二次創作小説(新・総合)

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【fate二次創作】運命の果てに
日時: 2024/12/14 17:30
名前: きのこ (ID: sbAJLKKg)
参照: kakiko.info/profiles/index.cgi?no

【fate二次創作】
夕暮れの冷たい風が、士郎の頬を撫でる。いつも通りの静かな日常が、何も変わらずに流れていく。しかし、セイバーが横に立つその姿が、なぜか少し遠く感じる。彼女の目には、どこか深い悲しみが宿っていた。

「セイバー、どうしたんだ?」

士郎が問いかけると、セイバーは少しだけ目を逸らし、そして静かに言った。

「私は、もうすぐ消えてしまう。あなたと一緒にいることができるのは、ほんのわずかな時間け…」

その言葉が、士郎の胸に重くのしかかる。彼はすぐに駆け寄り、セイバーの手を取った。

「そんなこと言わないでくれ!」

セイバーは、優しく微笑んだ。その微笑みは、どこか悲しげで、けれども決して後悔のないもののように見えた。

「私がここにいるのは、あなたと過ごす時間が一番大切だと思ったから。そして、あなたが私にとって何よりも大切だから…」

士郎の目から涙がこぼれる。彼はその手をしっかりと握りしめた。

「でも、まだ君と過ごしたいことがたくさんあるんだ! 一緒に笑いたいし、もっと色んなことを経験したいんだ!」

セイバーの目が潤む。彼女も、士郎と共にいたい。しかし、それは叶わない運命だ。彼女の存在は、もはや時間の流れに逆らうことができなかった。

「私は、あなたにとって一番の存在ではないかもしれない。でも、あなたが私にとってどれほど大切だったか、それだけは忘れないでいてほしい。」

士郎は声を詰まらせ、何も言えなかった。ただ、セイバーの手を強く握りしめることしかできなかった。その温もりが、もうすぐ失われることを考えるだけで胸が痛んだ。

「セイバー…君が、好きだ。」

言葉にならない感情が溢れ出し、士郎の目からは涙が止まらなくなる。セイバーはその涙を見つめ、静かに頷いた。

「私も、あなたが大好きです。」

その言葉が、士郎の心に深く刻まれた。彼女の存在が、ただ一瞬の輝きであっても、それがどれほどかけがえのないものであったのかを、彼は今、痛いほど理解していた。

その瞬間、セイバーは静かに消えていった。


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