二次創作小説(新・総合)
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- 【fgo二次創作】不器用なふたりのギャグ日常
- 日時: 2024/12/15 15:37
- 名前: きのこ (ID: sbAJLKKg)
- 参照: kakiko.info/profiles/index.cgi?no http://uuuu
カドック・ゼムルプスは、今日も忙しい研究に追われていた。サーヴァントとの関係もそれなりにうまくいっていたが、何かと世話を焼かれることが多く、時折彼の疲れた表情を和ませてくれるのは、他ならぬアナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァだった。
アナスタシアは、彼にとって一種の「癒し系」だった。だが、あまりにもその癒しの方法が独特すぎて、時折カドックは心の底から笑いをこらえるのが大変だった。
「カドック、これ食べてみて!」アナスタシアが、冷蔵庫から何かを取り出しながら嬉しそうに言った。
「また新しい実験か? 君の料理、正直言ってかなり…怖いんだが。」カドックは、すでに何度もアナスタシアの「料理」を味わっていた。
「そんなことないわ! 今回は特別に上手くできたんだから!」アナスタシアは、得意げに微笑みながらカドックにお皿を差し出した。
「…これ、どう見てもボルシチじゃないよね?」カドックは恐る恐るその皿を見つめる。何だか不明な色の液体が揺れており、異様な匂いが漂っていた。
「ボルシチよ! でもちょっと改良したの!」アナスタシアは無邪気に答える。その言葉がまた恐怖を増す。
「改良…?」カドックは眉をひそめた。
「うん! レシピに書いてあった“余った食材を使って”っていう部分を、“思いついたもの全部”にしてみたの!」アナスタシアの目は輝いている。
「それ、かなり危険な発想だぞ?」カドックは顔をしかめながら皿を手に取った。案の定、スプーンを入れると、ぷちぷちという音がした。
「大丈夫、大丈夫! 食べてみて!」アナスタシアはカドックを真剣に見つめる。カドックはため息をつきながら、一口食べると…。
「…っ!」思わず目を見開くカドック。
「どう? 美味しいでしょ?」アナスタシアは期待の眼差しでカドックを見守る。
「…ま、まあ、確かに…これは、まあ、食べられる。」カドックは正直に言った。
「あれ、そうでもないの?」アナスタシアは少し落胆したように見えた。
「いや…食べられないわけではない。ただ…すごい、独特な味だな。」カドックは顔を歪めながら続けた。「このスパイスは何だ?」
「それはね、ちょっと新しい香辛料よ!」アナスタシアは得意げに答える。「実は、図書館で見つけた魔術的な香辛料なんだけど、どんな料理にも合うって書いてあったから。」
「魔術的…?」カドックは真顔でアナスタシアを見つめた。
「うん! これがまた、食べると体がポカポカしてきて、元気が出るのよ!」アナスタシアは笑顔で答えた。
「…やっぱり魔術的なものはちょっと怖いんだよな。」カドックは頭をかきながら言った。
「怖がらなくても大丈夫よ! これで元気が出るなら、カドックももっと私の研究を手伝ってくれるわよね?」アナスタシアは目をキラキラさせて言った。
「う…うん…わかったよ。」カドックは苦笑しながら頷いた。
その時、アナスタシアがふっと顔を赤らめて、小声で言った。
「ねえ、カドック…私、実は最近思うことがあるの。」
「うん? 何だ?」カドックは珍しく真剣な顔をして答える。
アナスタシアは少し照れたように目を逸らし、ややつっけんどんに言った。
「実は、私、カドックのことが…すごく好きなの。」
「え?」カドックはその言葉に驚いて目を見開く。
「だ、だからって、別にすぐにどうこうするつもりはないんだけど…でも、もっと一緒にいたいなって。」アナスタシアは顔を真っ赤にして言葉を続けた。
「アナスタシア、まさか…」カドックは少し戸惑いながらも、心の中で驚きと喜びが入り混じった感情を抱いていた。
「うん…でもね、私、こういう気持ちを伝えるのが苦手だから、もし気まずくなったらごめんなさい…。」アナスタシアは少し不安そうに言った。
カドックは少し黙ってから、ゆっくりと答えた。
「いや…俺も、実は君のことが…好きだ。」その言葉に、アナスタシアは驚いた表情を浮かべる。
「えっ、ホントに?!」アナスタシアの目が輝いた。
「うん…でも、君の料理がちょっと…まあ、特訓が必要かな。」カドックは冗談交じりに言った。
「わ、わかってる! でも、ちゃんと改善するから、これからも一緒にいてくれる?」アナスタシアは真剣にカドックを見つめた。
「もちろん。君と一緒にいるのは、悪くないと思う。」カドックは照れながらも微笑んだ。
その瞬間、二人の間に、少し照れた静かな空気が流れた。
「じゃあ、これからもよろしくね。」アナスタシアは嬉しそうに言った。
「うん、よろしく。」カドックも照れくさそうに答えた。
そして、二人は微笑み合い、またいつものように日常に戻っていった。ギャグと笑いの絶えない日々が、これからも続くことを誓いながら。