二次創作小説(新・総合)

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【月姫二次創作】月の涙
日時: 2024/12/14 18:26
名前: きのこ (ID: sbAJLKKg)
参照: kakiko.info/profiles/index.cgi?no

秋の冷たい風が、遠野志貴の頬をかすめた。学校帰り、ふと立ち寄った公園のベンチに座り込んで、彼は空を見上げる。月が、どこか遠くに浮かんでいる。彼の目には、それがアルクェイドの瞳のように見えた。

「志貴…」
その声が背後から響く。振り返ると、そこにはアルクェイドが立っていた。いつもと変わらぬ笑顔。でも、彼女の瞳には、何か暗い影が差しているようだった。

「どうしたんだ、アルクェイド?」志貴は少し驚いたが、すぐに優しく声をかける。アルクェイドはゆっくりと歩み寄り、彼の隣に座った。

「ただ、少し…月が綺麗で。」
彼女は空を見上げる。その瞳の奥に、どこか遠くの世界を見つめるような深い色があった。

志貴は彼女の手を握ろうとしたが、手が震えた。何かを言おうとして、言葉が出てこなかった。彼女の命は長くない。それは彼が知っていること。アルクェイドの真実と向き合うたび、志貴は自分の無力さに苛まれていた。

「私、ずっと…志貴と一緒にいたい。」
その言葉に、志貴の胸が痛む。彼女は真祖、永遠の命を持ちながら、どこかでそれに苦しんでいる。永遠に生きることが、どれほど孤独で切ないことか、彼は知っていた。

「でも、僕は…」
志貴の言葉が途切れ、ふと彼女の手を強く握った。彼女の瞳に涙が浮かんでいた。
「私、いいの…志貴が笑ってくれるだけで…それだけでいい。」
アルクェイドは小さく微笑み、月の光に照らされながら静かに目を閉じた。

彼女の笑顔は、永遠には続かない。それでも、志貴はその瞬間だけでも彼女を守りたかった。
そして、彼は強く彼女の手を握りしめた。涙が頬を伝う。だが、それは悲しみだけではなく、深い愛の証だった。

月明かりの下で、二人の心はひとつになった。切なく、儚い時間だったが、それでも幸せだった。


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