二次創作小説(新・総合)

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【fgo二次創作】王と二人の仲間の日常
日時: 2024/12/15 09:16
名前: きのこ (ID: sbAJLKKg)
参照: kakiko.info/profiles/index.cgi?no

ある日のこと、ギルガメッシュ王はいつものように黄金の座椅子に座り、手にした杯を見つめながら何やら考え込んでいた。彼の目の前には、忠実な従者エルキドゥが静かに座り、黙ってその様子を見守っている。

「……ふん、つまらんな。」ギルガメッシュはとうとう口を開いた。

「何かお気に召さないことでも?」エルキドゥは柔らかく尋ねる。

「いや、特にそういうわけではない。」ギルガメッシュは顔を上げ、エルキドゥに視線を向ける。「ただ、たまにはもっと刺激的なことがあれば面白いのにと思ってな。」

エルキドゥは少し考え込み、そして静かに頷いた。「王の求める刺激とは、具体的に何でしょう?」

「それは…」ギルガメッシュが顔をしかめ、少しだけ恥ずかしそうに言った。「たとえば、もっと私に挑戦するような者が現れてもいいのではないかということだ。」

「挑戦者をお望みですか?」エルキドゥが心配そうに聞き返した。「そんな者が現れると、また無駄な争いが起きてしまいますよ。」

ギルガメッシュは深くため息をつく。「いや、確かにそうだが…私も少しは楽しみが欲しいというか。」

そのとき、ドタドタと小さな足音が聞こえ、ギルガメッシュの目の前に小ギルが飛び込んできた。小ギルはギルガメッシュの膝に飛び乗り、嬉しそうに笑った。

「おじさま!今日はお腹が空いたの!おやつは?」小ギルが無邪気に尋ねる。

「お前は本当に…」ギルガメッシュは少し困った顔をしながらも、どこか愛おしげに小ギルを見つめた。「今はお前の食欲の話をしている場合ではない。」

「でも、お腹が空いたんだもん!」小ギルは膝にしがみつきながら、ギルガメッシュに強調するように言った。

エルキドゥはその様子を見て、微笑んだ。「小ギル、どうやら王様は今日はおやつをくれないようですね。」

「うーん、仕方ないか。」小ギルは残念そうに肩を落とすが、すぐに元気を取り戻し、何か別のことを思いついた。「ねえ、おじさま、今度は一緒に遊ぼうよ!」

「遊ぶ?」ギルガメッシュは一瞬、驚いた顔をしたが、すぐに眉をひそめた。「遊びと言っても、私がするようなことはない。」

「えー?」小ギルはきょとんとした顔をして、しばらく考え込んだ。「じゃあ、エルキドゥお兄ちゃんと遊んだら?」

「私が遊ぶ役目ではないでしょう。」エルキドゥは軽く笑いながら言う。「ですが、まあ…少しだけ付き合うのも悪くはないかもしれません。」

「ほんと!?じゃあ、一緒にお外に出て走り回ろう!」小ギルはすぐに立ち上がり、走り出しそうな勢いで言った。

ギルガメッシュはその様子を見て、少し考えた後、ため息をつきながら言った。「……仕方ない、少しだけだぞ。」

「やった!」小ギルは飛び跳ねながら歓声を上げた。

外に出ると、すでに空は青く、風も心地よい。ギルガメッシュ、エルキドゥ、小ギルの三人は並んで歩きながら、何も考えずにただ楽しんだ。時折、小ギルが駆け出すと、エルキドゥが優しくその後ろを追い、ギルガメッシュはその二人を遠くから見守りながら、何となくその光景を楽しんでいた。

「おじさま、こっちだよ!」小ギルが元気よく手を振りながら、さらに遠くへ駆け出す。

「お前、もう少しゆっくりしろ。」ギルガメッシュは苦笑いを浮かべる。「私がついていけなくなってしまうだろう。」

「でも、もっと早く走りたいんだもん!」小ギルは笑顔で振り返り、エルキドゥもその様子を微笑ましく見守った。

「おじさま、今日は少しだけでも楽しんでください。」エルキドゥが優しく言った。

ギルガメッシュはその言葉に少しだけ表情を和らげ、ふと立ち止まった。空の青さを見上げ、穏やかな風に顔をなびかせる。しばらくすると、小ギルの笑い声が耳に届き、その音が心地よく響いた。

「…ふん。」ギルガメッシュは満足げに微笑む。「確かに、こういうのも悪くはないな。」

その日の午後、三人は一緒に遊んだり、笑いあったりして、何の変哲もない一日を過ごした。だが、その時間がどれほど貴重で幸せなものかは、彼らにとってとても大切なことだった。

「今日は楽しかったね!」小ギルは言った。

「ふん、まあな。」ギルガメッシュは照れ隠しに顔を背けた。

「また一緒に遊ぼうね!」小ギルは元気よく言った。

その言葉に、エルキドゥとギルガメッシュは微笑んだ。非日常の中にあっても、こうした日常の一コマが、彼らにとって何より大切で幸せな瞬間だと感じていた。

おしまい。


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