二次創作小説(新・総合)

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闘技場で大バトル
日時: 2024/05/31 19:46
名前: 寺時 ◆JnZiCl58gc (ID: x4iKpq0b)

この作品は2013年頃、小説カキコにてバトル大会をテーマに交流の深かった作者さんとその扱いキャラとコラボレーションした物で、執筆時期的にまだスマブラ参戦してなかった任天堂系キャラや、人数の埋め合わせの目的で入れたキャラも、ジャンル問わず多数存在しております。
この頃は扱うジャンルも少なく、自分サイドの出演メンバーも総合タイトル的にスマブラ及び一部の関連系、BEMANIの音ゲーキャラのみと極端な偏り具合でした。
そんな状況にも関わらず、執筆時に出演に名乗りを上げて下さった作者さんや、感想を送って頂いた皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです。
モチベの関係やカキコ上のトラブル問題、時の流れと共に忙しくなった事や、イラスト方面にシフトした事も相まって一度は打ち切ったこの作品ですが、約10年の時を経て続きを再執筆する事に、致しました。
もちろん打ち切り作品の続き物のため、登場するキャラクターは当時のままの他、現在では嘗ての自分と同じく更新が止まってしまったゲスト作者さんも多く、流れの関係上恐らくかなりの長期執筆になると思いますが、楽しんでいただければ幸いです。

Re: 闘技場で大バトル ( No.1 )
日時: 2024/05/31 19:48
名前: 寺時 ◆JnZiCl58gc (ID: x4iKpq0b)

ここで初めてこの作品をご覧になる方のために、説明する。
『闘技場で大バトル』とは、交流の深かった作者さんとその扱いキャラと、バトル大会をテーマにしたコラボレーション作品である。
執筆当時の時系列は2013年頃で、スマブラ3DS/Wii Uさえ出ていなかったり、BEMANI学園の解禁で盛り上がったりした時だ。
自分サイドの世界にある、テイルズオブシリーズの闘技場(作品によって設定は異なるが、1人、あるいはパーティで勝ち抜き戦を行い、全ての敵を倒すと賞品がもらえる、伝統的なサブイベント)をモチーフに、コラボゲスト作者さんが同行者を連れ、様々なルールのバトルイベントに参加すると言う、ストーリーで、テーマがテーマなだけに、テイルズオブシリーズ関係の要素が大半を占めているのが、特徴。
カキコ時代に執筆していた頃は、1人参加形式の5連戦・200人斬り、コンビ部門・ゲスト作者と、自分サイドのキャラクターでチームを組んでのチーム戦を行っていたのだが、桜チーム対グレイディアチームの戦いを書いた所で、打ち切ってしまった。
ある時急に昔が懐かしくなったと言う単純な理由で、新しい作品を出すだけでなく、中途半端にしてしまった昔の作品を掘り起こしてみようと思い、今回の再開に至った。
執筆当時考えていた構成は、出演キャラ・ゲストによる個人戦・ゲスト作者と自分サイドのキャラとチームを組んだ総当たり戦を行うチーム戦であり、続きをアップするのは、今のところチーム戦のみを検討しているが、心境次第では、個人戦の再アップもする・・・かもしれない。

あらすじ

ある日、闘技場では作者・作者の取り扱いキャラを交えての大バトルイベントが、繰り広げられようとしていた。彼らは一体、どの様な激戦を見せてくれるのか・・・?

作者側の出場キャラ

スマブラ
ロイ
マルス
アイク
リンク
ゼルダ
ピカチュウ
ルカリオ
プリン
ピット
フォックス
ファルコ
ウルフ
スネーク

その他任天堂キャラ
リオル
ゾロアーク
クリスタル
パルテナ

beatmaniaⅡDX

GOLIキャラ
ナイア
士郎
紗矢
エレキ
エリカ
セリカ
シア
彩葉
茶倉
津軽

Zektキャラ
ノクス
マタン
マルクト

ポップン
ユーリ
アッシュ
スマイル
ポエット
タイマー
ウーノ
ツースト
フォース
アーク

また、他多数のキャラが観客として登場します。

ゲスト

同行キャラ:王ドラ(ドラえもん)

YUMA
同行キャラ:なし

アリン
同行キャラ:アンリ(オリキャラ)

八雲
同行キャラ:ジャック(ポップン)

りゅーと
同行キャラ:高尾和成(黒子のバスケ)

エスト
同行キャラ:アッシュ(ポップン)

トーチ
同行キャラ:オルトロス(FF)

グレイディア
同行キャラ:クリス(バイオハザード)

一言
執筆当時の自分側のキャラが、音ゲーとスマブラしかいなかった分、他のゲスト作者さんの扱いキャラを、観戦者として呼んでいたのですが、知識が全くないキャラに関しては、私の調査不足により、公式設定への解釈違いを多々起こしてしまい、申し訳ありません。

チーム戦のルールおさらい

ゲスト作者と作者側のキャラと6人一組でチームを組み、対戦を3回行い、先に2勝したチームを勝利とする。
バトルに参加出来るのは4名までで、一回戦毎にメンバーを交代させる事も可能。戦闘メンバー全員全滅させたチームが、勝ち。
運営から配給されているアイテムの使用状況は、チーム戦毎の戦闘終了まで継続される。
一番勝利の数が多かったチームが、優勝。
各チームメンバーに1人ずつオーバーリミッツゲージを、配布している。ダメージを与えたり、受けたりする事でゲージが貯まっていき、満タンになると秘奥義や最後の切り札を発動出来、戦況を一気にひっくり返させる事が可能。
ゲージ量は3試合継続して引き継がれ、終了するとリセットされる。


回復魔法について
回復魔法の連続使用は、決着までに多大な時間を要する懸念があるため、種類に応じて回数制限を設けており、テイルズオブシリーズで例えると、ハートレスサークルなどの中級以上で回復量が体力の50%以上の同じ回復技は、一度の戦闘につき1回しか使う事は出来ない。
また、戦闘不能状態回復レイズデット自動復帰リヴァイブの魔術は、1試合毎に各メンバー1人ずつに一回のみ可能。

支給アイテム

アップルグミ×5
体力を30%回復

レモングミ×3
体力を60%回復

エクシリール×1
味方の体力を全回復

パナシーアボトル×4
味方一人の状態異常を、回復出来る

ライフボトル×2
味方一人の戦闘不能状態を、回復させる
回復量は30%

アワーグラス×1
時間を10秒停止出来る

リミッツボトル×3
オーバーリミッツゲージを満タンに出来る
但し一度の戦闘につき、1度しか使用出来ない

チーム編成

桜チーム:ツースト 津軽 ノクス プリン ファルコ

YUMAチーム:タイマー エリカ マルス フォックス リオル

アリンチーム: スマイル エレキ 茶倉 アイク ピカチュウ

八雲チーム: ユーリ ポエット セリカ スネーク リンク

りゅーとチーム:アーク マタン ナイア ゾロアーク ウルフ

エストチーム:アッシュ 士郎 シア ピット クリスタル

トーチチーム:フォース 彩葉 マルクト ルカリオ ゼルダ

グレイディアチーム:ウーノ 紗矢 パルテナ ロイ

※グレイディアさんのチームのみ人数の関係上、5人になってます

Re: 闘技場で大バトル ( No.2 )
日時: 2024/05/31 19:51
名前: 寺時 ◆JnZiCl58gc (ID: x4iKpq0b)

桜チーム対グレイディアチーム(1回戦)加筆修正版

BGM:火花散らして(ヴェスペリアのフレン戦)

最初に対戦するのは、桜チームとグレイディアチーム。バトルに出場する4名のメンバーは桜チームが『桜・ツースト・ファルコ・プリン』 、グレイディアチームが『グレイディア・ロイ・パルテナ・ウーノ』だ。魔術が主体の桜・ツースト・プリン、体術やブラスターによる銃攻撃が得意なファルコに対して、剣を扱うロイ・ウーノ、槍を用いて華麗なる空中コンボを見せるパルテナ(元ネタは、テイルズオブヴェスペリアのジュディスで、声優繋がりによるネタ)、大剣・ナイフなどの様々な武器の扱いにたけるグレイディアといった構成だ。桜チームのリーダー、桜は名前の由来通り桜の魔法を用いた遠距離魔法を主体とし、攻撃・防御・回復、全ての役割を果たせるが、一方のグレイディアチームのリーダー、グレイディアは、自身が元ネタに対する知識の他、大剣から繰り出される強力な1撃、豊富な戦闘経験による技術力の高さ、そして冷静な分析で的確な指示を出せたりと、恐らく参加ゲストの中ではトップクラスの実力を誇るため、他のメンバーと協力して、いかに実力差のハンデを覆せるかが、カギを握る。果たして一回戦はどちらが制するのか・・・?

私「バトル開始!」

審判兼進行役の作者が開始の合図に手を上げると、バトルフィールド内にいるチームメンバー全員一斉に武器を構え、ゲスト作者陣は一緒に戦う3人に呼び掛けた。

桜「準備はいい?」

グレイディア「作戦通りに行くよ!」

バトルが始まった瞬間、互いのチームは一斉に攻撃の体勢に入る。

ツースト「まずは、能力を上げるぞ。アスティオン。」

桜「ありがとう、ツースト。」

グレイディアチームが強敵と読んでいる桜チームは、一撃に与えるダメージ量を増やすために、能力上昇魔法を使えるツーストがリーダーの桜に対し、特殊攻撃上昇の呪文を唱えた。推しキャラの一人に能力を上げてもらった桜は、単なる能力上昇の他に精神的な面に安心感を覚える。しかし、1人だけ能力が1段階上がっただけだろうが油断ならないのが、グレイディアチーム。ツーストとしては、全員の能力を上げたいと考えており、次のチームメイトにかける能力上昇の詠唱を始めた。

ツースト「他の奴らにも、能力上昇技を・・・!?」

突如としてロイとパルテナの2人が、連携して接近技を打って来た。詠唱に集中してる影響で反応が遅れたツーストは、ダメージをもろに受けて倒れ込んでしまう。

ロイ「エクスプロージョン!」

パルテナ「残月!」

ツースト「ぐわっ!」

大きなダメージを受けつつも、態勢を立て直すため、土埃を払いながら立ち上がる。

ツースト「いきなり、2人がかりで来るのかよ・・・!」

ロイ「こう言うチーム戦で、回復役を真っ先に倒しに行くのは、基本じゃないか。」

パルテナ「女神本来の力を出せないのはさみしいけど、やるからには全力で行かせてもらうわ♪」

ツースト「(出せたらチートすぎるだろ・・・。あんた仮にも本物の女神だし・・・。)」

回復技を覚えているため、真っ先に標的にされるツースト。勝利条件はチームメンバーの全滅にあるので、この手の戦いにおいて回復役は、長期戦をなるべく避けるべく、真っ先に狙われてしまう傾向に合いやすい。戦闘開始と同時に、前衛向きの技を主力とするロイとパルテナの2人に詰められ、メンバー全員に能力上昇魔法をかけようと考えていたプランを遂行するのは無理そうだと悟ったツーストは、1人でも抵抗しようと、武器の剣を構える。ロイとパルテナが彼に再び攻撃をしかけようとした瞬間、パルテナの頭上に電撃がはしった。

プリン「ライトニング!」

パルテナ「キャッ!」

ロイ「パルテナ様!」

電撃を放ったのは、擬人化した状態で箒にまたがっているプリン。作者側の彼女は擬人化すると魔術が使えるようになり、この場合はテイルズオブファンタジアに登場するアーチェの様に、空飛ぶほうきに乗って空中から援護するスタイルへと変わる。複数の相手から狙われたツーストを援護するべく、プリンがパルテナの上空から魔術を放ったのだ。空を飛べると言う参加者の中では特に強く出られそうな飛行の個性は、地上で目の前の相手に集中していて気づかれにくい・陸上からの攻撃が当たりにくい・全体を見渡しやすく、今誰を狙いサポートするかが分かりやすい等の利点がある。最悪、追撃のダメージを喰らう覚悟をしていたツーストだったが、チームメイトの援軍に胸を撫でおろした。

ツースト「助かったぜ、プリン。」

プリン「誰かが狙われたら、真っ先に援護に駆けつける。これもチーム戦の基本でしょ?」

ロイ「うぅ・・・。確かに。」

パルテナ「だったらまとめて相手になるわ。」

プリン「負けないんだからね!」

ひとたび誰かが集中的に狙われれば、真っ先に援軍に駆け付けるのも、チーム戦で大切な事。先程ロイが放ったチーム戦術に対する重要事項の1つを、今度は相手チームに指摘されてしまい悔しい表情を見せ、一方不意を突かれたパルテナは、倒すべき相手がもう一人目の前に現れた事に、益々闘争心が燃えて来たようだ。ツーストとプリンの術者相手に、前衛のロイとパルテナが詠唱を阻止すべく動く中、桜とグレイディアの作者同士の一騎打ちとファルコとウーノによる激しい攻防も、繰り広げられていた。

ウーノ「(意外とすばしっこいな・・・!)」

ファルコ「(ちっ。あいつらの援護をしてやりてーのも山々だが、こいつの回復行動を阻止させねーといけないからな。」

プリンとツーストを魔術詠唱に集中出来る様、援護したい気持ちもあるが、グレイディアチームには、複数の味方を回復出来るウーノがいる。彼を放置すれば味方を回復させる余裕を与えてしまい、全滅させる隙を作れないどころか、蘇生魔法を覚えている事も、撃破を後回しに出来ない理由に拍車をかけていた。ファルコはウーノの剣技を、持ち前の素早い動きでかわしながら、一撃を入れられそうな少しの隙を伺っていた。

ウーノ「ノクターナルライト!」

(ビュン)

ファルコ「ファルコビジョン!!」

ウーノは3本のナイフを投げたが、ファルコは難なくこれを避ける。反撃に彼はウーノにジャンプキックを仕掛けたが、ウーノはバク転してこれをよけた

ファルコ「喰らいやがれー!」

(サッ)

グレイディアチームの重要な回復の要を担う自分も真っ先に狙われるであろう事はウーノ自身もある程度予測しており、接近戦で迎え撃つ想定をしていた。軍人気質(?)故に格闘技に秀で、細身の体系から成せる素早さにも自信があるファルコに、ウーノも闘牛で鍛えた可憐な身のこなしで対応しており、互角の勝負を繰り広げている。

ファルコ「なかなかやるな。」

ウーノ「君もね。」

まだ戦いは始まったばかりで体力はお互い十分にあるため、今は自分が率先して回復動作に動く必要性はないとウーノは感じており、目の前の相手を見つめる。一方の作者同士の一騎打ちは・・・。

桜「ブロッサムスラッシュ!」

グレイディア「ルドラ・クロス!」

(バシュッ)

グレイディア「暴風突!」

桜の魔力を纏った手刀と、グレイディアの大剣技がぶつかり合った直後、桜が次の攻撃を繰り出す前に、グレイディアは素早い動きで突き技を放ち、桜も咄嗟に防御技で対抗する。

桜「ピンクブロッサムシールド!」

ダメージを抑えるために、桜の絵柄が散りばめられたシールドを張ったが、臆する事無く別の技に一瞬の判断で切り替えた。

グレイディア「甘い!ナイト・ブレイク!」

桜「えっ?キャー!」

グレイディアが放ったナイト・ブレイクは貫通効果を持つ技で、桜のシールドにひびが入り、あっという間に粉々に砕け散った。冒頭でツーストのアスティオンによる1段階特殊攻撃力上昇魔法を受けていても、その場面を察していたグレイディアは、威力が上がった魔術を撃たせないようにするため、遠距離戦に持ち込ませない様に攻撃を仕掛けている。作者同士であっても能力差は出ているようで、桜は苦戦を強いられていた。

桜「(やっぱりグレイディアさんは、強い・・・!)」

グレイディアは作者の中でも戦闘に慣れており、桜も彼の強さを受け入れる。だが、この場は真剣勝負のフィールドなので、それを理由に自暴自棄になってはいけない。そう自分を奮い立たせ、目の前の相手の動きを伺う。どう対応するかを桜が思いつく前に、グレイディアは追撃の動作に入った。

グレイディア「ルドラ・クロス!」

桜「ブロッサム・カッター!」

グレイディアの直接攻撃に対して、桜は先程と同じ技を、今度は桜の花びらを無数のカッター弾に変化させる遠距離技での出し方で対抗した。降り続く桜の花びらは刃となって襲い掛かり、さすがの彼もこれには敵わず、両手を前に構えて防御の体勢をとる。

桜「よし、グレイディアさんにダメージを与えられたわ!今のうちに追撃を!ブロッサム・スラッシュ!」

分散攻撃によって怯んだ隙を突いて、もう一度攻撃に入ろうと動いた瞬間、パルテナと共にツーストとプリンを相手にしていたロイが、グレイディアを援護するべく炎の魔法を放った。

ロイ「グレイディアさん!フレイムドライブ!」

(ボオッ)

桜「・・・! ?」

攻撃が直撃するほんの一歩手前で、ロイが放った細長い火炎弾に阻まれてしまい、思わず桜の動きが止まる。メンバーの行動を邪魔された仕返しにと、ツーストも負けじとロイにとって有利な属性魔法を繰り出した。

ツースト「この野郎!スプラッシュ!」

ロイ「わあ!」

グレイディア「ロイ・・・!」

頭上から激しい勢いで降り出してきた水流は、ロイの体力を大きく削る。自分自身はダメージを受けたが、それと引き換えに同じチームの作者を守った彼の姿にグレイディアは一瞬胸を撃たれたような感覚がした。ギャラリーの方でも、お互いの作者を応援するべく多くの取り扱いキャラクターが駆けつけており、戦況に合わせて応援のテンションが上がったり下がったりを繰り返している。今はまだどちらが有利と判断出来ない程、拮抗した戦いになっているが、桜サイドのギャラリーはグレイディアとの実力差が不安要素となって、大盛り上がりとは言えない雰囲気になっていた。

王ドラ(桜さんの)「いくら桜でも、相手は戦闘慣れしているグレイディアさんですからね・・・。」

夏美(桜さんの)「しょっぱらから、ハラハラする戦いだわ・・・。」

あおい(桜さんのオリキャラ)「桜さーん!桜チームの皆さーん!頑張ってくださーい!」

シェゾ(桜さんの)「てか、この世界の擬人化プリンのスタイルは、ぺたんこだな。」

リデル(桜さんの)「シェゾさん!女の子の体のスタイルに、口出しをするものではありません!」

あいり(桜さんの)「そうですわ!」

ツースト(桜さんの)「あっちサイドの俺ー!!桜を頼んだぞー!!」

多少余計な会話が混じってなくもないが、どんなに相手が強くても同行者達は主の勝利の可能性を信じて、声援を送り続ける。グレイディアサイドの同行者もそれは同じ気持ちだが、戦闘では常に余裕を持つ事を心がける性格性は、ギャラリーにも通じており、桜サイドと比べると、見守る様子もどっしりとした感覚だ。

頼斗グレイディアさんの「作者は桜さんと、一騎打ちを繰り広げているな。」

レイ(グレイディアさんの)「桜さんの魔術にも上手く対応し切れている辺りは、さすがと行ったところね。」

魔理沙グレイディアさんの「行けー!作者ー!ブッ飛ばせー!」

グスルグ(グレイディアさんの)「作者を応援したい気持ちも分かるが、相手を侮辱するような言葉は使うなよ。」

戦いが始まって10分位は経ったが、未だ誰一人戦闘不能になっておらず、桜とグレイディア・ファルコとウーノの一騎打ち、プリン・ツーストとロイとパルテナの戦いは続いていた。

プリン「レイ!」

少しでも同時にダメージを与えられるよう、広い範囲を巻き込める光の光線を降らせるプリンに対し、パルテナは地面を蹴って高く飛び、浮いている彼女の上を取ると、勢い良く槍を振り下ろした。

(バッ)

パルテナ「はあ!」

プリン「嘘っ!キャア!」

力強さのこもった一撃に耐えきれず、思いっきり地面に叩きつけられた。ウーノの方も剣による連続攻撃を仕掛けるも、ファルコの素早い動きに避けられてしまう。

ウーノ「アサルトダンス!」

ファルコ「ファルコビジョン!」

ウーノ「えっ!?」

攻撃を避けられ、ファルコの反撃に回避の姿勢を取ろうとするより早く、蹴り攻撃を喰らってしまった。バトルが始まった時と比べ素早さが格段に上昇したと感じた動きについていけなかった事に、ウーノは妙な違和感を覚える。

ウーノ「 (さっきまではよけ切れたのに、どうして・・・?まさか!)」

攻撃を喰らった後も何度も繰り出される体術を、防御の姿勢で受け流しながら、どこでファルコの能力が上がったきっかけが生まれてしまったのかを、思い返した。桜チームの戦いの様子は、桜とグレイディアは一騎打ちに集中していて、他の仲間を援護する余裕はなく、ツーストの回復妨害はロイとパルテナが担っているが、一瞬援護の隙を与えてしまっていたワンシーンに思い当たる節があったのが脳内をよぎった。その理由は3分程前に遡る。

プリン「しつこいんだからー!!サンダーブレード!!」

ツースト「獅子戦吼!!」

ロイ&パルテナ「・・・!?」

術の詠唱を妨害要素を減らすために、ロイとパルテナを戦闘不能にしたいと考えていたプリンは、効率よく複数にダメージを与えられるよう、なるべく広範囲を巻き込める術を使っていた。一方のツーストもウーノと違うタイプの剣を武器にしながら魔術が主体の戦闘スタイルだが、物理技を全く覚えていない訳ではなく、剣を振り上げた勢いで地面を這う衝撃波を放つ『魔神剣』・獅子の闘気を放出し相手をダウンさせる『獅子戦吼』・剣を地面に突き刺し魔法陣を発生させる『守護方陣(自分の周囲にいる人物の体力を、微量ながら回復出来る効果もある)』の、3種類を覚えている。前衛の役割を主とする2人相手に魔術ばかりで戦っては分が悪いと感じたツーストは、自らが使用出来る数少ない物理技の1つで、近距離で大きく出られそうな技で攻めまくり、のけ反らせてダウンさせる事に成功した。その隙を狙い、当初の目的だった味方全員への能力上昇をかけようとしたところ、ダウン状態から立ち直ったロイが詠唱阻止に動こうとしたと同時に、攻撃を喰らう寸前に詠唱を終える。その時に放ったのが、ファルコに向けた素早さの上昇魔法『クイックネス』。ウーノはブラスター攻撃を避けるのに必死なあまり、その変化に気づいていなかった。

ウーノ「(しまった!あの時のツーストのクイックネスで、素早さを上げていたんだ!ただでさえ元から素早い彼がさらに早くなったら、もっと厄介なことになる・・・!!)」

普段は自分がまとめるアイドルグループのメンバーだからこそ、ツーストの行動パターンを理解していたウーノは、相手チームのメンバーの能力を上げる隙を与えてしまったことを悔いていた。元から素早さに秀でているファルコのスピードが更にもう1段階上がってしまえば、持ち前の己の素早さを持ってしても避けきれないどころか、素の素早さで負けている他のメンバーが相手をする時も、不利になるリスクを背負わせてしまう羽目になるからだ。そんな時・・・。

桜「そろそろ、使うべきかな・・・?」

桜は運営から支給されているアイテムのひとつ、リミッツボトルを見つめる。未だ誰一人戦闘不能の状態が続き、なかなか決まらない勝負に一気に攻撃するチャンスを作るべく、お互い少々疲れが出て来たであろうこのタイミングで、秘奥義を使うことを決めた。リミッツボトルを使う相手は・・・。

桜「プリン!リミッツボトルを受け取って!」

プリン「ありがとう!」

秘奥義で全体を攻撃出来るプリンにリミッツボトルを与え、彼女はオーバーリミッツケージを光らせた。プリンから繰り出される秘奥義、元ネタを知る作者の一人であるグレイディアには予想がついており、他のメンバーに警告を促す。

グレイディア「(ここで来るか・・・!)みんな!守りを固めろ!」

グレイディアの警告を聞いた3人は、ダメージを最小限に抑えるために、防御の構えを取った。プリンは両手を上に掲げ、一筋の輝きを生み出した。それは段々風船の様に大きくなって行き・・・。

プリン「出でよ!創生の輝き!ビッグバン!」

(ドカーン)

大きくなった輝きはやがて大爆発を起こし、グレイディアチーム全体に強力なダメージを与えた。

グレイディア「ぐっ・・・!」

パルテナ「キャー!」

ロイ・ウーノ「わあー!」

津軽「秘奥義が決まったわ!」

ノクス「いいぞー。」

紗矢「・・・。」

防御の構えを取っていても秘奥義の威力は伊達じゃなく、全員地面に倒れた。控えメンバーの津軽とノクスは歓声をあげ、紗矢は何食わぬ顔をしている。秘奥義が収まった後、グレイディアはメンバーに声をかけた。

グレイディア「みんな、大丈夫か・・・?」

パルテナ「ええ。女神だから、光には平気よ。」

ロイ「うぅ・・・。」

ウーノ「くっ・・・。」

グレイディアまだまだ体力はある様子で、メンバーの無事を確認し合う。パルテナは女神のキャラ性による物だからか、プリンのビッグバンを受けても大幅な体力を削られていなかった一方、ロイとウーノはかなりのダメージを負っていた。

ウーノ「ロイ、大丈夫・・・?」

ロイ「はい・・・。なんとか・・・。」

ウーノもロイも、お互い残り体力が少ないと感じ、まず自分達の回復を優先させる事を決めた。

ウーノ「すぐに回復するから、じっとしてて。」

ロイ「でも、回復技はルール上制限されているから、むやみに使ったら・・・。」

ウーノ「戦闘不能状態になったら、元も子もないよ。いいから動かないで。ハートレスサークル。」

ウーノ弱った体で、何とか自分とロイに回復術をかける。長期戦を避けるために量の種類によっては回数制限を設けられている回復魔法なのだが、秘奥義を受けてかなりのダメージを負った体に対し、何度も使える種類にカウントされているファーストエイドでは、十分に回復するまで手間がかかると感じ、一度の戦闘につき一回しか使えない中級術に分類されている『ハートレスサークル』を、使用した。様子を見ていたグレイディアは、苦い表情を浮かべる。

グレイディア「(貴重な中級回復技を、使ってしまったか・・・。)」

全体攻撃の秘奥義で大きくチャンスを作った桜チームは、大きく反撃に出られる前にと、桜を中心に発破をかける。

桜「(グレイディアさんはともかく、パルテナ様は意外と体力あるわね・・・。けどおかげで、攻撃のチャンスが生まれたわ。)今のうちに追撃よ!ブロッサムスラッシュ!」

プリン「ゴットブレス!」

ツースト「サンダーブレード!」

ファルコ「プリンの秘奥義で弱ってるあいつらから、片っ端に攻めるぜ。ブラスター連射!!」

瀕死寸前まで弱った体に50%回復効果のハートレスサークルでは、相手の出方次第でまた大幅に体力を削られてしまう可能性も出て来る。先程自分とロイを回復する際、回復量も多く効果範囲の広いリザレクションで、パルテナとグレイディアを含めた全員を回復させる選択肢もあったが、こちらも1回までの制限があるため、上級回復魔法を無暗に使えないと判断し、前者を選択したのだ。4人からの一斉攻撃の前に絶体絶命と思われたが、なんとかその場を凌ぐべく、ウーノは防御魔法を唱えた。

ウーノ「フォースフィールド!」

光のシールドがウーノとロイを包み込み、桜チームの攻撃を防ぐと、ギャラリーからも反応が返って来る。

フォース「あっ、フォースフィールド。あれ、俺も使えるんだよなー。」

トーチ「マジで!?」

ツースト同様、ミラクル☆4メンバーのフォースも、自分の名前繋がりでウーノが使用した防御魔法が使えると、反射的にリアクションし、チームを組む事になったトーチは、味方の戦闘スタイルのヒントが判明し驚いた。『フォースフィールド』は、秘奥義を除いたあらゆる攻撃を一定時間のみ防げる効果を持つ時間制限付きの万能防御魔法。その効果が切れる前にと、グレイディアとパルテナはすぐさま援護に向かう。

パルテナ「大変!」

グレイディア「フォースフィールドは秘奥義以外のあらゆる攻撃を防げるが、長くは持たない。すぐ援護するぞ!アポピオーシス!」

パルテナ「風塵封縛殺!」

プリン・ファルコ・ツースト「キャア(どわあ!)」

グレイディアの大剣技がツーストとファルコを、パルテナ空中技が宙に浮くプリンに直撃し、桜を除いたチームメンバーは、衝撃のあまり吹き飛ばされた。桜は吹き飛ばされた3人の元へ、グレイディアは4人からの集中攻撃を耐えていたウーノとロイの元へ、それぞれ駆け寄る。

桜「みんな!」

グレイディア「大丈夫か?2人共。」

ウーノ「はい。なんとか。」

ロイ「ありがとうございます。」

グレイディアとパルテナのおかげで、集中攻撃からまぬがれた2人そんな時・・・。

ツースト「何だ!?」

ファルコ「体が動かねぇ!」

ツーストとファルコが起き上がった瞬間、突然体がピタリと動かなくなる。なぜならグレイディアが使用したアポピオーシスの効果が現れ、行動停止の追加効果が現れたからだ。一気に2人を攻撃も防御も出来ない状態にさせた事で大きなチャンスが生まれ、グレイディアがリミッツボトルを投げる。

グレイディア「ウーノ!受け取れ!」

投げた相手は、ウーノ。ロイとパルテナの秘奥義は単体相手に使う技が多いのに対し、やや範囲が狭いながらも、ウーノの秘奥義は複数の相手にダメージを与えられるため、対象に選んだのだ。その効果で自身のオーバーリミッツゲージを満タンにさせ、咄嗟に秘奥義を唱える。

ウーノ「穢れなき風よ、我に仇なす者を包み込め!」

ツーストとファルコの足元から幾条かの光の筋が浮かび上がり、上空で拘束する。グレイディアの追加効果と術の拘束で動けない2人に向かって、ウーノはその技名を叫びながら剣を勢い良く振り上げた。上空から極太状の光が降り注ぎ、ツーストとファルコを襲う。

ウーノ「イノセントシャイン!!」

ファルコ・ツースト「ぐわあー!」

桜「ツースト!ファルコー!」

ツースト「ファルコ、大丈夫か・・・!?」

ファルコ「くそぅ・・・。」

ツースト「早く回復を、レイズデッ・・・!」

ツーストは秘奥義を受けても耐えていたが、ファルコは戦闘不能状態になっていた。戦闘不能状態になったファルコを心配するツーストはすぐさま回復技を施そうとするが、そこにロイとパルテナが動く。

ロイ「喰らえー!」

パルテナ「やっちゃうわよー♪」

(ズシャ)

ツースト「マジか・・・?」

(バタン)

秘奥義と相手チームの連携を受けたツーストもまた戦闘不能状態になり、倒れてしまった。

桜「どうしよう・・・。リミッツボトルを使うタイミング、早まりすぎてしまったかな・・・。」

あいり(桜さんの)「一気に2人も、倒されてしまいましたわ!」

ギロロ(桜さんの)「これで4対2・・・。一気に不利になったな・・・。」

頼斗グレイディアさんの「相手チームは残り2人か・・・。」

クリス(グレイディアさんの)「これでうちの作者チームが、リードしたな。」

プリンの秘奥義でチャンスを広げたかった桜だったが、グレイディアチームの連携が一度追い込まれた危機的状況を各々の役割を果たして乗り切り、反撃に成功した今、今度は一転して桜チーム側が不利になってしまった。決着を急ごうとリミッツボトルを使うタイミングを早まってしまったのかと、桜の中には後悔の感情が芽生える。

プリン「桜さん、どうしますか?ライフボトルかアワーグラスを、使います?」

桜「アイテムは数が継続されるから、慎重に使わないといけないわ。リミッツボトルだって、一回の戦闘につき一回しか使えないんだもの。」

一発逆転の可能性を秘めた頼りの綱のリミッツボトルは、使用済み。プリンも桜も蘇生魔法は覚えていないため、アイテムを使おうか一瞬迷いかけるが、消費して残った量は、3回戦終了まで継続されるので、これもまた使う状況を考えなければならない。迷いに迷って、導き出した答えは・・・。

桜「とにかく今は、私の全体技で攻めるのみだわ。ブロッサムレイン!」

プリン「タイダルウェイブ!」

(ドドドド)

上空から無数の桜の花びらと、前方からは大波が、グレイディアチームを襲う。例え絶体絶命な状況だろうと、最後まで相手に少しでも報いるべく、覚えている全体攻撃技で攻めの一点で行く事にしたようだ。

パルテナ「全体技が、一気に飛んで来たわ!」

グレイディア「桜さんの魔術の威力は、最初にツーストが使った能力上昇魔法で威力が上がっているが、多少のダメージは、我慢するんだ。ウーノ、リザレクションは1回しか使えないから、とにかくファーストエイドを中心に回復技で援護してくれ。」

ウーノ「分かりました。」

何度も迫りくる全体攻撃魔法に対し、援護をウーノに任せてグレイディア・パルテナ・ロイの3人は、ダメージを受ける覚悟でプリンと桜に迫る。プリンと桜は、しばらくの間必死で複数系の技を繰り出し3人は案の定ダメージを受けるも、その度ウーノが回復量が少ないファーストエイドで援護しており、グレイディア側も相手からの攻撃と応急処置の繰り返しで耐え凌ぎながら、桜とプリンにダメージを与えて行く。しかし、全体に効果を及ぼす技に至っては、彼自身にも影響はある。味方の回復を専念するあまり、自分の体力の配分を忘れていたウーノは、しまいには戦闘不能状態になってしまった。

ウーノ「ごめんなさい・・・。」

ロイ「ウーノ!」

パルテナ「すぐに、ライフボトルを!」

遂にグレイディアチームからも戦闘不能者が出てしまい、ロイとパルテナはライフボトルでウーノを蘇生させようと動こうとした。だがしかし、グレイディアは、動じる事無く待てのポーズで反応する。

グレイディア「その必要はない。」

なぜ全体回復と蘇生魔法も使える優秀な回復源であるウーノが戦闘不能になったにも関わらず、蘇生アイテムを使わなかったのか疑問に思った2人だったが、次の瞬間、グレイディアにある変化が起こっている事に気がついた。

りゅーと「なんかウーノが倒れた後、急にグレイディアさんの目つきが変わったような気が・・・。」

グレイディア「ルドラ・クロス!」

プリン「いたっ!」

桜「どういう事!?さっきより威力が、上がっているわ!」

パルテナ「これは・・・。面白い力を、持ってるわね♪」

力のこもった大剣技でプリンと桜は、激しく吹き飛ばされる。特に、ずっと一騎打ちを繰り広げていた桜は、グレイディアが放った技の威力が格段に上がっているのを、実感した。
その正体は、『憤怒』というグレイディア特有のスキルで、味方が戦闘不能状態になる度に攻撃力が上昇する能力を持っているのだ。戦いの場において本来敵を倒す行動は、当たり前の行為なのだが、彼は味方が戦闘不能になっても有利になるスキルを備えていた。プリンと桜の体力の状況を見るに、確実に勝利に繋げるチャンスだとグレイディアは判断し、ロイとパルテナに、指示を送る。

グレイディア「ロイ、パルテナ。私に続け!」

ロイ「はい。グレイディアさん!」

桜・プリン「・・・!」

起き上がる隙を与えさせる前に一気に勝負を決めようと、グレイディア・ロイ・パルテナの3人は、全力で技を繰り出す。

グレイディア「暴風突!」

ロイ「エクスプロージョン!」

パルテナ「封塵衝月華!」

(ドカドカ)

自らのスキルで能力を高めたグレイディアの一撃・ロイの最大限まで力を込めた剣技・パルテナの槍による連続突きは、プリンと桜の体力を一気に削り、戦闘不能に追い込んだ。

桜「嘘・・・でしょ・・・?」

プリン「神様ー。」

この瞬間、桜チーム全員が確実に戦闘不能になったのを確認した作者が叫ぶ。

私「勝者!グレイディアチーム!」

観客「おー!」

遂に決着がついて、ギャラリーのボルテージは互いの全力を称える完成に包まれ、最初の勝負はグレイディアチームが勝利するという結果に終わった。戦闘終了後、戦闘に参加したメンバーは、運営側から全回復の処置を受けた後、ベンチに戻ってお互い励まし合ったり、2回戦のチーム編成の考察に移る。

津軽「大丈夫ですか?」

桜「ええ。初戦勝てなくて、ごめんね。」

ノクス「でも、みんなよく頑張ったよ。」

津軽「途中までは、良かったんだけど・・・。」

プリン「ふええー。」

ファルコ「あの場面で行動不可能状態になるとは、思ってもなかったぜ。」

ツースト「(ウーノの野郎・・・。俺が物理に対して打たれ弱いのを、知ってて・・・。)」

桜チーム側のベンチは、控えに入っていたノクスと津軽が、戦闘メンバーに労りの言葉を送るが、集中攻撃の標的にされる場面が多かったツーストは、恐らくウーノがチームメイトに自分を狙わせるよう仕組んだのも理由にあるかもしれないと、恨み節を吐いていた。一方グレイディアチーム側のベンチは、勝利の余韻に浸る事無く、この戦いの振り返りと次の作戦会議に移る。

紗矢「何とか勝てたようだけど、あなたはどうして秘奥義を撃った後、すぐに彼に対して集中攻撃をするよう仕向けたの?」

ウーノ「ツーストは特殊に対しては強いけど、物理には打たれ弱いんだ。だからあの状況で私のイノセントシャインを受けたところで、倒れるはずが無いって思ってね。」

グレイディア「身内の事は、身内が一番良く分かってるって事か。」

初戦が終わり、2回戦が始まるまでの間、互いのチームは再び作戦を練る。どうやら、今度は非参加だったメンバーを、入れ替える様だ。

桜「ファルコとノクス、プリンと津軽を交代させるわ!」

グレイディア「パルテナと紗矢を、交代させる。」

桜チームは前衛担当を、スピード重視のファルコから剣技スタイルのノクス、空中からの魔術主体のプリンから、声優繋がりでテイルズオブシンフォニアラタトスクの騎士のマルタが扱う回復と前衛技が使える津軽と交代させ、一方のグレイディアチームは、空中コンボと槍技のパルテナと、刀術と同じく声優繋がりで、テイルズオブシンフォニアのコレットのリング技で遠距離攻撃も狙える紗矢と交代させた。強い相手を倒す事にとにかくこだわるパルテナとファルコは、ベンチ入りになった事に少々不満気な様子だ。

パルテナ「あら、私は次は戦わないの?残念だわ。」

ファルコ「チッ。リベンジしたかったが、今は少し休むとするか。」

プリン「頑張るでしゅー。」

冬樹(桜さんの)「桜、次は勝つといいな。」

頼斗グレイディアさんの「紗矢は始めてステージに立つ訳だが、あいつはどんな戦い方をするんだ・・・?」

いよいよ始まる2回戦。もし、グレイディアチームがもう一度勝てば、グレイディアチームの勝利。桜チームが勝てば、3回戦が行われる。果たして2回戦を制するのは、どちらのチームか・・・?

(続く)

補足

秘奥義の威力は高い順に

単体攻撃→全体攻撃→回復効果あり

となってます。

Re: 闘技場で大バトル ( No.3 )
日時: 2024/05/31 19:53
名前: 寺時 ◆JnZiCl58gc (ID: x4iKpq0b)

桜チーム対グレイディアチーム(2回戦)加筆修正版

前回の戦闘終了後、桜チームは前衛担当を、スピード重視のファルコから剣技スタイルのノクス、空中からの魔術主体のプリンから、声優繋がりでテイルズオブシンフォニアラタトスクの騎士のマルタが扱う回復と前衛技が使える津軽と交代させ、一方のグレイディアチームは、空中コンボと槍技のパルテナと、刀術と同じく声優繋がりで、テイルズオブシンフォニアのコレットのリング技で遠距離攻撃も狙える紗矢と交代させた。この選択は果たして吉と出るか、凶と出るか・・・?

ノクス「今回は、僕達が勝つ!」

津軽「絶対に、リベンジするんだから!」

紗矢「容赦は、しないわよ。(正直士郎ちゃんがいないからどうでもいいけど。)」

2回戦に出場する津軽とノクスは1回戦の敗北もあってか、他のメンバーより気合いが入っている。また、個人戦ルールで行われた5連戦・200人斬りに出ていない紗矢に至っては、この戦いで初めて戦場に出るので、どの様な戦いをするのかに注目が集まっていた。出場メンバー全員が陣地に着くと、作者が開始の合図を送る。

私「2回戦始め!」

BGM:INFERIA BATTLE(エターニアのインフェリア通常戦闘)

ノクス「鳳凰天駆!」

試合が始まった途端、ノクスは体に鳥の形をした火を纏わせて地面に勢いよく降下していく。個人戦の試合を見ていたグレイディアチームのメンバーは、この後彼がどの技を繰り出すかの見当はついていて、ジャンプした動作を行った瞬間真っ先にから距離をとっていた。

ノクス「緋凰絶炎衝!」

ノクスが駆け抜けた地面から勢いよく火柱が現れたものの、先を読んで安全圏内に離れていたため、せっかくの派生秘奥義は、不発に終わった。開始直後真っ先のタイミングでの発動に驚きはしたが、派生奥義を使って瞬時に戦況を有利にしたかったのだろうと、グレイディアチームメンバーは悟る。

桜「あー、外れちゃった・・・。」

グレイディア「最初からいきなり、派生技を出して来るとは・・・。」

ウーノ「ある意味一番、油断が出来ないかもしれないね。」

新たにメンバーに加わったノクスは実質無制限で秘奥義を放つ事が出来、津軽もまた回復技を多数覚えている。1回戦での接近戦を最小限、魔術を中心としたスタイルとは真逆に、今度は接近技及び回復魔法を覚えているメンバーを複数投入し、真っ向から戦う戦術に変更した。いずれも真っ先に倒したいと思いたくなるターゲットが桜チームには多く、グレイディアチームのメンバーは誰がどの相手をして戦況を有利に進めるか、軽く作戦を練っていた。

ロイ「今回はどれも、ほっとけないメンツが多いなー。誰が誰を狙うか・・・。」

グレイディア「とにかく、さっきと同じように回復役を中心に狙うぞ。紗矢は俺と一緒に、桜さんと津軽の動きを妨害するのを、手伝ってくれ。ツーストの戦闘スタイルは、ウーノが熟知してるだろうし、そっちは頼んだ。」

ウーノ「はい。任せてください。」

紗矢「分かったわ。」

ロイ「じゃあ、僕がノクスの相手をするんだね。よーし。」

個人戦時の戦いや1回戦で共に戦ったチームメイトは、グレイディアの5人チーム編成の状況を物ともしない的確な判断性に絶大な信頼を寄せていて、この作戦に誰一人として文句を言う者はいなかった。自分の役割を把握したグレイディアチーム側は、各々が対峙するべき相手の元へ向かう。一方の桜チーム側は、先ほどのグレイディアとの一騎打ちでの実力差を痛感し、単独で彼に挑むには分が悪いと感じ、刃がプロペラのように回転する武器『バトルスピナー』で敵を切り裂きながら、蹴り技や掌底突き等を活かした体術を組み合わせて戦う津軽と共に、連携重視で攻める行動に出ていた。彼女も回復技を多く覚えているため、いざという時に回復に回れる心強いバディーとして接近戦の相方に選んだ。

津軽「天翔舞!」

桜「ブロッサムカッター!」

津軽の武器による斬り払いと、桜の魔力を纏った手刀がグレイディアに襲い掛かり、咄嗟に大剣を構えて防御の姿勢を取った。

グレイディア「チッ。(こいつはどうやら、マルタの戦闘パターンを使うみたいだな。)」

チームメイトの誰かが倒れると能力が上がる憤怒のスキルを発動させないよう、桜は津軽と連携しながらグレイディアを攻撃する。彼女達からの斬り攻撃を冷静に防いでいくグレイディアの元に、1つのチャクラムが津軽に向かって飛んできた。

紗矢「ブランディス!」

津軽「キャッ!」

チャクラムを投げたのは、紗矢。2人がかりで攻められているグレイディアを援護すべく、投げたのだ。彼女が投げたチャクラムは、綺麗なU字カーブを描きながら、津軽に命中する。津軽が攻撃された事に気づいた桜は、一旦攻撃を止めた。

津軽「桜さん、絶対に勝ちましょう!」

桜「ええ。」

グレイディア「油断するなよ。」

紗矢「分かっているわ。」

4人は互いに攻撃の体勢を取りながら、相手の出方を伺う。

桜「ブロッサムスラッシュ!」

津軽「燕舞斬!」

グレイディア「ルドラ・クロス!」

紗矢「パラライボール!」

4人同時のタイミングでそれぞれの得意技を放ち、桜とグレイディアの斬り技・津軽の刃と紗矢のチャクラムがぶつかる音が激しくぶつかり合う一方、ロイとノクスは中の人が主人公同士の対決を繰り広げていた。

ロイ「ノクス!元ネタが主人公同士で、勝負だ!」

ノクス「望むところだ!」

ロイとノクスの声優がそれぞれ、この話の元になっているテイルズオブシリーズの主人公、カイル(デスティニー2)とリッド(エターニア)を演じている。この話自体テイルズオブシリーズをイメージした作品なので、特に主人公同士のぶつかり合いは、注目が集まりそうだ。

ロイ「蒼破刃!」

ノクス「魔神剣!」

ロイもノクスも互いに剣を振って衝撃波を出し、ぶつかって弾ける。ところがロイは、なぜかノクスが繰り出した技に対して、複雑な心境になっている。

ロイ「魔神剣って・・・。それは、僕に対する挑戦状・・・?」

ノクス「挑戦状も何も、元ネタが主人公同士で戦おうって言ったのは、君だろ?」

ロイ「確かにそうだけど・・・。」

ロイが異様にジェラシーを感じている技『魔神剣』は、この話のモチーフになっているテイルズオブシリーズの主人公のほとんどが、覚える基本技の代名詞。剣または拳を振る事で衝撃波を出し、威力は大して高くないものの、遠くの敵や振り上げ判定で目の前の相手にも攻撃出来る、利便性の高い技で、全ての主人公が覚えているのかと思いきや、元ネタのカイルは使えない代わりによく似た技の『蒼破刃』を使う。こちらは剣を横に振る事で衝撃波を放つ技であり、何となく似てない事もない上、一応彼以外にも魔神剣を使えないテイルズオブシリーズの主人公は、少数ながら存在している。とある特典DVDでは実際に自分が『魔神剣』を使えない事にいら立つ場面が実際にあり、上記のやり取りもそれに乗っ取ったものだ。

ロイ「こうなったら、魔神剣使えない主人公の意地を見せてやるー!」

ノクス「(何だか、面倒くさい事になったな・・・。)」

使いたい技を使っただけなのに、変なコンプレックスから来るいちゃもんを付けられたノクスは、思わずあきれた表情を浮かべる。今回の戦いも元ネタの組み合わせが面白い事になりそうな展開に、グレイディアと同じく元ネタに詳しいYUMAと八雲は、思わずツッコミを入れた。

YUMA「これってよくよく考えたら、シリーズを越えた主人公対決とシンフォニアのヒロイン(コレットとマルタ)対決でもあるんじゃない?」

八雲「確かにそれは、言えてるな。」

ユニークな対決に、クスリとしてしまう2人の作者。そんな中ツーストの援護を阻止しようと動くウーノは、剣技の連続攻撃を駆使して、魔術の詠唱を妨害してゆく。ツーストの方も、ウーノの剣筋を理解している故に、メインの魔術ではなく短剣による物理技で抵抗していた。

ウーノ「ラウンドエッジ!カタラクトレイ!」

ツースト「守護方陣!」

物理攻撃に対して打たれ弱いツーストに、ウーノは剣技を中心に攻撃をしかける。それに対してツーストは魔法陣を展開して、少量の体力を回復させながらダメージをなるべく少なめに抑えようとする。彼は先ほどから自分から前に出て攻撃する素振りを見せず、ただひたすら防御するのみのツーストの行動に、ウーノは疑問に思っていた。そんな時だった。

(ピカー)

ツースト「(来たぜ!)」

ウーノ「(ダメージを受けてもゲージは増える仕組みになっている特性を利用して、秘奥義で確実に仕留めるために、ずっと守護方陣を連発して耐え凌いでいたのか・・・!?浮かぼうとしないと言う事は・・・!!)」

オーバーリミッツゲージが満タンになった合図に、気が付いたツースト。1回戦から続けて参加している場合、オーバーリミッツケージの状況は継続されているため、1回戦で戦った分と、ウーノとの戦いで蓄積したダメージを利用して、ゲージを満タンにさせるのが狙いだったと、ウーノは気づいた。自身がリーダーを務めるミラクル☆4のメンバーであるツーストの戦い方の癖は、長い付き合いを経て理解しているので、秘奥義を繰り出す前兆・何を繰り出そうとしているのかは、瞬時に理解していた。空中に浮かぼうとしない事から、全体攻撃+味方全回復効果がある第1秘奥義『セイクリッド・ブレイム』ではないと真っ先に判断すると、彼の中にはある考えが浮かび、じっとその場に留まった。何かを企んでそうとはつゆ知らず、ツーストは剣を高く掲げるとウーノの足元に魔法陣を出現さ、詠唱を始める。

ツースト「天光満る処に我はあり・・・黄泉の門開く処に汝あり・・・出でよ・・・神の雷・・・!」

ウーノ「(そうか。さっきの仕返しも兼ねて、私のイノセントシャインより威力の高い、そっちを選んだ訳か。いいよ、ツースト。打っておいで。リーダーとして、たまには君に華を持たせてあげるよ。ある程度ダメージは、稼いでおいたからね。)」

詠唱が終わるまでの間、ウーノは威力がけた違いに高い秘奥義を受ける覚悟を決めていた。本心としては、秘奥義を決められる前に仕留めたかった気持ちもあるにはあるが、華を持たせるのも悪くない感情も湧いていた。そして詠唱を終えたツーストが、先ほど秘奥義を喰らわされた腹いせと言わんばかりに、大声で叫ぶ。

ツースト「さっきの仕返しだ!!インディグネイション!!」

ツーストが詠唱を終えた次の瞬間、頭上から巨大な雷が降り落ちた。この秘奥義は特に威力が高く、受けてしまえば一溜まりもない技だ。しかし、ある事を狙っているウーノは、身を捧げる様にダメージを受け、そのまま戦闘不能状態になる。

ウーノ「(繋いでくださいね、グレイディアさん。)」

(バタン)

チームに後を託すかの様にウーノは倒れ、派手な奥義が決まってギャラリーは歓声が沸き始めたが、今の戦いの決まり方に、違和感を抱く人物がいた。

りゅーと「今のウーノの倒され方・・・、少し違和感があるわ。」

アリン「りゅーとさん、どうしたんですか・・・?」

りゅーと「ウーノはミラクル☆4のリーダーとして、ツーストを始めとするメンバー達の色々な面を見てるから、戦い方とかをばっちり知ってるはずだもの。それにさっきのあれは、わざと喰らいに行った様に見えるわ。」

トーチ「えっ?えっ?つまり、どう言う事なんですか・・・?」

YUMA「あー、なるほどな。」

分析力の高いYUMAは、りゅーとが語る意味をすぐさま理解していた。なぜならりゅーとも自分と同じく、ポップンキャラに対する知識はある程度持っており、特にここの作者サイドでのウーノの戦闘スキルの高さ、他のミラクル☆4メンバーへの扱い方も熟知しているので、ツースト相手に後れを取るはずがないと、思っていた。その意味が分かる時が、来る。

桜「ツースト!グレイディアさん、まだ戦闘不能になってないのに、何やってんの!」

ツースト「しまった!」

桜が慌てた様子で叫び、その声を聞いたツーストは、思わず声をあげる。その途端1回戦と同じ様に、グレイディアの目つきが急に変わった。そう、ウーノが戦闘不能状態になった事で、グレイディアの憤怒のスキルが発動したのだ。

グレイディア「(なるほど。俺のスキルを、発動させるために・・・。考えたな、ウーノ。)」

先ほどツーストが放ったインディグネイションの激しい雷撃音は、グレイディアの耳にも届いており、それと同時に自身の体に力がみなぎり、ツーストの援護妨害を行っていたウーノが、秘奥義を受けて倒れたのだと、察した。自らが犠牲になりながらも、味方のスキルを把握して後を託したウーノの思いを無駄にはしまいと、グレイディアは思いっきり力を込めて、大剣で津軽と桜を攻撃した。

グレイディア「ジャベリン!」

津軽「キャア!」

桜「もうー!」

攻撃力がかなり上がった大剣の一振りに、津軽と桜は思いっきり吹き飛ばされてしまう。その様子を見て、ゲージが満タンになったからと言って、安易にすぐ打つべきではなかったのかと、ツーストは一瞬固まってしまった。憤怒状態になったグレイディアの強さを知るグレイディアチームのメンバーは、戦闘不能状態になっているウーノも含め、絶大的な信頼を寄せていて、回復役の要となっている彼が倒れてしまっていても、取り乱す事無く目の前の相手に集中していた。

ロイ「憤怒状態になったグレイディアさんは、強いや!僕達だって、負けないぞ!!」

ツースト「(まさか、グレイディアさんのスキルを発動させるために、敢えて俺の第2秘奥義を、喰らったって言うのか・・・!?そう言えばさっき、ウーノはインディグネイションを放つ場所に、自分から飛び込んで行った様に見えた・・・!!)」

先程は第2秘奥義の命中に喜ぶあまりつい浮かれてしまっていたが、いざ一息ついて冷静になると、ウーノは自身の戦闘スタイルや、秘奥義を出す前兆などを十分に熟知しているため、単体を狙うインディグネイションならば、持ち前の華麗な身のこなしで避ける事も可能だったはずだと、思える。現にウーノが倒れた事で、1戦目の終盤に桜チームを苦しめたグレイディアの憤怒のスキルが作動しており、集中攻撃に向かっていた津軽と桜の勢いが、押されてしまっている。1回戦で集中攻撃を狙わせた腹いせに何かしら自分に仕掛けてくるかもしれない事を見越した上で、敢えてツーストの仕返し(?)に乗り、舞い上がらせたところを狙って、自らを犠牲にしながらも味方にチャンスを作る。どこまでも先を読もうとしていたのは、流石リーダーだと認めざるを得ない。仕返しに一杯食わせたと思っていたが、逆に食わされる結果になってしまい、引き起こしてしまった状況を何とかしようと、ツーストは能力上昇魔法をかけた。

ツースト「悪りぃ。すぐ援護するから。バリアー!」

グレイディアの攻撃が上がった事でこちらも防御を上げようと考え、ツーストは桜と津軽の防御力を上げた。しかし、いくら防御力を上げても、受けるダメージの量は変わらない。

グレイディア「ナイト・ブレイク!」

津軽「どうして!?ツーストさんのバリアーで、防御力は上がっているはずなのに!」

グレイディア「ナイト・ブレイクは、防御力を無視出来るんだ。」

彼が扱う技の1つ、ナイト・ブレイクは防御壁を貫通する他、上がった防御力を無視出来る技だ。ただでさえ攻撃力がかなり上がっているのに加えて、防御力上昇無視技も備えるグレイディアに、一切の隙がないと、益々尊敬したくなる心境を桜は感じた。

桜「それじゃあいくら防御力上げても、意味ないじゃん!」

ツースト「だったら、普通の魔術で攻めるか。グランドダッシャー!!」

紗矢「こっちも負けないわよ。レイトラスト!」

防御力を上げても意味が無いと悟ったツーストは魔術攻撃で援護し、グレイディアと共に戦う紗矢もまたチャクラムを用いた武身技を中心に援護していた。別の場所でロイと一騎打ちを繰り広げていたノクスも、相手への警戒心が高まる。

ノクス「もしかしたら・・・!」

ツースト同様にロイもまた1回戦から出場しているため、オーバーリミッツケージの状況が継続されている。彼が秘奥義を放った事で、ロイもいつ秘奥義を放って来るか分からない状態だった。ノクスは彼の動きに注意しながら、慎重に攻撃していった。けれどダメージを与えても与えられても、オーバーリミッツゲージは少しずつ増える仕組みになっている。そろそろ満タンになってもおかしくない状況のロイを、派生秘奥義で手っ取り早く倒してしまおうと考えた。

ノクス「鳳凰天駆!緋凰絶炎衝!」

大ダメージを与えて一気に倒してしまおうとノクスは派生技の連携を使用するが、秘奥義が命中したにも関わらず、ロイの得意属性も『鳳凰天駆』及び緋凰絶炎衝と同じく炎であるため、相性が今ひとつ悪く、平然とした様子だった。

ロイ「炎攻撃が得意な僕に炎で勝負を挑もうなんてね。」

ノクス「何!?」

それだけではなく、今のダメージがトリガーとなり、ロイのオーバーリミッツケージは満タンの状態になっている。その事に気づいたグレイディアは、攻撃の構えを取った。

グレイディア「アポピオーシス!」

桜「津軽!ツースト!よけて!あれを受けると、動けなくなるから!!」

先ほどの戦いでツーストとファルコがウーノの秘奥義にまとめて巻き込まれるきっかけとなった技に、桜はとっさによけるよう指示する。アポピオーシスは受けると行動不可能状態になるため、標的にされたツーストと津軽は慌てながらも、回避に成功した。

津軽「おっとっと。」

ツースト「危ね!」

桜の指示でグレイディアの攻撃は不発に終わるが、彼は悔しがるどころか余裕な表情を見せ、紗矢にそっと声をかける。

グレイディア「(紗矢、桜チームの3人を1か所に集める様に、攻撃しろ。)」

紗矢「了解よ。ブランディス!」

グレイディアの指示を受けた紗矢は、津軽とツーストを一箇所に集めるよう、誘い込むように攻撃していた。ロイもそれに気づいたようで、彼も2人に合わせる。

ロイ「牙連蒼破刃!」

ノクス「・・・っ!」

グレイディア達の連携でノクス・ツースト・津軽の3人は一箇所に集められる。そこを狙ってロイが秘奥義を放った。

ロイ「それで済むかよ!裂衝!蒼破塵!」

ノクス「うわあー!」

津軽「キャアー!」

ツースト「マジか・・・?」

桜「津軽!ツースト!」

ロイが使う秘奥義の1つ、 裂衝蒼破塵は一直線上に敵を攻撃する。そのため彼は相手が一箇所に集まったタイミングを見計らって秘奥義を放ったのだ。巨大な真空波で敵を切り刻まれた後に放たれた、凄まじい風圧の衝撃波は、桜を除く3人を襲い、グレイディアとウーノとの戦いでダメージを受けていた津軽とツーストは戦闘不能状態になり、ノクスもかなりのダメージを負う。1戦目に引き続き、またも桜チームが劣勢の雰囲気になり、ギャラリーにいる彼女の取り扱いメンバー達のテンションが暗くなり始めた。

ドラリーニョ(桜さんの)「桜・・・また負けちゃうのかな・・・?」

リデル(桜さんの)「大丈夫です!絶対に逆転出来ますよ!」

魔理沙グレイディア「すげーな。このまま作者、連勝出来るんじゃねーの?」

勝負はまたもやグレイディアの方がリードし、このまま連勝してしまうのではと、観客席の大半がそう思い始める。そんな時、ノクスが弱った体で桜に語りかけた。

ノクス「桜さん・・・。僕に、リミッツボトルを・・・。」

桜「ノクス・・・?一体何を・・・?」

ノクス「いいから・・・。今ならアレを使える・・・。」

絶体絶命の状況を脱するべく、ノクスは自分にリミッツボトルを使うように言った。彼の秘奥義の内容は200人斬りを見ていた桜は、全体を攻撃出来る効果があるのを知っている。真剣な様子を見て本気で言っているのだと悟った彼女はそっと微笑み、逆転の可能性を信じてリミッツボトルを渡す。

桜「分かったわ。ノクス、あなたを信じるわ。」

BGM:ETERNAL MIND(エターニアのイベントBGM)

ノクス「ありがとう。

桜からリミッツボトルを受け取ったノクスは、全身に力を入れると、自身の周囲に巨大な光の奔流を生み出しその輝きはグレイディアチーム全体に襲い掛かった。

ノクス「行くぞ!僕だって!負けられない!」

(ドドド)

グレイディア「ぐわあー!」

紗矢「ああー!」

ロイ「わあー!」

広範囲に及ぶ秘奥義にグレイディアと紗矢は大ダメージを受け、秘奥義を受ける前の蓄積ダメージが多くなかったグレイディアと紗矢は無事だったが、ロイは戦闘不能状態になった。それだけではない。極光壁には戦闘不能状態の味方を含めた味方全員の体力を、自身に25%・他の味方は15%回復出来る追加効果があり、戦闘不能状態だった津軽とツーストが立ち上がる。

ツースト「何だ?力が戻って・・・。」

津軽「体が動くわ!」

ノクスの極光壁によって、グレイディアチームの1人を撃破・桜チームは再びフルメンバーとなり、絶体絶命の状況をひっくり返した。桜チームのギャラリーからは、安堵や驚きの声が上がる。

アルル(桜さんの)「ノクス・・・すごい・・・。」

あいり(桜さんの)「これで、形勢逆転ですわ。」

ツースト(桜さんの)「ひえー。全体攻撃かつ味方蘇生効果ありとか、すげーな。」

戦闘不能状態から復活しても、全体的な回復量は多くないため、津軽とツーストは、互いに回復魔法をかけ合う。チームメイトが更に撃破されたとなっては、グレイディアの憤怒のスキルがまたもう1段階上がる事を懸念して、桜は残った2人が立ち上がる前に、なんとか決着を急ごうと動く。

桜「ロイが戦闘不能になったから、グレイディアさんの攻撃力はかなり上がっているに違いないわ。ノクスの秘奥義でダウンしている内に、決めるわよ。」

津軽「分かったわ。」

ツースト「それじゃあ、まずは能力を上げるぜ。シャープネス!アスティオン!」

大きなダメージを与えられている実感はあるものの、より確実に仕留めるために、ツーストが味方全員に能力上昇技を唱える。グレイディアと紗矢は体を支え合いながらなんとか立ち上がろうとしていた間に、3人分の能力上昇魔法を唱え終わり、桜・津軽・ノクスは攻めの態勢に入った。

グレイディア「まさか戦闘不能の仲間ごと、回復させるとは・・・。紗矢、大丈夫か?」

紗矢「ええ・・・。何とか・・・。」

こちらも反撃の態勢に入ろうとしたが、ツーストの能力上昇魔法で威力が上がった、桜の花びらの渦・津軽の連続蹴り・ノクスの剣技がさく裂する。桜・津軽・ノクスの渾身の一撃を受けた紗矢とグレイディアはその場に倒れこむ。

桜「ブロッサムスクリュー!」

津軽「疾風煌塵!」

ノクス「閃空翔裂破!」

(ドカドカ)

紗矢「みんな、ごめんなさい・・・。」

グレイディア「ここまでか・・・。」

グレイディアチーム全員が確実に戦闘不能になったのを確認し、作者が叫ぶ。

私「勝者!桜チーム!」

観客「おおー!」

アリン「今度は桜さんが勝ったわ!」

りゅーと「これで勝負は1勝1敗。決着が着くのは次みたいね。」

エスト「まだまだ勝負の行方は、分からないよ。」

トーチ「最後はどんな組み合わせで来るか、楽しみだなー。」

2回戦の勝負は、桜チームが勝利するという結果に終わった。勝因は、蘇生効果持ちの強力な秘奥義を打つ条件が整っていた事・相手のスキルを発動させる前に瞬時に動けていた事にあるだろう。戦闘終了後、戦闘に参加したメンバーは、運営側から全回復の処置を受けた後、戦いの振り返りと最後の作戦会議に移る。

ウーノ「あの場で私がわざと倒されて、相手に余裕を持たせた隙に、グレイディアさんの憤怒を発動させて、有利に進めようと思ったのですが・・・。極光壁にあんな追加効果があったのは、盲点でした・・・。すみません・・・。」

グレイディア「いや、ウーノが謝る事はない。私もテイルズ技の知識はある程度持っていたのに、リミッツボトルを使わせる隙を与えてしまった。」

ロイ「くっそー!!裂衝蒼破塵で、3人全員倒せていたらー!!」

紗矢「まさか、あの子にしてやられるなんて。」

グレイディア「最後の戦いでも、桜さんは必ずノクスを投入するに違いない。あの厄介な極光壁を、どうするべきか・・・。」

ノクスの秘奥義で逆転を許してしまったグレイディアチームは、警戒するべき相手を決着がつく最後の戦いでも投入するに違いないと、対策を取る事にした。桜チームは、逆転勝利のきっかけになったノクスを、ヒーローの様にほめたたえていた。

桜「すごいよ!ノクス!!あの技に蘇生効果もあったなんて、おかげであのピンチを乗り切れたわ。」

津軽「本当に、ありがとうー!!」

ツースト「おかげで助かったぜ。ありがとな。」

ノクス「そんなに褒められると、照れるな・・・。」

戦闘参加メンバーに感謝の言葉を多く送られ、ノクスは頬を赤くして照れていた。桜チームの最後の作戦は、どの様に動くのだろうか。

ファルコ「桜、次は俺にも戦わせてくれ。負けっぱなしは、性に合わないからよ。」

プリン「プリンだって、このまま終わりたくないでしゅ!!」

桜「ちょっと待って。ちゃんとみんなの意見は、聞くから。」

1回戦に参加して戦いに敗れたファルコとプリンは、負けたままでは終われないとパーティ入りするために、桜に必死にアピールする。もちろん彼女も勝ちたい気持ちは同じなので、なるべく全員の意見は取り入れたいとチームメンバーをなだめた。勝負は互いに1勝1敗に終わり、3回戦が行われる事になった最終戦は、どの編成で行われるのか。闘技場のギャラリーは緊迫した空気に包まれていた。

(続く)

Re: 闘技場で大バトル ( No.4 )
日時: 2024/06/01 00:37
名前: 寺時 ◆JnZiCl58gc (ID: x4iKpq0b)

桜チーム対グレイディアチーム(3回戦)加筆修正版

勝負はどちらも1勝1敗に終わり、3回戦が行われる結果となり、桜とグレイディアは最終戦に向けて最後の打ち合わせをしている。この戦いでチームの勝敗の行方が決まる3回戦。果たして彼らは最後、どの様な組み合わせで挑むのだろうか・・・?

桜「ファルコ・プリン・ノクスで行くわ!」

グレイディア「ロイ・パルテナ・ウーノで行くぞ!」

ツースト「今回はベンチ入りか。まあ2回続けて戦った訳だし、ゆっくり休みながら応援するか。」

津軽「みんな頑張ってー。」

ファルコ「おう。体力は十分回復したし、気合い入れて行くぜ。」

プリン「こっから一気に逆転よー。」

紗矢「やるからには、しっかりやりなさい。」

ロイ「絶対に、勝ってやるー!」

桜は回復技を多く覚えているツーストと津軽を敢えて外し、先ほどの戦いで逆転の切り札となった『極光壁』を覚えているノクス・1回戦で参加していたファルコ・上空から魔術を自在に放てるプリンを、選んだ。一方のグレイディアは、人数の都合上5人しかいないため、1人しか入れ替える事が出来ないものの、メンバーは1回戦の時と同じ組み合わせで行く事を決めた。バトルに参加するキャラ達の、勝利に向けてのやる気は十分だ。

トーチ「グレイディアさんは、1回戦の時と同じ組み合わせで行くみたいだね。」

八雲「やはり桜さんは、ノクスを投入してきたか。」

YUMA「どっちが勝ってもおかしくない、組み合わせね。」

この戦いで勝敗が決まるので、作者達の注目が集まる。準備が整ったのを確認すると、作者は手を上げて叫んだ。

私「3回戦始め!」

BGM:Fighting of the spirit(ファンタジアの精霊戦)

ウーノ「ホーリーレイン!」

ノクス「わあ!」

プリン「キャア!」

ファルコ「どわあ!」

桜「ひゃー!」

戦闘が始まった直後、ウーノはフィールド全体に光の雨を降らせて攻撃する。全員分の体力を効率よく一気に削ってしまおうと判断し、すばやく動けるウーノが始めの合図と共に咄嗟に放った。全体技には全体技の仕返しにと、桜も魔術を放つ。

桜「やったわね!ブロッサムレイン!」

グレイディア「やばい!みんな気をつけろ!」

ロイ「わあ!」

パルテナ「キャッ!」

ウーノ「うぅ・・・。」

全体技で先制攻撃を許された桜は、桜の花びらを全体に降らせて反撃した。お互いの全体技がさく裂し、全員平等にダメージを受ける。彼女の攻撃が止んだ後、ロイとパルテナは自分達が狙う桜チームのメンバーをグレイディアに伝えた。

ロイ「ファルコは、僕が引きつけるよ。」

パルテナ「ノクスは私が、相手をするわ。」

グレイディア「油断するなよ。」

2回戦での敗北を踏まえて、必ず最終戦にノクスをメンバーに入れて来る事を予測していたグレイディアチームは、ノクスの相手をパルテナに任せる作戦を立てており、他に誰が誰を狙うかは、残りのメンバー次第で考えていた。それぞれが戦う相手に向かうロイとパルテナを、グレイディアは油断しないよう促す。

ロイ「喰らえー!」

ファルコ「おっと。」

パルテナ「それー。」

ノクス「させるか!」

ロイとファルコ・パルテナとノクスの激しい戦いが続く中、誰にも相手にされないプリンが不機嫌そうに叫ぶ。

プリン「ちょっと!あたしの相手もしなさいよ!」

箒に乗って飛んでいるから自分の相手はされないのかと思っていたが、背後から少々不気味なトーンが混じった声が聞こえた。その声の主は、ウーノ。彼は地面を高く蹴って飛び上がり、箒に乗って浮いているプリンに向かって、剣を振り下ろす。

ウーノ「箒に乗ってるからって、あんまり油断しない方がいいよ?カタラクトレイ!」

プリン「へっ?いたっ!」

中々自分が攻撃の対象にされない事にすっかり油断していたプリンは、ウーノの奇襲に気づかず、ダメージを受け、一方の彼は優雅に着地した。

プリン「あんたジャンプ力、ありすぎ!」

ウーノ「私も空中コンボは、得意だからね。」

地面に力強く叩きつけられたプリンは、もう一度箒にまたがって宙に浮き始める。空中にいるため、物理攻撃は届かないと思い込んでいたが、ウーノもパルテナ同様空中コンボを用いて、空にいる相手にも対処出来るスキルがあった。どこまでも自分を甘く見られている事に腹を立てたプリンはカンカンに怒って、ウーノを挑発する。

プリン「むぅ・・・。こうなったら、あたしの自慢の魔術でコテンパンにしてやるんだから!ツーストから聞いて、知ってんのよ。あんたの特殊防御が、紙程度しかないって事ー。」

ウーノ「(ブチッ)」

プリンが放った挑発の内容に触れてはいけない部分があったのか、何かがぷつんと切れる音がした。ウーノの防御力に関しては、物理に対して鉄壁クラスの強さを誇る一方で、特殊に対しては、紙程度でしかない設定(あくまで寺時サイドの個人的世界観)になっている。その事をツーストに教えてもらっていたプリンは、勝負の行方関係なしに己の魔術で一気に片を付けてしまおうと、思わず調子に乗った口調になってしまった。ちなみにこちらのウーノは切れると口調が乱暴になるので、情報を吹き込んだツーストには、イベントが終わった後で何やら恐らく説教かお仕置きが飛んでくる事には、間違いない。

ウーノ「あいつ後で、覚えてろ・・・。」

噂のせいなのか分からないが、ツーストからくしゃみが出てしまった。

ツースト「へっくし!」

津軽「ツーストさん、風邪ですか?」

ツースト「ひいてたら、最初からこの大会出てねーだろ。」

津軽「それもそうですよね。」

弱点を漏らされたリーダーから、後でキツい説教が飛んで来るかもしれないとは知らずに、津軽と共に勝負の行方を見守る。戦いのステージでも、ファルコとロイ・桜とグレイディアの激しい一騎打ちが続いていた。

ファルコ「ファルコビジョン!」

ロイ「わあ!」

パルテナ「大丈夫?」

桜「キャア!」

プリン「桜さん、受け取って!」

3回戦もまたどちらも譲らない戦いが続いており、アイテムを使っていない状態だったからか、運営から支給されているアイテムも惜しみなく使っている。動きの素早いファルコから攻撃を受けたロイはパルテナから、グレイディアからの強い一撃を受けた桜はプリンから、それぞれアップルグミを受け取って体力を回復させた。味方からの援護を受けて態勢を持ち直した桜は、自分チームの勝負を決める一手となる切り札をいつでも発動出来る様、ノクスに、リミッツボトルを使った。

桜「(ノクスの極光壁は最大の切り札だから、いつ使えてもいいように今のうちに使っておこう。)ノクス!リミッツボトルよ!」

ノクス「ありがとう。」

なるべくオーバーリミッツゲージを使わせないために最小限のダメージで抑えながら相手をしていたパルテナはその事に気づき、グレイディアに合図を送った。

パルテナ「いけない!グレイディアさん!」

グレイディア「やはりノクスに、リミッツボトルを使ったか。とにかくパルテナは引き続き、最小限のダメージで、ノクスを引きつけてくれ!」

パルテナ「了解よ!」

グレイディアが予想した通り、桜はノクスにリミッツボトルを使った。彼が使う極光壁はダメージ量が多く、なおかつ戦闘不能状態の味方の体力も回復出来るからだ。厄介な効果を持つ秘奥義をいつ撃たれるか分からない状況に、グレイディアチームのメンバーは危機感が高まる。そんな中でグレイディアは、リミッツボトルが使われた対象者であるノクスへのダメージを最小限に抑えるよう指示した。いつ相手の秘奥義が飛んで来るか分からない緊迫した状況でも、激しい技の打ち合いは続いていく。

桜「ブロッサム・カッター!」

グレイディア「ルドラ・クロス!」

ファルコ「ブラスター連射!」

ロイ「蒼破追蓮!」

ノクス「閃空翔裂破!」

パルテナ「封塵衝月華!」

プリン「かいりき!」

ウーノ「ラウンドエッジ!」

接近でも遠距離でも多彩な技が飛び交わい、一進一退の戦いに観客席にいる他の参加者はただ固唾を飲んで見ていた。この戦いに終止符が打たれるのは、一体いつになるのだろうか・・・。

エスト「桜さんもグレイディアさんも、すごいな・・・。」

りゅーと「他のみんなも、相手の動きにうまく対応出来てるわね。」

アリン「一体・・・どっちが勝つのかしら・・・?」

ずっと技を出し続けてうちに互いの戦闘メンバーからは、息切れする声が聞こえ始めてきた。作者陣は、共に戦うチームメイト達に今一度、無事の確認を兼ねて一人一人呼びかける。

桜「みんな大丈夫?」

ファルコ「まだまだやれるぜ。」

プリン「あたしは平気。」

ノクス「僕も、大丈夫だよ。」

グレイディア「みんな無事か?」

ロイ「正直ちょっと、キツい・・・。」

パルテナ「ここまでやるなんて、思ってもなかったわ・・・。」

ウーノ「グレイディアさんこそ・・・大丈夫なんですか・・・?」

グレイディア「こっちは、何ともないよ。」

勝利がかかった重要な試合のためか、戦いは先ほどよりも長引いている。戦闘はどちらかのチームメンバーが全滅するまで継続されるので、お互いの戦闘参加者の体力は試合開始と比べるとかなり消耗されていっていた。特に3回連続で出ている作者陣・グレイディアチーム側のロイとウーノは3戦全て出場しているため、少々疲れが出て来た様にも見える。そこを狙って勝負を決めようと、リミッツボトルの影響で既にオーバーリミッツケージが満タンになってて、いつでも秘奥義を打てる状態のノクスに、桜は秘奥義を使うよう指示する。

桜「(グレイディアさんのチームの方が、少し疲れてる気がするわね・・・ 。)ノクス、極光壁で攻撃して一気に行きましょう。」

桜の期待を込めた呼びかけに対し、ノクスは深刻な様子で言った。

ノクス「桜さん・・・極光壁は、自分の体力あまりない状態じゃないと、使えないんだ・・・。」

桜「ええーっ!?」

そう。極光壁は自分の体力が少ない状態でないと、使う事が出来ないのだ。強力な技には、気軽に出せると戦いが簡単に終わってしまう可能性が高まるので、大抵の場合はデメリットが付き物である。全体に大ダメージ且つ蘇生効果も付与出来る大技が気軽にバンバン出せてしまっては、もはやチートでしかないと言えるだろう。

王ドラ(桜さんの)「極光壁の意外な弱点が、明らかになりましたね・・・。」

シェゾ(桜さんの)「まああんなのが気軽に出せたら、それはそれでチートすぎだよな。」

厄介な秘奥義の弱点が判明し、グレイディアはノクスの防御力を下げる行動に出た。

グレイディア「弱体突き!」

ノクス「わあ!」

ノクスの秘奥義を使わせるチャンスを、デメリットのせいで今は使用出来ない事を知った桜が別の連携プランを考える前に、厄介な相手は早めに潰してしまうに限ると、グレイディア合わせる様にロイも追撃に動く。

ロイ「だったら確実に、仕留めるまでだ!蒼破追蓮!」

自分達の便りの綱であるノクスを集中攻撃のターゲットにされてしまい、桜はプリンとファルコに、彼を守る援護する様叫ぶ。

桜「プリン!ファルコ!ノクスを守って!」

ファルコ「狙い撃ちさせて、たまるか!」

プリン「了解よ!!」

桜の声を聞いたプリンとファルコは、ロイとグレイディアに集中攻撃されているノクスの援護に向かう。戦っていた相手が自分の元から離れた事で魔術を詠唱出来るチャンスが生まれたウーノは、プリンとファルコが向かう場所に先回りさせる様に魔術を放った。

ウーノ「グランドクロス!」

ファルコ「くっ・・・!」

プリン「いたっ!」

ウーノが出現させた光の十字架で、援護に向かったファルコとプリンの行動が妨害されてしまう。そんな時パルテナが、グレイディアにある合図を送る。そう、1回戦にも参加していたパルテナはオーバーリミッツケージの状況が継続されているので、3回戦で戦った分も含めて、満タンになっていたのだ。そして・・・。

パルテナ「我に仇なす敵を冥府に送りし朧月の棺!覇王朧月槍!」

蹴りと槍での連続攻撃を繰り出した後、槍を投げつけてノクスを串刺しにした。ロイから受けた追撃のダメージがあるのと、グレイディアの技で防御力を下がった状態で、威力がかなり高い第2秘奥義を受けては、耐えられるはずもなく、パルテナの秘奥義が見事に決まり、ノクスは戦闘不能状態になった。

ノクス「そんな・・・。」

桜チームを勝利に導く技が使える切り札を失い、桜サイドのベンチのムードが一気に下がり始めた。

ミニッツ(桜さんの)「切り札のノクスが、倒されちゃった!」

王ドラ(桜さんの)「回復が使えるツーストさんと津軽さんを外している以上、今回は少し厳しい戦いに、なりそうですね・・・。」

今回はノクスの極光壁を頼りにした戦術のために、敢えて回復魔法を覚えているツーストと津軽を外しているため、蘇生はアイテムに頼らざるを得ない。すぐに彼を蘇生させるためにアイテムを使用とするも、元ネタを詳しく知らない桜は、どのアイテムが蘇生アイテムか分からず、戸惑っていた。そこにプリンが、声をあげる。

桜「ノクス!早く戦闘不能状態から、復活させないと!でも、どれを使ったら・・・。」

プリン「桜さん!蘇生アイテムは、ライフボトルよ!あの瓶に入ったやつ!!」

桜「ありがとう!早速ノクスに使って・・・。」

グレイディア「させるか!ジャベリン!」

桜「キャア!」

プリンからアイテムの助言を受けて早速使おうとした桜だったが、グレイディアに阻止される。ライフボトルは戦闘不能状態の味方1人を蘇生出来るが、回復量はあまり多くない。そのため復活すれば、すぐさま秘奥義をしかけて来る可能性があるので、なんとしてもアイテムを使わせまいとグレイディアチームも必死に動く。

グレイディア「ノクスが復活したら、すぐに極光壁を使ってくる!何としても蘇生を防ぐんだ!」

ロイ「了解♪バーンストライク!」

ウーノ「ジャッジメント!」

(ドドド)

ロイとウーノがそれぞれ放った炎と光の柱は、上空から2発・全体に満遍なく降り注ぎ、桜チームにアイテムを使わせる隙を与えさせない。

プリン「やーん。これじゃアイテム使う隙が無いよー。」

ファルコ「とにかく俺とプリンで、なんとかグレイディアさん達を引きつける!」

桜「お願い!」

グレイディアチーム全員の注意を桜からそらさせるべく、ファルコとプリンはダメージを喰らう事も承知の上で、相手に向かって走り出した。グレイディアチーム側も蘇生アイテムを使わせないために動くものの、ファルコの素早い蹴りとプリンの状態変化技でグレイディア達を足止めさせ、桜を援護する。

パルテナ「させないわよ!」

ファルコ「それは、こっちのセリフだ!サマーソルトキック!」

パルテナ「・・・!」

プリン「うたう!」

ロイ「なっ何・・・?」

グレイディア「耳を塞いでいるのに眠気が・・・。 」

プリンの歌声で、ロイとグレイディアの眠気を誘い、その隙に彼女はノクスのそばに寄って、ライフボトルを使用した。

桜「ノクス、ライフボトルよ。」

ノクス「ありがとう。」

桜がライフボトルを使用した事でノクスは戦闘不能状態から復活する。そんな時、彼女はノクスの耳元に小声で話しかけると、彼は軽く頷く。ファルコとプリンは何を話しているのか分からなかったが、2人の様子を見てすぐに分かった。桜もまた3連戦で多くの攻撃をヒットさせたり、ダメージを受けた事でオーバーリミッツケージが満タンになっており、恐らく一緒に秘奥義を放って、勝負を決めようとしているのだろうと。

桜「私もケージが満タンになってるから、一緒に秘奥義を放つわよ。」

ノクス「分かった。」

桜とノクスは2人で同時に秘奥義を、唱え始める。。

桜「幾千もの花びらよ!この地に降り注ぎ、我らに勝利の華を咲かせたまえ!!フラワーバーストストリーム!!」

ノクス「極光壁!」

巨大な光の奔流と桜の得意技『ブロッサムレイン』より遥かに枚数の多い桜吹雪は、闘技場のフィールド全体を包み込む。桜とノクス秘奥義が連続で飛んで来た事で、ロイとパルテナは戦闘不能状態になったが、ウーノとグレイディアはかろうじて耐えていた。ちなみにプリンとファルコも、極光壁の追加効果によって体力が少量ながら回復している。

ロイ「わあー!」

パルテナ「油断したかしら・・・ 。」

ウーノ「まだ・・・戦える・・・。」

グレイディア「連携して秘奥義を使ってくるとは、思ってもなかった・・・。」

2人を戦闘不能にさせる事には成功したが、グレイディアとウーノはギリギリ持ちこたえており、全滅こそは出来なかったが、あと1・2発攻撃を当てさせれば戦闘不能に出来るまで追い込んでいる。

ノクス「グレイディアさんはともかく、ウーノは耐えられたなんて・・・。」

あおい(桜さんの)「ロイさんとパルテナ様が戦闘不能になった以上、グレイディアさんの攻撃力はものすごく上がっているでしょう。」

頼斗(グレイディアさんの)「珍しく作者が押されているな。」

レイ(グレイディアさんの)「でも、うちの作者はこんな程度の事で怯みはしないわ。」

1戦目・2戦目はグレイディアチームが押していく展開が多かったが、3戦目は互いの戦い方が分かりかけていたのもあって、桜チームが大きなチャンスを作っていた。これにはグレイディア側の同行キャラも驚いてしまうが、長い付き合いで信頼関係を築けている彼らには、全く動揺すると言った事がない。

桜「ツーストの言った通り、ウーノは特殊防御が弱い代わり物理防御がものすごく高い・・・。私の秘奥義とノクスの秘奥義を立て続けに喰らおうが、耐えられたわ・・。」

ノクスの極光壁を、鉄壁クラスの防御力でダメージ量を抑えられていた事・桜のフラワーバーストストリームが、全体攻撃で単体技より威力が低かったのが相まって、紙クラスの特殊防御でも、連続で飛んで来た秘奥義を持ちこたえていたウーノ。多少フラつきながらも、グレイディアはウーノに声をかける。

グレイディア「ウーノ、蘇生技はまだ使うな。今は私達の回復を優先し、憤怒のスキルが発動されている間に、少しでも反撃を行う。」

ウーノ「分かりました。フェアリーサークル!」

ロイとパルテナが倒れた事で、2人分の憤怒スキルが発動し、攻撃力がかなり上乗せされているグレイディアは、これを好機とし、まずはウーノに回復魔法をかけるよう指示した。ウーノが回復魔法を唱えると、魔法陣から光の蝶が現れ、らせん状に舞い始めた。その光はウーノとグレイディアに癒しを、桜チームには刃となって襲い掛かる。

桜「えっ!?」

ノクス「何だ!?」

ファルコ「これ、回復魔法だろ!?何でダメージを、受けんだよ!?」

プリン「フェアリーサークルは、攻撃と回復を同時に行えるのよ!」

桜「嘘!?」

攻撃と回復を同時に行える通常技を習得していた事に、驚きを隠せない桜。幸いな事に蘇生効果はなく、1度しか使えない中級回復技に、分類されている。ウーノのおかげで体力が回復したグレイディアは、ウーノにロイとパルテナの蘇生に集中するよう指示する。

グレイディア「よし。私が反撃の隙を作るからそこで、ロイとパルテナを蘇生させるんだ。」

ウーノ「大丈夫なんですか・・・?」

いくら攻撃力が上がっていても、相手は4人でこちらは2人。自分が蘇生技を覚えていると言えど、流石にグレイディア1人で4人を相手に詠唱させる余裕を与えられるのかと、ウーノは不安を覚える。それでもグレイディアはそっと微笑み、彼の余裕に満ちた表情にウーノはグレイディアの心境を読み取った。

グレイディア「(フッ)」

ウーノ「分かりました。」

どうか詠唱を終える前にやられない事を祈りつつ、ウーノは後方に下がって蘇生魔法の詠唱を始めた。グレイディア自身はスキルによって、全身に巨大な闘気を纏って相手に威圧感を与えるが、人数的には有利な桜チームは舐められたものだと余裕の態度で迎え撃とうとしている。

プリン「1人であたし達4人を、相手にするつもり?」

グレイディア「やれるものなら、やってみな。」

1回戦や2回戦の時にも見せた1段階の憤怒状態から更に攻撃力が上乗せされたグレイディアの大剣攻めで、桜チーム全員が思わず怯んでしまい、4人がかりですら苦戦を強いられていた。

ノクス「この強力な力は一体!?」

桜「なんてすごい力なの・・・?」

グレイディア自らが囮になる中、ウーノの蘇生魔法の詠唱が完了し、戦闘不能状態になっているロイとパルテナを一気に蘇生させる。天井から降り注がれた光は、ロイとパルテナに再び立ち上がる力を与えた。

ウーノ「彼の者達を呼び戻す道標となれ!リジェネレイト!」

ロイ「ん・・・。」

パルテナ「あら・・・?」

ウーノ「これで大丈夫だよ。今、グレイディアさんが囮になっているから、早く援護しに行こう。」

ロイ「ありがとうございます!」

パルテナ「さーて復活した事だし、また派手にやっちゃうわよー。」

役目を果たしたウーノは、1人戦うグレイディアを援護するために全体攻撃魔術を放ち、戦闘不能状態から復活したロイは、炎魔法を放った。

ウーノ「ホーリーレイン!」

ロイ「バーンストライク!」

ファルコ「おわ!」

プリン「いたっ!」

ノクス「うっ!」

桜「しまった!」

突然飛んできた2つの魔術に驚いた桜は思わず振り返ると、ウーノの魔術で戦闘不能状態だったロイとパルテナが復活していたのだ。蘇生させる隙を与えてしまった彼女は、悔しさを露わにする。

桜「いつの間にロイとパルテナが、復活してる!?誰か1人でもウーノの妨害に、行かせるべきだったわ!!悔しいー!!」

桜チーム側は先に3試合分のリミッツボトルを使い切ってしまい、後は誰かのオーバーリミッツゲージを自然に満タンにさせるしか、秘奥義を打つ手段は残されていない。秘奥義を使った直後の桜とノクスでは、再び満タンにするまで時間がかかるので、プリンかファルコが頼りだ。人数が再びタイになり、序盤の時と同じように激しい一騎打ちが繰り広げられる。ファルコとロイの炎を纏わせた突進と剣技・ノクスとパルテナの剣と槍・桜とグレイディアの桜魔法と大剣に加え、プリンも魔術で攻めていく。

ファルコ「この野郎ー!」

ロイ「何の、負けてたまるかー!」

ノクス「うおー!」

パルテナ「はあー!」

プリン「このー!」

グレイディア「おりゃー!」

桜「させない!」

桜チームもグレイディアチームも互いに1人1人相手をしていると思い込んでいたが、ふとファルコがウーノの姿がどこにもいない事に気が付く。

ファルコ「おい!桜!!ウーノがいねーぞ!?」

桜「えっ?嘘!?どこっ!?」

プリン「私だってしっかり見てたけど、攻撃を避けてどこかにいなくなっちゃったのよ!!」

ファルコとロイ・ノクスとパルテナ・桜とグレイディアが1対1で戦っていたなら、残る一騎打ちの組み合わせの可能性は、プリンとウーノ。プリンもウーノの動きはしっかり見ていたはずだったのだが、魔術をジャンプで避けらた瞬間いつの間にか、彼の姿を見失っていた。どこに消えたのかと辺りを探す、桜チーム。回復魔法の詠唱に向かったのかと思ったのだが、上空を見上げると、ウーノの体がいつの間に宙にか浮いている事に、気づく。

プリン「桜さん!あれって!」

ノクス「もしかしたら・・・!」

箒で飛んでいるプリンよりも遥か上空に、全身に光を纏わせた状態で宙に浮いている彼を見て、4人の間に危機感が走る。これは通常魔法ではない、秘奥義だと。しかも第1秘奥義の『イノセントシャイン』ではなく・・・。

ウーノ「天地に散りし白き煌華よ、運命に従い敵を滅せ!フォーチュンアーク!」

ウーノが放ったのは、第2秘奥義の『フォーチュンアーク』。天上と大地に巨大な譜陣を描き、その間の空間に大量の光を降らせて攻撃し、とてつもない威力をほこる奥義が直撃した桜達4人は戦闘不能状態になる。

桜「ああー!」

ノクス「ぐわあー!」

プリン「神様ー。」

ファルコ「畜生・・・!!」

第2秘奥義を唱え終えたウーノは、戦場の中心地に着地する。一体なぜ第2秘奥義が、唐突に飛んで来たのだろうか。その理由は3回戦開始直後、ウーノと桜が全体技を打ち合った後の出来事にあった。

グレイディア「もしもの時にウーノの第2秘奥義は貴重な戦力になるから、今のうちにこれを、使っておくからな。一気に全滅出来そうなタイミングを狙って、打ってくれ。」

ウーノ「はい、分かりました。」

第2秘奥義が全体に効果を及ぼす技が使えるウーノに、グレイディアは桜チームに悟られないよう、こっそりとリミッツボトルを使用していたのだ。他にも相手に秘奥義を使わせる事は、耐え忍んで一気に反撃を作るチャンスと考えさせる様認識させる指示も出しており、味方のスキルの把握の仕方・秘奥義を寧ろ使わせ、自分側の秘奥義をじらさせる事で、本当に決める時に使わせるやり方を徹底させた事が、グレイディアチームの勝因だろう。勝負の行方が決まった瞬間、作者が叫ぶ。

私「勝者!グレイディアチーム!」

観客「おおー!」

魔理沙(グレイディアさんの)「よっしゃー!作者達が勝ったぜー!」

クリス(グレイディアさんの)「どちらも、素晴らしい戦いぶりだったぞ。桜チームも、よく頑張ったな。」

レイ(グレイディアさんの)「秘奥義を使うタイミングが勝負を分けたと言っても、過言じゃないわね。」

ドラリーニョ(桜さんの)「負けちゃった・・・。逆転出来ると、思ってたのに・・・。」

夏美(桜さんの)「大丈夫。他のチームとも戦うんだから、次に期待しましょ。」

リデル(桜さんの)「次はどのチームが戦うか楽しみですね。」

最初のチーム戦はグレイディアチームの勝利に終わり、観客席からは熱い激闘を繰り広げたメンバー達への歓喜の渦が巻き起こっていた。戦いを終えた互いのチームは、観客席に戻る。

桜「何とか1本取れたのは良かったけど、やっぱり悔しいなー。」

津軽「お疲れ様です。とりあえず、今回の敗北を生かして次の出番が来るまで他のチームの研究を、しましょう。」

プリン「チーム戦は始まったばかりだから、まだまだ優勝出来る可能性はあるでしゅよ。」

桜「そうね。でも、今は次に向けてゆっくり休みましょう。」

パルテナ「やりましたね。」

グレイディア「ありがとう。みんなもよく頑張ったよ。」

ロイ「目指すはもちろん、優勝だよね?」

グレイディア「ああ!みんなで頑張ろう!」

紗矢「ふふ。次は私も戦わせてよね。」

桜とグレイディアが観客席に戻って数分経つと、作者がまた進行する。

私「次に戦うチームを発表するわよ。次は・・・トーチチーム対りゅーとチーム!」

トーチ・りゅーと「!?」

次のチーム戦で戦うのは、トーチとりゅーとのチーム。大物作者の出番が来た事により、観客席のテンションも高鳴りを見せていた中、戦闘参加メンバー達も試合に向けて気合を入れ始めていた。

彩葉「よっしゃー!うちらグレイセス軍団の意地を、見せたるでー♪」

トーチ「グレイセス軍団って・・・。」

フォース「すげー面白そうな、チーム名だな。」

マルクト「ルカリオは私が守る。」

ゼルダ「ルカリオだけじゃなくて、他のみんなもキチンと守りましょうね。」

ルカリオ「少しやりにくい・・・。」

アーク「なんだか緊張して来ました・・・。」

ウルフ「チッ。フォックスじゃねーのかよ。」

マタン「まあまあ、一応全てのチームと戦うから我慢しましょう。」

ゾロアーク「(^_^)」

クチート(トーチさんの)「あたしも頑張るーだってさ。」

チームメンバー同士の一部の中の人が、共通のグループに入っているトーチチーム、因縁の相手に当たらず不満を覚えるメンバーがいるりゅーとチーム。果たして勝つのはどっちだ・・・?

(続く)

成績表

桜チーム:0勝1敗

YUMAチーム:0勝0敗

アリンチーム:0勝0敗

八雲チーム:0勝0敗

りゅーとチーム:0勝0敗

エストチーム:0勝0敗

トーチチーム:0勝0敗

グレイディアチーム:1勝0敗

おまけの小話

~ウーノが複数蘇生魔法(リジェネレイト)を唱えた時の、桜サイドのベンチ~

津軽「ウーノさん、複数蘇生魔法が使えたの!?ちなみにツーストさんは、使えるんですか?」

ツースト「いや・・・俺は使えねー・・・。使えんのは、レイズデットだけだ。」

津軽「えっ?そうなんですか?ウーノさんが使えるから、てっきりツーストさんも使えると思っていたんですが・・・・。とか言う私も、使えませんけどね。」

ツースト「なんだそりゃ。まあ、ウーノが複数蘇生魔法覚えているのは認めるが・・・、フォースの奴も技名は違うけど、複数蘇生が使えんだよなー!!他に使える回復術がファーストエイドとかの、回復量がすくないやつしか、ねーくせにー!!」

津軽「えー!?フォースさんも、複数蘇生魔法が使えるんですか!?一体どんな・・・。」

グレイディア「うおりゃー!!」

津軽「嘘!?グレイディアさんの猛攻で、こちらが押されているわ!!」

ツースト「グレイディアさんの憤怒のスキル、強すぎだろ!!」

一体フォースは、どんな全体蘇生魔法を使う・・・?


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