二次創作小説(新・総合)
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- 【fgo二次創作】選べぬ戦い、守りたい誓い
- 日時: 2024/12/15 10:23
- 名前: きのこ (ID: sbAJLKKg)
- 参照: kakiko.info/profiles/index.cgi?no
ジャンヌ・ダルクとジャンヌ・オルタが激しく対峙している。藤丸立香はその間に立ち、二人の激闘をただ見守ることしかできない。二人の間には、ただならぬ緊張感が漂っていた。彼の心は揺れるが、決して逃げることはできない。彼はこの戦いが何を意味しているのか、少しずつ理解し始めていた。
「立香、私のために戦って。」ジャンヌ・ダルクが静かに告げる。その目は、まるで一筋の光を信じるような優しさを持っていた。しかし、ジャンヌ・オルタの目は違う。冷徹で、闇に染まった瞳が立香を見据えている。
「立香、私のために…その命を捧げて。」ジャンヌ・オルタの声には、哀しみと憎しみが混ざり合っていた。彼女の言葉に立香の胸は締め付けられたが、心は決まっていた。彼の心の中で何かが目覚め、彼女たちの戦いが単なる衝突ではなく、彼自身の選択に関わることを悟ったからだ。
「どちらか一人を選べというのか?」立香は声を震わせながらも問いかける。その問いは、まるで彼自身の存在を試すようだった。
ジャンヌ・ダルクはその問いに答えることなく、剣を手に取る。「私はただ、あなたを守りたい。それだけ。」彼女の目には信念と誇りが見え隠れしている。
一方、ジャンヌ・オルタは冷徹に笑った。「守られることなんて、もういらない。」その言葉には絶望が滲んでいたが、同時に強さも感じられる。「私は自分の力で立つ。誰にも頼らない。」
立香は、その二人の間に立ち、何も言わずに深く息を吐いた。彼はどちらの側にも立ちたくなかった。しかし、彼の心が一つの答えを見つける。その答えが、彼にとって最も重要なものだと感じたからだ。
「俺は…誰かを選ぶことはできない。」立香の声は、どこか儚げだったが、それでも強い意志が込められていた。「二人とも大切だ。だから、俺は…」
その瞬間、彼の背後に現れたのは、どこか懐かしさを感じさせる光だった。それは彼の内に眠る力、彼がこれまで気づかなかった何かが目覚める瞬間だった。立香の手が自然に動き、二人の間に立ち、剣を握りしめる。
「どちらの道を選ぶこともできない。けれど、俺は二人を守りたい。今、戦いを止めることはできなくても、いつか二人の間に平和を取り戻せるよう、俺は戦い続ける。」
その言葉が響くと、ジャンヌ・ダルクとジャンヌ・オルタは一瞬、互いに目を合わせる。戦いの中で、ほんの少しだけ、時間が静止したかのようだった。そして、どちらもその一歩を踏み出す。
立香の心の中には、今、二人の意思を受け継ぐ覚悟が宿っていた。