。

「…どうする?見なかったことにして引き返す?」

「そうするか…」

が、少年の横を横切る荷車を見て、その足は街の方へ向かっていった。


……

「うへへへ……これだけあればしばらくは稼げるぜ……。」

荷車を引く男がそう言いながら笑っている。

「ま、でも売りゃあ元も取れるだろ!それにこの量なら結構な額になる!」
そう言って男はニヤついた顔で歩いている。すると、その横を通り過ぎる少年が飛び蹴りをかまして荷車を止める。

「オーダイル!」

「ああ、ちょっとその中確認させてもらおうか」

荷車の中を開けると、小さなポケモンが中から次々と飛び出して町の中へと逃げていく。

「ありゃ密漁だな…」

マドロシティ。そこは、かつて鉱山都市として栄えた町だった。しかし、鉱石の採掘量の低下や鉱夫の高齢化などが原因で衰退し、今ではこの通り廃れた街となったのだ。そして密漁が横行するようになっていたという訳である。
その後少年は男から話を聞くことにした。

「こっちだって本当は好きでポケモンを金にしてるわけじゃない、でも…今やこの町は自己防衛しなきゃやってられん」

「なんかあったのか?町が老朽化しただけってわけでもないんだろ」


「……」

「グレートガベルって知ってるか」

「いや…この辺りは来たばかりなんでな、それが?」

「数年前に壊滅したって噂だったのにまたここに現れて……それで、この街の人達が石切り場跡に身を隠してる」

「グレートガベルって……なんかすげぇ名前だな……」

「この荒れようもそれが原因だ。もはや街の存亡を賭けた戦いになってきてる、そんな状況だ」

「ふーん……」

「……俺達だってこんなことしたくない、でも奴らは強い、ポケモンだけじゃなくそれを利用した兵器も持っている…」

「なるほど…よし、叩きのめすとまではいかなくとも見に行くか、個人的に興味もある」

そう言うと男は、荷車からモンスターボールを取り出した。その中にはラクライが入っている。
男は少年にポケモンを渡すと、こう告げた。

「護身用に俺のラクライを貸す、アンタもオーダイルを持っているみたいだがちょっとは役に立つだろう」

「それに…今更だがそのオーダイル喋るんだな…」

「ああ、こいつは翻訳機が付いてるからな」

「それだけ珍しい奴なら正面突破も可能かもしれない」

そう言いながら、少年は受け取ったボールを腰ポケットに入れた。
そして2人は、街の中心部にある巨大な建物に向かった。
……
建物は廃墟となっており、所々崩れている。
入り口には武装した集団がおり、中には銃火器を装備している者もいる。
少年は集団に近づくと、その中の1人に腕に錠を付けたオーダイルを見せる。
メンバーの一人がボスに通信機で連絡を入れる。

「ボス、翻訳機が付いて人の言語が話せるオーダイルだそうです」

『よし、入れろ……ただしポケモンだけだ』

オーダイルはクレーンで持ち上げられ、台車に乗せられた後ようやく門が開く。

オーダイルが連れていかれた後……

「よいしょっと」パキ

普通に錠を引きちぎり、オーダイルはグレートガベルの職員をぶん殴る。

「行け!!アメジスト!!」

「っしゃあ!!」

アメジストも騒ぎに乗じて門を越えていく。

『な、何だこいつ!!』

「オラァ!!くたばれェ!!」
アメジストはオーダイルに手錠を引きちぎらせ、周りの職員を薙ぎ倒していく。そして、しばらく暴れ回った後……

「ふう……こんなもんか」

すると後ろから巨大な機械が出てくる。
その上に立っているのはボスらしき人物。

「あれがグレートガベルの親玉か?」

「いや、良くて支部長とかそのレベルだ」

「オーダイル、アレいけるか?」

「あんぐらいならいけそうだ」

「れいとうパンチ!!」

巨大な機械は、氷漬けになって砕け散った。

「なるほど、流石にポケモン……強い力を持っている」

「だが、こちらとて無策ではない」

「ここの街のやつから聞いた、ポケモンの他に『ポケモンを利用した兵器』を持っているってな?」

「あるんだろ?お前の手元にBハートが」

Bハート、正式名称【BURSTハート】
ポケモンが生きたまま囚われた小さな鉱石であり、モンスターボールと違い出し入れは不可。大きさもまちまちであり、最大でも10cmほどしかない。
主に2つの効果があるとされているが、1つはポケモンを中に封印する、そしてもう1つは……

「ほう……まさかBハートのことを知ってるとはな」

「私はダイゼツ、このGGを新たにやり直す者の1人だ」

「かつてグレートガベルを設立したフロード様はBハートとそれを使えるものを集め、世界を支配しようとしていると……」

「今でこそ行方をくらましているが、我々生き残りが再びこの場を統一し……」

「フロード様を探し出す」

アメジストはダイゼツに接近すると、その顔面を殴りつける。
そのまま投げ飛ばすが、相手はすぐに体制を立て直す。そして……

「世界征服か、それくらいシンプルな方が後腐れなく倒せる」

「俺たちはそのBハートを集めてるんだ、アンタを倒して奪わせてもらう」

「なら、倒れる訳にはいかない……」


「なぜなら、ここに持っているものこそ過去にフロード様が使用していたBハート……我に力を!」

「……あいつ!!ハートの力を使う気か!!」

「BURST!」

雷鳴と共に周囲に衝撃が走る。

Bハートには2つの使用用途がある。
1つはポケモンを中に封印する、そしてもう1つは……


「………なりやがった」

「キリキザンに……!!」

封印したポケモンを、その身に宿して『変身』することが出来る。キリキザン、白と黒の刀身を持ち、その素早い動きから見えないほどの斬撃を放つと言われる。それは当然見た目だけでなく、技も再現できるのだ。
そして今ダイゼツはキリキザンに変身した。この状態ならあの怪力も発揮されるだろう……

「ああ、素晴らしい力を感じる……これがフロード様の使っていた力か」

「どーするよオーダイル、アレにポケモンバトルが通じると思うか?」

「へっ、結局はキリキザンだ……格闘技でノックアウトだ!!」

「いくぞ!爆裂パンチ!!」

オーダイルは力強いパンチを繰り出すが、キリキザンは剣でそれを受け止める。そして……

「死ね」

キリキザンの剣先がオーダイルの腹を貫く。しかし、オーダイルは即座に口から高圧の水流を放ち、剣を折る。そしてそのまま突進し押し倒すが……

「オーダイルかわせ!!そいつの腕が変だ!!」

「おっと……危ねえ!」

倒れてもキリキザンの刃が突如肥大化し、力強く振り上げられる。
間一髪オーダイルはアメジストの指示で回避出来た。

「右腕が突然デカくなりやがった!アメジスト、あれなんだ!?」

「BURSTハートで変身した奴は変な必殺技が使えると聞いたが、これか……」

「これがフロード様も使っていた剛鉄巨腕メタルエクスハンド!!」

「この圧倒的右腕が……お前の全てを粉砕する!!」

「ッ!!舐めやがって!」

アメジストは怒りに燃え、キリキザンに向かって突進していく。そしてそのまま攻撃を繰り出すが、右腕の一撃を食らってしまう。しかし……

「これしきのことでやられてたまるかよォ!!」ガシッ ギリギリ

「ほう、普通の姿で耐えられるとは……」

「おいおい、お前も無茶すんなよ」

「ポケモンに心配されちゃ世話ないな…かといって、あのデカい右腕は普通に厄介だ」

「おい、また来るぞ!!」

「剛鉄巨腕!!」
アメジストは今度はキリキザンの左腕に捕まり、そのまま潰されそうになる。しかし、オーダイルがそれを阻止した。そして……
ムキムキムキ!!ズゴォッ!!!
後ろから腕が伸びて来て、アメジストを掴んでいる腕を粉砕する。すると右腕はそのまま崩れ落ちて、怯む。

「馬鹿な!?」

「なんで砕けたか、なんで負けるか?」

「鍛錬が足りねぇんだよ!!」

………

「え!?あのまま倒しちゃったのか!?」

「ああ!結果的に目的のブツは手に入ったしな!」

「ほら、ラクライ……結局使わなかったけど返すよ」

「俺が何事も無かったように預かってたッてことで」



「お前もなるべく密猟なんかしなくても生きていけるようになれるといいな」



「……あの、名前は?色違いで、言葉が喋れるオーダイルを連れて何を……」


「……俺の名前はアメジスト!」


「この石ころをめちゃくちゃ集める理由は言えないけど、とにかく世界を回るんだ!」

Re: ポケットモンスターRE:ReBURST ( No.2 )
日時: 2023/08/03 22:21
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

この少年、アメジスト。
相棒の喋るオーダイルと共にBハートを集め、ポケモンに変身して悪者と戦う、旅人である。
アメジストは、Bハートを集めるためなら時に手段も選ばない非情さを持っている。

「Bハート……あいつが前に見つけて、博士に研究してもらってたんだよな」

「ああ、随分特殊な作られ方をしてるのか未だに封印したポケモンを出す方法が見つかってないと」

「よほど珍しいのか、どこの文献にも載ってない。だけど、俺は必ず見つけてやる」

「……そんな俺の目的のためには、協力してくれるよな?」

オーダイルはアメジストの手持ちであり、今最も戦えるポケモンだ。
トレーナーは本来、6体まで持ち運べるのだがアメジストが使えるのは現状オーダイルのみ。
残りの4体はまだタマゴ、最後の一体はそれを孵化させるために連れてきたランプラーだから。

「せめて孵化すれば……といっても、産まれたてに無茶できないしな」

「かといってランプラーじゃまだまだ戦力的にも含めにくい」


「………せめて、俺が変身できればねぇ」


「出来るだろ」

「いや……そういう意味じゃなくてな……」


「ああ、それと」


「もう分かってるぞ、木の上に誰かいるな」

「さっきからこっちを見てただろ」

「……気付いていたか、さすがだな。見回りの邪魔になるかと思ったが……ちょうど良いな」
草むらから現れたのは、緑のジャケットを着た青年だった。
彼はオーダイルとアメジストに近付く。

「話は聞かせてもらった……まさかBハートを集めているとはな、目的はなんだ?」

「目的……?」

「博士に渡して中のポケモンを解放する以外に、何があるんだよ?」

「……」

「なるほど、こいつは他の奴らとは違うようだな」

「ん、まだ上に誰かいるな」

「そいつにも降りてくるように言う。」


………
先程までアメジスト達を付けていたのは、それぞれ男女の子供。
女子の方はかなり小柄で、男子の方はツリ目で若干背が高い。


「オレはハリル、こっちはキャロラだ」

「現状はお前と同じで持っているBハートのポケモンを解放するために旅をしている」

「へー……で、他の奴らと違うと言っていたが、これを使って世界征服をするのって、結構いるのか」


「………アルカデスのことを知らないのか?」

「アルカデスぅ?」

思わず、アメジストは聞き返す。
アルカデスといえば、前に旅で聞いた覚えがある。
史上最強のBハート使いで、全てのタイプを自在に使いこなせる、ポケモンの神『アルセウス』が自身を討ち滅ぼせるかを試すために作られたと云われている。

「知人から聞いた時はそんな風だったような」

「本当に詳しくは知らないのか……ならそれでいい。」

「改めて、お前の目的はなんだ?」

「……さっきも言ったろ、Bハートを集めて博士のところ持ってって中のポケモンを解放してもらう、本当にそれだけだ」

アメジストは、その目的だけを口にする。
オーダイルも同意するように頷いた。

「なるほど……だが、研究者達の力を借りても無駄だ」

「オレ達も色々あって長い遠回しをしてしまったが、Bハートについて色々調べていくうちにその根源が古代文明まで遡ることに気付いた」

「こ……古代か、そういえばアイツもウルガモスのBハートは遺跡で発見したとか言ってたな……」

「じゃあどうすりゃい……

ドン!!
その瞬間、奥の方で何か爆発のような音がした。
三人は、音のした方を向く。
三人の視線の先には、一つの人影が見えた。
……しかし、その人影は普通ではないようだった。
体の殆どが機械化されおり、右腕の砲身から煙が上がっているのが見えたからだ。
更に、この人間はさっき見た……覚えがある。

「おのれ……見つけた、よくも私のBハートを……!!」

「またお前か、意外としつこいんだな」

「知り合いか?」

「近くの街で密猟者の集落を作ってたダイゼツってやつだよ、グレートガベルって組織を作り直そうと……」

「な……グレートガベルですって!?」

「馬鹿な……あの組織は壊滅して……」


「ん?……ああ、これはこれは、存じていますよ……ハリル様と、キャロラ様」

「は!?」

「お前……この子供達はなんなんだ!グレートガベルの……」

「何なのか……それは、グレートガベル存命時代存在したGG七戦騎という優秀な幹部格!」

「それがお前の後にいる存在だ」

「大昔の話だ、それに……オレ達は既にフロードは見切っている」

「ええ、フロード様を裏切った貴方達にまた戻ってこいとは言いませんとも、ただ」

「今度はお二人の優秀なBハートをその命を持って貰い受けましょう」

その言葉と共に、ダイゼンの右腕が再び機械音と共に変形する。
その砲身に光が集まっていく……それと同時にアメジストとハリル達はそれぞれ構えた。

「させない!!」

砲身から火球が飛び、目の前が爆発する……
だが、至近距離でBURST化したキャロラがその腕でエネルギーを受け止めていた。

「エンブオーのBハート…なるほど、元になった人間がこれでも大したパワーだ」

「バカにすんな!俺だってあれくらい片手で」

「張り合うなオーダイル」

「だがこちらも1発芸のみではない!」

「ほう……それで私を倒すつもりかな?この機体にかすり傷一つ付けることは叶わんぞ!」

「あのサイボーグ野郎……もう1回俺がぶん殴ってやろうか?」

「いや、ここはオレたちがやる」

「1度脱退した身とは言えオレとキャロラがこんな組織に手を染めたのは事実だ」

「もう二度とグレートガベルが復活しない為にここで責任は取る」

「BURST」

ハリルも持っていたBハートを握って変身……ゾロアークの力を解放した。
……一方、キャロラはオーダイルに援護されながら、2人に向かって行く

「あ、おいオーダイル!?」

「お前はハートとタマゴ守ってろ!」

「ま、まぁ……とりあえずアイツに集中だ」

ハリルのゾロアークとキャロラのエンブオーは共にダイゼンへ突撃する。
しかし、どちらもその装甲に傷一つ付けることは出来ないでいた。

「どうですハリル様!最高峰の蹴りを持っていた貴方でも凹むことすら適わない、鋼ポケモンを混ぜて加工した装甲は!」

「ふざけた物を……ならこれだ」

ハリルは後ろに下がり、両手に漆黒の球を作り出す。

「シャドーボール……?にしては凄い力だ!」

闇影射球ナイトシャドーショット!!」

作り出した闇の球を足元に放ち、力強く蹴飛ばしてダイゼンへ飛ばす。
ハリルが放ったシャドーボールは装甲をも貫通し、内部を破壊する……

「な、なに!?」

が、ダイゼンの体は即座に再生してしまう。今、一瞬だがポケモンが中に入っているのが見えた。

「今、中にポケモンが入っていたぞ!」

「ユニラン……確か自己再生を使えたな、無理矢理入れられて再生させられてるのか!」

「なんてやつだ……」

「ふふふ……私を木っ端微塵にすれば、中のポケモンもひとたまりもないぞ!」

「どうすれば……」

「………ハリル」

「アタシにちょっと考えがある!」


「……分かった、お前に任せる」


「よし……」
キャロラは、その場で大きく息を吸う。
そして……口から火球を勢いよく吐き出した。
それは真っ直ぐダイゼンへ飛び、体の一部を破壊するがその程度じゃすぐに再生してしまう。しかし、今回はそれだけではないようだ。
どうやら技の勢いで空中に浮くように飛んでいたらしいエンブオーの得意技『ヒートスタンプ』を放とうとするが……

「馬鹿め!トレーナーでもない人間は技の基本も分からないか!」

「エンブオーのヒートスタンプは自身の重さを利用した攻撃!そんな小柄な小娘が変身して使ったとて……」

「分かってる、だからアタシは借りたの!!」

「オーダイルの重みを!!」

キャロラは飛び上がる際、片手でオーダイルを持ち上げていた。
その体重、およそ88kg。

「いっっっけ!!!」

「へ、は?」
ダイゼンが気付いた時には既に遅かった。
キャロラのヒートスタンプ……オーダイルの重さを利用した技が直撃する。
「そ、そんなバカなぁぁ!!」
2Bハートを取り込んだ巨大な機械とサイボーグだったものは粉々に砕け散った……そして中のユニランは開放された。

………

「お、こいつまだまだBハート持ってるじゃん山ほど」

「こいつも集めておかないとな」

「それ、見せてくれ」

「え?いいけど……」

アメジストはBハートの山をハリルに渡すと、それを足で踏み潰してまとめて破壊する!

すると、中のポケモン達が開放されていった。


「な、なるほど!壊せば解放出来んのか、なら俺も………」



「ふんーーっ!!ぬ、ぐっ……ぐおおお!!壊れねえ」


「そっちは無理だ、人工じゃないからな」


「人工?」

「グレートガベルは兵器にする為に人工的にBハートを作っていたことがあった、壊せるのはその人工的な物だけ」

「オレ達が持っているオリジナルの物は、別の手段でしか解放できない」

「………先はなっげねぇなぁ」


「ま、いいや!アテはひとつ出来たし!」

「いくぞー、オーダイル!」

「だな!」

Re: ポケットモンスターRE:ReBURST ( No.3 )
日時: 2023/08/04 08:27
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

この少年、アメジスト。
相棒の喋るオーダイルと共にBハートを集め、ポケモンに変身して悪者と戦う、旅人である。
その最中、悪の組織グレートガベルの復活を目論む残党に狙われたり、旅の仲間に新たにグレートガベルを見切った元メンバーのハリルとキャロラを加え入れ、Bハートのポケモン解放の為旅をしていたが、今は休息のためにキャンプの準備をしていた。

「そういえば気になってたんだが、フロード様〜ってのはそんなに凄かったヤツなの?」

「あんな残党が必死になって復活させようとしてボスを期待するなんて」

「……あいつは、そんな大それた奴じゃなかったよ」

アメジストが思い出したように語り、ハリルがその話を断ち切るように口を開く。

「俺のいた組織は、壊滅して逃げた元構成員もたくさんいるからな」

「……そうか。なら俺もあんまり深入りはしない方が良さそうだな、俺は無関係だし」

アメジストは少し気まずそうな表情を浮かべて、作業しているオーダイルの方に行く。

「どうだー?そっちは」

「あー……そろそろ何かしら尽きそうだ、今日から4人分になるからもっと必要だぞ」

「なら明日すぐにでも街を見つけて買い出しいかないとな、最近は物価も高いし貯めとかんとまずいかもな」

「それにしても……ポケモンが喋るどころか、カレーまで作るとはな」

「おう、これでも旅をする前には色々勉強したからな」

「俺が喋れるのなんて翻訳機付だからだが、風の噂だがどっかには翻訳機も使わず自力で人間の声を覚えたポケモンもいるらしいが……ま、俺には無理だな」

そう言って笑いながら、出来上がったカレーを器によそい始めた。
その笑顔は、今まで見せたことのないような明るい表情だった。
野営の準備も終わり、3人は焚き火の周りに座りながら夕食を取っていた。
するとハリルが唐突に口を開いた。
それは、彼がかつて所属していた組織の事についてであった。

「グレートガベル残党が密かに活動を続けているとは知らなかった、これからも遭遇しては狙ってくることもあるだろう」

「あとは光の羅針盤を回収してなくちゃいいんだけど」

「光の羅針盤?」

「純正のBハートを数個埋め込むと、アルカデスの力を継承する地へ移動する……」

「アルカデスになる為の鍵ってことか、それとフロードが合わさったら、確かにまずいかもな」

「………いや、その点で言えば問題ない」

「実は直近でアルカデスになったのはブロードで、現在は封印された」

「オレ達と関係者で終わらせた事例だからな」

「は!?」

そう、ハリルとキャロラが駆けつけた時にはもうフロードの野望は阻止されており、フロードは石像に封印されてしまっていた。
しかしそれを知らないアメジストは驚きの声を上げてしまう。
彼の説明によると、ゼクロムの力を持ったあるB戦士がアルカデスとなったフロードと戦い、一騎打ちの末にフロードは力を使い果たしたという。

「じゃあ、残党達の目的は絶対に果たされないってことか?」

「いや……少なくともオレが知る中で、あれほどの技術を持った人間はいなかった」

「体を機械に改造して、その中にポケモンを……」

「頭がどうかしてるとしか思えない発想だった……まるでBハートを人の形にしたような……」


「……………まさかな」

「え?」

「ああいや、こっちの話だ!気にするな」

………

翌朝。

アメジストの姿だけ居なくなっていた。


「アイツならこの時間じゃないと間に合わないからって、買い出しに行ったぞ」

「誰に似たんだかこ〜〜〜んな朝っぱらから出かけるんだからな」

オーダイルは呆れ気味に、調理器具の片付けをする。
「でも確かにあの子がいないと困るかも、食材も足りないし」

「……そうだな、じゃあ少し遅れて追いかけるか」

「ん?」
3人はキャロラが指差した方向を見ると、そこにはあの少年の後ろ姿があった。

「あんな所にいたのか……でも、何を見てるんだ」

「……勘ぐったか、あいつを」

「何?」

「…………」

「俺が言ったってアメジストには言うなよ」

「ちょっと前、アメジストは研究施設に行った……施設って言っても廃墟だけどな」

「そこで行われていたのは生物の理に反する研究」

「ポケモンの遺伝子を組みあわせて、最強の存在を作ろうとしていたとか……そいつはフュージョンポケモンと呼んでいたが、あんなもの合成獣キメラ……いや、それ以下としか見えなかった、そう言ってたよ」

「結局アメジストは反発し、その内の一体を持ち逃げして研究者は逃げ出した……」


「……それがどうかしたのか?」




「その研究者ってのは……」


「アメジストの兄だ」
その一言に、ハリルの表情が強ばる。
そして、アメジストが見つめていた建物を見て気付いた
それは、かつてフロードも姿を見せていたという研究所の跡地だった。

(……まさか)
…………

一方、アメジストは1人研究施設の門を開けて、中に入る……人がいた形跡はもう無い
が、廃墟の割に掃除が行き届いている。

「兄貴、何やってんだろうな」

研究施設の奥へ進みながら、1人呟く。

アメジストには兄がいた、後から調べて分かったが彼はD・H団という組織に所属していた科学者であり、フュージョンポケモンの他に許されない行為もしていた。
その悪事を止めるために色んな人間を巻き込んだ…そう聞いている。

最も今のアメジストには関係ない事だが……

「おっと」

アメジストが歩いていると、突如目の前に鋏が落ちてくる。
まるで最初からそこに居たかのように、オノノクスとキングラーがそこに居た。

「ポケモン……?いや、これは恐らく……」

「あ、真面目に考えてる場合じゃないか」

アメジストは、オーダイルから預かったトランクケースを開ける。
その中には大量のボールが入っており、それを一つ取り出すとオノノクスに投げつける。
が、ボールはオノノクスを通り抜けて奥まで落ちて転がっていく……

「モンスターボールが反応しない……となると」

「アクアジェット!」

アメジストの後ろからアクアジェットで飛んできたオーダイルがキングラーを吹っ飛ばす。

「おっ、ちょうどよかった!」

「ちょうど良かったじゃないだろ!買い出しって言ってたのに勝手に奥まで行きやがて!」

「ごめんごめん、買い出しは本当にしてたんだよ……と、話は後だ、俺の方も……頼むぞランプラー!」

アメジストはもう片方のボールを投げ、ランプラーを出す。ランプラーは透明化を解除すると、地面に手を置いてオノノクスの動きを止めようとする。

「おお!」

「そこだ!シャドーボール!」

ランプラーが押さえ込んでいる隙に、アメジストはボールを武器みたいに投げてキングラーを倒す。
キングラーは倒れると光り出し、電子状の粒となって消えていった。
オーダイルもアッパーカットでオノノクスを倒すとこっちも粒となり消えていく…

「今のは…?」

「なんだ、ハリル達も追いかけてきたのか」

「ポケモンバトルにBハートは過剰戦力になると思って止めたんだ、結果的に呼んでも良かったかもしれないが……」

「……アレが気になるか?アメジスト、教えてやれ」

「……『ミラージュポケモン』、確かどっかの追放された科学者が作ったっていうポケモンを完全にデータ化したものだ」


「ってことはね……」

扉の前から後ろまで、自分達を覆い尽くすようにミラージュポケモンが壁や床、天井にまでいた。
「うへぇ……マジかよ……」

「アメジスト!上だ!」
上空から襲いかかってきた一体にランプラーがシャドーボールをぶつける、そして天井の1体が地面に叩きつけられる。

「上から前から後ろまでこの状態、どう見る?」

「……お前が来て直ぐにこうなったということは」


「誰かいるんだよこの施設!!」


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