二次創作小説(新・総合)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【fgo二次創作】終わりなき道の先に
- 日時: 2025/01/11 13:49
- 名前: きのこ (ID: T332fYOA)
- 参照: kakiko.info/profiles/index.cgi?no
エピローグ
都立カルデア学園。今日、ここで一つの歴史が終わろうとしていた。
四月の冷たい風がキャンパスを包み込み、桜の花が一斉に舞い落ちる。外はまだ少し肌寒いが、心の中は温かさで満ちている。それは、彼らが長い年月を共に過ごしてきた証であり、別れの時が近づいているという実感からでもあった。
「先輩、卒業式の準備は整いましたか?」
マシュ・キリエライトが、少し照れたように微笑みながら声をかけてきた。彼女の頬を染める桜の花びらが、あまりにも美しい。その姿に、藤丸立香(男)は少し心を奪われる。
「うん、もうすぐだよ。今日が最後の日だから、少し寂しいけど。」
立香は、目を細めながら言葉を続ける。その声には、確かに別れの時が迫っていることを感じさせるものがあった。
学園生活を共に過ごし、数々の冒険を共に乗り越えてきた仲間たち。ヴェディヴィエール、アルトリア・ペンドラゴン、オルガマリー・アニムスフィア。そして、何よりも大切な存在であるマシュ。立香は、この卒業式の日に全てを終わらせることができるのだろうか。
その時、ふと振り返ると、アルトリアが静かに立っていた。彼女は、学園の制服を着ているが、その威厳のある姿勢は変わらない。
「立香、あなたの力を借りたことで、私は多くのことを学びました。」
「そんな、俺だってアルトリアから学ぶことが多かったよ。」
立香は微笑んで応える。言葉にしなくても、二人の間に流れる絆は、何よりも深いものだった。
「卒業後、どんな道を歩んでも、私たちの絆は変わりません。ずっと忘れませんよ。」
ヴェディヴィエールが、そう言って立香の肩に手を置いた。その眼差しは、言葉にできない感情を伝えているようだった。
そして、オルガマリーが一歩前に出ると、しっかりとした声で言った。
「卒業後もカルデアに何かあれば、また戻ってくることができますから。お世話になりました。」
オルガマリーの言葉には、いつもと違う温かさと優しさが込められていた。彼女の瞳には、立香への感謝とともに、少しだけ涙が光っていた。
第1章
卒業式が近づく中、校内は何とも言えない静けさに包まれていた。普段は賑やかな廊下や教室も、今は空っぽのように感じられる。立香は、卒業式のリハーサルを終えて、少しの間、校庭で一人佇んでいた。
「先輩、少しお話ししませんか?」
そこに、マシュがやってきた。彼女は少し悩んだような表情を浮かべていたが、それでもその声は明るく響いた。
「話か…。もちろん。」
立香はマシュに微笑みかけ、校庭のベンチに腰掛けた。マシュも隣に座り、少しだけ間が空いた後、口を開いた。
「先輩、卒業してからはどうするつもりですか?」
「うーん、それはまだ決めてないけど…。多分、カルデアでの仕事を続けることになるんだろうな。」
立香は少し考えてから答えた。それに対し、マシュはふっとため息をつく。
「私も…。卒業したら、どんな道を選べばいいのか、少し不安です。でも、先輩がいてくれたから、何とかなる気がします。」
「マシュ…。お前ならきっと大丈夫だよ。」
立香は優しく彼女の肩を叩く。その言葉は、彼女を励ますためではなく、本心からのものだった。マシュは微笑みながらも、その瞳に少し涙を浮かべていた。
「先輩…。卒業したら、きっと会えなくなりますよね。」
「そんなことない。いつだって会えるし、連絡も取れるし。卒業が終わりじゃないよ。」
立香は、涙をこらえているマシュを見て、その胸が痛むのを感じた。彼女との別れが怖いわけではない。しかし、これからも一緒に過ごせることが当たり前だと思っていた自分に、急にその現実が迫ってきたからだ。
「それでも、やっぱり寂しいですね。」
マシュはぽつりと言った。その言葉に、立香は何も答えられなかった。ただ、心の中で「ありがとう」とだけ思うのだった。
第2章
卒業式当日、都立カルデア学園の校舎は賑やかで、どこか華やかな雰囲気に包まれていた。みんなが揃って式が始まるのを待つ中、藤丸立香(男)は一人で校門前に立っていた。
「先輩、お待たせしました。」
ふと振り向くと、マシュ・キリエライトが微笑みながらやってきた。彼女の制服の上には、今日のために特別に仕立てられた花の飾りがつけられていて、その姿はまるで夢の中のようだった。
「いや、待たせてごめん、マシュ。」
立香は照れくさそうに言ったが、すぐにその表情を隠すように、遠くを見つめる。マシュがこうして横にいるのが、もう少しで終わると思うと、どうしても寂しい気持ちが募った。
「いえ、先輩。今日は一緒に卒業式を迎えられて、本当に嬉しいです。」
マシュは立香の隣に並ぶと、少しだけ足を速めて式場に向かい始めた。立香もその背中を見つめながら歩き出す。
校舎内では、卒業生たちが集まって最後の準備をしている。ところが、立香が教室に足を踏み入れると、何かが違った。
「遅れてごめん!」
その声を聞いた瞬間、立香は目を見開いた。振り返ると、そこには藤丸立香(女)が慌てて走りながら入ってきた。彼女は、制服の襟を整えながら、大きな笑顔で立香を見つめる。
「立香(女)、遅いよ!」
立香(男)は驚きと同時に、少し安堵の気持ちを抱いていた。彼女が無事に間に合ったことが嬉しくて、自然と笑顔がこぼれる。
「ごめん、ちょっと準備が長引いちゃって。みんなもう始まるのかな?」
「うん、もうみんな集まってるよ。」
立香(男)はそのまま教室の中に歩み寄り、彼女の隣に並んだ。立香(女)は少し気まずそうに手で髪をかき上げながら、周囲の仲間たちに一礼した。
「立香、無事に来てよかったね。」
マシュが微笑みかけると、立香(女)は照れくさそうに笑いながら答えた。
「ありがとう、マシュ。あなたも、こんなに素敵な格好して。」
その言葉に、マシュは顔を赤らめて少し背を丸めた。立香(女)は彼女の反応を見て、さらに優しい気持ちが湧いてくるのを感じた。
「それじゃあ、みんな揃ったところで、卒業式を始めるわよ。」
オルガマリー・アニムスフィアが、式の進行を告げる声を上げた。その声には、まるで引き締まるような力がこもっていた。皆の視線が一斉に彼女に集まり、そして式は始まった。
式の始まり
式が進んでいく中、立香(男)は何度も周りを見渡しながら、心の中で別れの時を実感していた。ここまで共に歩んできた仲間たち、ヴェディヴィエール、アルトリア・ペンドラゴン、そしてオルガマリー。全員がそれぞれの心で今日の式を迎えている。
「先輩。」
マシュが、静かな声で彼に呼びかけてきた。
「うん?」
立香(男)は振り返ると、マシュが彼をじっと見つめていた。その瞳には何か言いたいことがあるようだったが、すぐに口を開くことができなかった。
「先輩、卒業したら何をしますか?」
その質問は、少しだけ遠い未来を見据えたような意味を持っていた。立香(男)は少しだけ考えてから、静かに答えた。
「それは、まだ決めてないけど…。おそらく、カルデアでの仕事を続けると思う。でも、何か違うことを始めるかもしれない。」
マシュはその言葉に少し考え込んだ後、優しく微笑んだ。
「私も、まだ決められないんです。でも、先輩と一緒にいることができたことは、とても幸せでした。」
その言葉に立香(男)は胸が熱くなる。今までの思い出が一気に蘇ってきて、言葉では伝えきれない感情が湧き上がってきた。
「マシュ…。ありがとう。」
卒業証書授与
式が進み、ついに卒業証書授与の時が来た。立香(男)と立香(女)は、それぞれの名前が呼ばれると、壇上に上がって卒業証書を受け取った。
「藤丸立香。」
立香(男)の名前が呼ばれると、彼は少し緊張しながら壇上に歩み出た。彼の名前が呼ばれるたびに、周りからは拍手が沸き上がり、その音が心に響いた。
「藤丸立香。」
次に呼ばれたのは、立香(女)の名前だった。彼女もまた、恥ずかしそうに微笑みながら壇上に上がる。周囲の仲間たちが歓声を上げる中、二人は並んで卒業証書を受け取った。
「おめでとう、立香。」
立香(男)は立香(女)に静かに祝福の言葉をかけた。立香(女)は少し照れたように微笑み返す。
「ありがとう、先輩。」
その言葉に、立香(男)の心が温かくなる。ここから新たな一歩を踏み出す瞬間、二人の絆がますます強く感じられる。
卒業式の終わり
卒業式が終わり、外の桜の花が舞い散る中、立香(男)と立香(女)は、仲間たちと最後の記念写真を撮ることになった。その瞬間、ヴェディヴィエールが静かに言った。
「私たちは、これでお別れですか?」
その問いに、立香(男)は答えることができず、ただ静かに頷くことしかできなかった。しかし、心の中では強く決意を抱えていた。
「別れじゃない、必ずまた会おう。」
立香(男)は心の中で、誓った。そして、みんなが笑顔を交わしながら写真を撮るその瞬間、未来が続いていくことを感じていた。
終わりに
卒業式の日。立香(男)は、確かに新たな未来に向かって歩き出した。そして、マシュや立香(女)、ヴェディヴィエール、アルトリアたちと共に過ごした日々を心に刻みながら、これからも続いていく冒険を信じて、また新たな一歩を踏み出すのだった。
- Re: 【fgo二次創作】終わりなき道の先に ( No.1 )
- 日時: 2025/01/11 14:05
- 名前: きのこ (ID: T332fYOA)
- 参照: kakiko.info/profiles/index.cgi?no
終章
卒業から数か月が経った。都立カルデア学園を卒業した後、立香(男)は新たな生活を始め、カルデアでの業務に戻った。毎日が忙しく、仲間たちとは直接会う機会も減っていたが、それでも心の中で彼らとの絆は常に感じていた。
立香(女)は、別の道を選んだ。彼女もカルデアでの任務を続けることに決めたが、より多くの経験を積むため、研究の道へと進むことを決心した。彼女と立香(男)は、互いに異なる道を歩みながらも、心の中で常に繋がっていることを確信していた。
しかし、次第に立香(男)は不安を感じるようになっていた。彼女が遠くに行ってしまったこと、そして彼女が自分にとってどれほど大切な存在であるかに気づき始めたのだ。
ある日、立香(男)はふと思い立ち、彼女に連絡を取ろうと決心する。
一通の手紙
その日、立香(男)はいつものようにオフィスに座って書類を整理していたが、どうしても心が落ち着かなかった。目の前の仕事は進んでいるものの、頭の中には彼女のことが渦巻いている。
「立香(女)、元気でいるだろうか?」
立香(男)はふと手を止め、窓の外を見つめた。桜の花がまだ残っているこの時期、カルデアの庭園がふんわりと色づいている。その景色を見ていると、立香(女)の笑顔を思い出すのだ。
「やっぱり、あの時にもっと素直に気持ちを伝えていればよかった。」
立香(男)は自分の中で言葉を繰り返し、思いを巡らせた。そして、決意が固まった。自分の気持ちを、今、彼女に伝えよう。
その夜、立香(男)は手紙を書き始めた。
「立香(女)へ、
卒業してから、時間が経ったな。カルデアでの仕事が忙しく、なかなか会うこともないが、立香(女)のことをずっと考えていることを伝えたく、この手紙を書いてる。
立香(女)がカルデアで新しい道を歩み始めたことを嬉しく思ってます。でも、正直、立香(女)がどれほど大切な存在か、今改めて実感していた。これまで共に過ごしてきた日々が、私にとってかけがえのない宝物だと感じていたんだ。
卒業式の日、君と一緒に過ごせて本当に幸せだった。それでも、今は立香(女)がどこか遠くに行った気がして、少し寂しい気持ちがある。でも、私はきみが選んだ道を全力で応援しています。
もし、立香(女)が何かに悩んでるなら、いつでも連絡をください。これからも、ボクたちの絆は変わらないと思ってます。どんなに時間が経っても、立香(女)のことを大切に思ってます。
立香(男)より」
予期せぬ再会
手紙を送った翌日、立香(男)は少し心が落ち着いていた。しかし、その日、予期せぬ出来事が起こった。
オフィスに届いた一通の封筒。立香(男)はその手紙を受け取ると、すぐに中身を確認した。
「立香(男)へ、
元気でいる?
君の手紙、しっかり読ませてもらったよ。
実は私も、立香(男)に同じような気持ちを抱いていたのです。卒業してから、お互い忙しくなって、会うことは少なくなっちゃったけど、私はいつも君を思い出してるよ。
私はカルデアで研究を続けてるけど、どこかで君の存在を感じながら歩んでることを実感してるんだ。
私がどれだけ立香(男)に感謝してるか、言葉では言い表せないけれど。
私も、立香(男)が大切な存在であることを、改めて感じているよ。
それでは、また会える日を楽しみにしてまーす。
立香(女)より」
その手紙を読んだ瞬間、立香(男)は心の中で何かが弾けるような感覚を覚えた。彼女も自分を大切に思っている。その事実だけで、すべてが報われた気がした。
そして、立香(男)はすぐに彼女に会いに行く決心を固めた。
再会の場所
数日後、立香(男)はカルデア学園を訪れた。卒業後も学園は彼にとって、何か特別な場所であった。そこには、立香(女)も研究のために通っていることを聞いていた。
校舎に入ると、懐かしい景色が広がっていた。立香(男)はそのまま足を進め、学園内のカフェに向かう。
「…先輩!」
突然、彼を呼ぶ声がした。振り向くと、そこにはマシュが立っていた。
「マシュ、どうしてここに?」
立香(男)が驚いた声をあげると、マシュは少し照れくさそうに笑って言った。
「立香(女)さんが、先輩に会いたいって言ってましたよ。」
その言葉に、立香(男)は心の中で歓喜の声を上げた。
立香(女)との再会
立香(男)は、カフェのテラスに座って待っていた。しばらくして、立香(女)がゆっくりと歩いてきた。
「立香(女)、久しぶりだな。」
立香(男)は静かに立ち上がり、彼女を迎え入れる。
立香(女)は少し照れたように微笑んだが、その瞳には明確な決意が見えていた。
「…来てくれると思ってた。」
立香(男)はその言葉に胸が熱くなる。彼女と再び顔を合わせることができたこと、そしてお互いが変わらず大切に思っていることを実感した。
「もう、何も遠慮しなくていい。これからも、ずっと一緒に歩んでいこう。」
立香(男)の言葉に、立香(女)は静かに頷いた。そして、二人はしばらくの間、言葉を交わさずにその場で過ごした。桜の花が再び舞い散り、彼らの心に新たな希望が芽生えるのを感じていた。
結び
時間が過ぎても、立香(男)と立香(女)の絆は変わらなかった。別々の道を歩んでいた二人が再び交わり、共に歩む未来を誓い合ったその瞬間、彼らの心には新たな絆が深く刻まれていた。
そして、カルデアの仲間たちとの再会、別れ、そして成長。彼らの物語は、今も続いていくのだった。
Page:1