二次創作小説(新・総合)

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【プリズマ☆イリヤ二次創作】あの日交わした約束のよう
日時: 2024/12/15 15:09
名前: きのこ (ID: sbAJLKKg)
参照: kakiko.info/profiles/index.cgi?no http://uuuu

冬の冷たい風が、雪を運んでくる。
空から舞い降りた白い結晶が、まるで小さな約束の欠片のように、イリヤの肩に降り積もった。

「ねえ、寒くない? イリヤ」
美遊が心配そうに声をかける。

「ううん、大丈夫だよ!」
そう言いながらも、イリヤの手はかじかんでいる。

「まったく……こういう時くらい、素直に寒いって言えばいいのに」
クロエがため息交じりに言いながら、自分のマフラーをイリヤに巻き付けた。

その優しさに、イリヤの心はぽっと温かくなった。

三人は並んで、雪に覆われた見慣れた道を歩く。学校帰りのいつもの風景。
でも、どこか少しだけ違っていた。
胸の奥に、消えない痛みがある。

数日前、イリヤは知った。
美遊の、本当の運命を――この世界に留まるために捧げた犠牲を。
クロエが抱えている、別れを覚悟した上での戦いを。

それでも、笑っていたい。ずっと一緒にいると約束したから。

「ねえ、覚えてる? 三人で約束したよね」
イリヤが、ふと立ち止まる。

「どんなことがあっても、ずっと一緒って……」
涙がにじむ瞳を隠すように、イリヤはうつむいた。

美遊が小さく頷いた。クロエは苦笑いを浮かべながらも、イリヤの手を握る。

「うん、覚えてるよ。約束は――」
クロエの声が震える。強がりで、誰よりも優しい彼女の心が見えた。

「約束は、ちゃんと守るんだよ」
美遊が静かに言い切った。彼女の瞳には、雪よりも冷たく、でも深い愛情が宿っている。

「だから、今を大事にしよう」
その言葉に、イリヤは堪えていた涙をこぼした。
頬を伝う涙の温かさが、冷たい風に触れて消えていく。

もうすぐ来る別れ。避けられない運命。
それでも――今、この瞬間だけは確かなものだ。

三人は手を繋ぎ、歩き出す。

「一緒にいよう、ずっと……」
イリヤの声は震えていた。でも、その手の温かさが、未来への恐怖を和らげる。

白い雪が降り積もる世界。三人の足跡が、まっすぐに続いていた。
まるで、あの日交わした約束のように、永遠に消えないことを願って――


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