二次創作小説(新・総合)
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- 【fgo二次創作】試練の先にあるもの
- 日時: 2025/01/11 14:08
- 名前: きのこ (ID: T332fYOA)
- 参照: kakiko.info/profiles/index.cgi?no
エピローグ
カルデアの研究所の一角。突然、目の前に現れた「謎の現象」がすべてを変えてしまった。
「先輩、どうしてこんなことに……」
男体化したマシュは、目の前に立つ藤丸立香(男体化後)を不安そうに見つめる。その姿は、少し小柄だが可愛らしい印象を与える。身体的には男性らしいものの、どこか少年らしさを残している。マシュの顔は、普段の真面目さを残しつつも、どこか恥ずかしげに赤く染まっていた。
立香は男体化した姿で、長身でスラっとしたイケメンに変わっていた。普段の落ち着きはそのままだが、どこか異世界のヒーローのような雰囲気を漂わせている。彼は少し照れながらも、マシュの困惑した姿を見て苦笑する。
「俺もなんでこんなことに……」
立香は呆れたように肩をすくめて言った。「でも、マシュがこんな風になるなんて、予想外すぎるだろ。」
マシュは先輩に対して丁寧に答える。「そうですね……正直、どうしてこうなったのか理解できません。でも、先輩と一緒なら、きっとなんとかなると思います。」
立香はその言葉を受けて、少し意外そうに見つめる。「お、俺と一緒ならって……?」
マシュは恥ずかしそうに目を伏せた。「はい……お二人がいれば、どんな困難も乗り越えられると思ってますから。」
立香は思わず少しドキッとし、顔をそらした。「いや、今は本当にどうしようもないけどな。」
その時、二人の前に現れたのは、あの神の使いだった。
「お前たち、男体化したことで少しは楽しめたか?」
立香とマシュは目を見張る。この神の使いが語りかける言葉には、どこか遊び心と挑戦的な響きがあった。
「楽しんでるも何も、俺たちはどうすれば元に戻れるのかを考えてるんだ。」
立香は少し冷静に言った。
「そうですね。」
マシュも同意して答える。
すると、その使いはニヤリと笑って言った。「面白い……それじゃあ、試しにもう少し男体化を楽しんでみるのはどうだ?」
第一章
カルデアの研究室。普段の喧騒とは違って、今は静かな空気が漂っていた。しかし、そこにいる二人はまったくもって静かなわけではなかった。
「先輩、これ……」
マシュ(男体化)は、手にした資料を立香に差し出す。資料には「性別転換エネルギー反応」なる文字が書かれており、彼の顔は見慣れない文字列に悩まされていた。
立香はその資料を受け取り、眉をひそめた。「これ、まさか……」
「もしかしたら、これが原因かもしれません。」
マシュは不安そうに答えた。その姿には、少し慌てた様子も見て取れた。
立香は思わず笑ってしまった。「でも、マシュって、男体化してもなんだか可愛いんだな。」
彼は意外にも、マシュが男になった姿に驚きつつも、どこか愛嬌を感じていた。
マシュは赤くなりながらも丁寧に答える。「そ、そうですか……先輩にそう言われると、ちょっと恥ずかしいです。」
その後、二人は研究室の機器を調べ始めたが、突如として異常が発生する。
「えっ?」
立香は機器から聞こえる異音に驚き、急いでその方向を見る。
「先輩、何かおかしいですよ!」
マシュもすぐに警戒し、機器が故障した場所に近づいた。
すると、機器の前に落ちてきた書類を手に取ると、そこには「性別転換エネルギー反応」と書かれていた。
「これ、やっぱり……何かが変だな。」
立香は書類を眺めつつ、眉をひそめた。
その時、突然研究室の空気が冷たくなり、どこからか声が聞こえてきた。「お前たち、どうしてこんな面白いことに巻き込まれてしまったんだ?」
二人は一斉に振り向き、その声の正体を確認した。そこに現れたのは、見たこともない大きな影だった。
「私は、この状況を引き起こした者だ。」
その声が響くと、二人は身震いしながらもその人物を見つめた。
- Re: 【fgo二次創作】試練の先にあるもの ( No.1 )
- 日時: 2025/01/11 15:21
- 名前: きのこ (ID: T332fYOA)
- 参照: kakiko.info/profiles/index.cgi?no
第二章
研究室の空気が一瞬で凍りついた。立香とマシュは、目の前に現れた謎の影に気圧されながらも、その正体を探るべく警戒を強めた。
「だ、誰だ……!」
立香は冷静を保ちながらも、声を震わせて尋ねた。その足元が少しずつ引き寄せられるような感覚に襲われていることを感じ取っていた。
影から現れたのは、意外にも女性だった。だが、その姿にはどこか異常なほどの威圧感が漂っていた。身長は立香よりも少し高く、体型は細身ながらも力強さを感じさせる。黒いローブに覆われたその姿の中に、赤い瞳が不敵に光っている。
「あなたが、私たちをこんな目に遭わせたのか?」
立香が一歩前に出て、しっかりとその女性を見据える。彼の新しい姿は、以前の彼とは別人のように見えるが、その芯の強さは変わらない。
女性は笑みを浮かべながら、言った。「そう。私が、この面白い状況を作り出したのだ。」
その声は、どこか楽しそうで、挑戦的でもあった。
「一体何が目的だ……?」
立香が鋭く問い詰める。
女性は目を細めて立香を見つめ、その目の奥に何かを読み取ろうとしているようだった。そして、静かに答えた。「目的?それは、君たちが気づくべきことだ。」
彼女は歩み寄ると、二人の目の前で立ち止まった。そのまま、手をかざすと、空気がひときわ冷たくなった。
「お前たち、性別が逆転したことに、もう少し楽しんでみたくはないか?」
その言葉に、立香は眉をひそめ、冷や汗をかいた。「何を言ってる……?」
「君たちは、ただの事故だと思っているだろう。しかし、これは試練だ。試すのだ、君たちが本当にどれだけ、相手の性別を越えて理解し合えるのかを。」
その女性はさらに不敵に微笑んだ。「もしできるなら、元に戻してやろう。」
立香はその言葉に目を見開いた。元に戻す?それが本当の目的なのか?だが、その問いがすぐに解けるわけではない。彼は無意識にマシュの方を見た。
マシュは少し不安げに目を伏せ、声を低くして答えた。「それは……少し難しそうですね、先輩。私たちの関係は、どんなに頑張っても、性別だけでは理解できないことがたくさんありますから。」
立香はその言葉に頷いた。確かに、性別が逆転しても、二人の間に築き上げた絆や信頼関係は変わらない。しかし、女性の言う「試練」を乗り越えるためには、もっと深い部分でお互いを理解しなければならないのだろうか。
「うーん、マシュが言う通りだな。」
立香は苦笑いを浮かべながら言った。だが、その表情には少しの不安も混じっていた。「試練か……まさか、こんな形で試されるとは思わなかったよ。」
すると、女性が一歩踏み出し、手を振った。「試練は簡単だ。君たち二人で協力し合えば、すぐに終わる。だが、もし君たちが失敗すれば、元に戻すことはできなくなる。」
立香はその言葉に少し考え込み、そしてマシュを見つめた。マシュもまた、立香に視線を合わせた。
「失敗しないように頑張りましょう、先輩。」
マシュは少し勇気を出して言った。その瞳には、確かな決意が宿っていた。
立香はにっこりと微笑んだ。「うん、頑張ろうな、マシュ。」
それを聞いた女性は、ニヤリと笑った。「ふふ、いいコンビだ。それでは、試練を始めようか。」
女性が手を掲げると、突然、研究室内の空気が一変した。風が吹き荒れ、周囲の設備が揺れ始める。そして、その瞬間、立香とマシュの足元に異常なエネルギーが渦巻き始めた。
「な、何だ!?」
立香が声を上げると、同時にマシュも足元を見つめた。周囲のエネルギーが急速に二人を巻き込み、次第にその身体が重くなり、視界がぼやけてきた。
「先輩、気をつけて!」
マシュの声がかすかに聞こえる。だが、立香はその声を感じながらも、どこか不安を抱えたまま意識が遠のいていくのを感じていた。
そして、二人の目の前に現れたのは――
「ふふふ……」
その声は、再び女性のものだったが、どこか不穏で、さらに力強くなっているようだった。
第三章
立香とマシュは、意識が薄れていくのを感じながらも、必死にその状態を抗おうとしていた。だが、周囲の空間はますます歪み、目の前の光景が一層不明瞭になっていく。体の力が抜け、まるで自分がどこか異次元へ引き込まれていくような感覚が広がっていた。
「先輩…!」
マシュの声が、遠くで聞こえる。だが、その声すらも次第にかき消され、目の前の世界が完全に白く染まった。
その瞬間、二人は全く別の場所に立っていた。
「ここは…?」
立香は、自分がどこにいるのか理解できず、周囲を見回した。彼の目の前には、まるで幻想的な場所が広がっている。暗い夜空が広がり、無数の星々が瞬いている。だが、その星々は異常に近く、まるで手を伸ばせば触れられそうな距離に感じられた。
「ここは…異次元?」
立香は少し戸惑いながら、周囲を歩きながら考える。そして、横にいるマシュに視線を向けた。
マシュもまた、驚きの表情を浮かべていた。男体化した姿が、いっそう奇妙に映る場所で、どこか幻想的な雰囲気を漂わせている。以前の真面目で誠実な姿とは少し違って、どこか少年らしさが残ったその姿が、逆にこの場に溶け込んでいるように見えた。
「先輩、どうしてここに…?」
マシュは困惑しながらも、立香を見つめる。その顔に浮かぶ表情は、どこか柔らかく、少し照れたようなものだった。
立香はその様子に微笑んで答えた。「わからない。でも、きっとこれが試練なんだろうな。あの女性が言っていた通り、僕たち二人で何かを試すんだろう。」
その時、異次元の空間に響くように、再び女性の声が響いた。
「よくわかったようだな。では、試練を始めよう。」
立香とマシュは、一斉にその声に向かって振り返った。目の前に現れたのは、先程の女性だ。だが、彼女の姿は異常に大きく、周囲の空間を支配しているかのように見えた。
「どういうことだ?」
立香が少し警戒しながら尋ねる。
女性はにっこりと笑って答える。「君たちが最初に試すべきこと。それは、『性別を越えて』お互いを理解し合うことだ。」
その言葉に、立香とマシュは同時に顔を見合わせた。
「性別を越えて?」
マシュが小さくつぶやく。
「そうだ。君たち、今は互いに男の姿だが、これがどれだけ違和感なく感じるか試してみるといい。お前たちがどれだけ変化を楽しめるか、あるいは自分の限界を感じるか。それが試練だ。」
女性の声は、まるで何かを楽しんでいるかのように響く。
立香は少し考え込み、そしてマシュを見つめた。「つまり、僕たちはお互いに対して、性別を越えて何かを感じるべきだってことか?」
マシュは困ったように目を伏せた。「先輩、それって…どういう意味ですか?」
「簡単に言えば、性別が変わったことで僕たちの関係も変わるかもしれない。試してみろ、って言われているんだ。」
立香は少し顔を赤らめながら言った。
マシュは少し黙り込んで考え込む。しかし、すぐに顔を上げ、しっかりと立香を見つめた。「先輩、それでも私は先輩と一緒にいられれば、それでいいんです。」
その言葉に、立香は驚きながらも心が温かくなるのを感じた。そして、彼はふっと笑みをこぼしながら言った。「それなら、頑張ってみよう。試練でもなんでも、やってみる価値はあるよな。」
女性は二人のやり取りを見守りながら、にやりと笑った。「ふふ、いい答えだ。それでは、試練を開始しようか。」
その言葉とともに、周囲の空間が変化を始めた。突然、立香とマシュの周囲に無数の光が現れ、二人の身体を包み込んだ。立香は目を閉じ、身を引き締めながらその光の中に身を置いた。
「これが…試練?」
立香は心の中でつぶやく。だが、すぐにその光が収束し、周囲の景色が再び変わった。
「これは…?」
立香とマシュは目を見張った。目の前に現れたのは、見慣れたカルデアの一室だった。しかし、何かが違う。二人は、無意識のうちに手を取り合っていた。
「えっ、これって…?」
マシュが驚いて立香の顔を見つめる。
立香もそのことに気づき、思わず手を引いた。「あれ?なんで、僕たち…」
その時、女性の声が再び響いた。「これは、君たちの『心のつながり』を試すものだ。お前たちがいかにお互いを理解し、信頼し合っているか。それを感じてみなさい。」
立香は少し思案し、そして自分の手がマシュの手を握っていることを改めて感じた。それは、違和感のあることではなく、むしろ自然に感じられた。
「先輩…」
マシュは静かに、でも確かな声で言った。「私たち、きっと元に戻ることができると思います。」
立香はその言葉に、まっすぐに頷いた。「うん、マシュ。僕たちは、どんな形でも一緒にいられる。性別だって、関係ない。」
その瞬間、周囲の空間が再び光り輝き、二人の体は強く引き寄せられた。そして、女性の声が最後に響いた。
「ふふ、いい答えだ。それでは、試練をクリアしたと認めよう。君たちが一緒にいることで、どんな困難でも乗り越えられることが証明されたのだ。」
立香とマシュは、その瞬間に不思議な安心感を感じた。だが、それと同時に、目の前に現れた光景が変わり始めた。
- Re: 【fgo二次創作】試練の先にあるもの ( No.2 )
- 日時: 2025/01/11 16:12
- 名前: きのこ (ID: T332fYOA)
- 参照: kakiko.info/profiles/index.cgi?no
プロローグ
二人は、異次元の空間から戻り、再びカルデアの研究室に立っていた。目の前には、先ほどの女性の姿もなく、研究室の静けさが広がっている。
「ふう…やっと戻ったか。」
立香は肩を大きくすくめ、深呼吸をした。その瞬間、彼の体に流れていた奇妙な圧迫感が一気に解けたような気がして、安心感が広がった。
「先輩…私たち、無事に戻ってきたんですね。」
マシュも同様に、安堵の表情を浮かべながら立香の隣に立つ。
立香は少し照れくさそうに笑った。「ああ、なんとか戻れたみたいだな。でも、あの試練は正直驚いたよ。お前と一緒だからこそ、乗り越えられた気がする。」
マシュは少し顔を赤らめ、視線を外した。「私もです。先輩と一緒なら、どんなことでも乗り越えられる気がします。」
彼女は小さく微笑んだ。その笑顔には、二人の絆が深まった証が感じられた。
「……さて。」
立香が少し考え込みながら、ふっと言った。「結局、あの女性が言っていた『性別を越えて理解し合う』ってことが、試練の本質だったんだな。」
マシュは頷きながら答えた。「はい。私たちが互いに理解し、信頼し合っていることを証明できたからこそ、試練を乗り越えられたのだと思います。」
立香はそれを聞き、少し照れくさそうに笑った。「まあ、俺たち、普段からそれなりに信頼し合ってると思うけどな。でも、こうして改めて確認できたのは、いい経験だったな。」
マシュは立香を見つめ、その瞳に温かい光を宿らせた。「先輩…」
立香はその視線に気づき、少し目を伏せた。「うん、まあ、そうだな。」
その瞬間、研究室の扉が開き、そこに現れたのは、カルデアのスタッフたちだった。皆、一様に驚いた表情を浮かべながら、立香とマシュを見つめる。
「藤丸さん、マシュ…戻ってきたんですね!」
スタッフの一人が声をかけてきた。
立香はにっこりと微笑みながら答える。「ああ、なんとか無事に戻ってきたよ。」
マシュも少し照れくさそうに答えた。「はい、試練を無事にクリアして、元に戻りました。」
スタッフたちは、驚きと安心の入り混じった表情で二人を見守っていた。だが、その中でも一番興味深そうにしていたのは、カルデアの所長であるマシュの上司だった。
「ふむ、どうやら無事に終わったようだな。」
所長は、冷静な表情を浮かべていたが、その目の奥に少しだけ笑みが見えた。「君たち、かなりの試練を乗り越えたようだな。」
立香は少し驚きながら答えた。「ええ、でも、最初は本当にどうなるかと思いました。性別が逆転した時は、全く予想もしていませんでしたし。」
所長は軽く笑いながら、「それはお前たちが、どれだけ真剣に向き合っているかを試すための試練だったんだ。結果として、お前たち二人の絆が確かなものだということが証明されたんだろう。」
その言葉には、所長なりの安心感が感じられた。
「そうか。」
立香は微笑みながら答える。「それなら、安心だな。」
マシュもその言葉に頷き、穏やかな笑顔を浮かべた。「私たち、やっぱり一緒にいることで強くなれるんですね。」
その言葉には、彼女自身の成長と確信が込められていた。
その後、試練を乗り越えた二人は、改めてカルデアの仲間たちと共に過ごすこととなった。もちろん、元に戻ったとはいえ、二人の絆は以前にも増して強固なものになり、その後の冒険や戦いにおいても、お互いを支え合い、成長し続けることとなった。
そして、少し後になって、立香とマシュは改めて試練の意味を振り返ることになる。
数週間後、カルデアの廊下を歩いていた立香は、ふと足を止め、窓の外を見つめた。その目に映るのは、カルデアの広大な敷地と、遠くに広がる空だった。
「先輩、どうしたんですか?」
その声に振り返ると、マシュが心配そうに立香を見つめていた。
「いや、ちょっと考え事をしてただけさ。」
立香は少し微笑みながら答えた。「あの試練、最初は本当に訳がわからなかったけど、今になって思うと、色んな意味で意味があったんだな。」
マシュはその言葉を聞き、少し照れくさそうに笑った。「私も、性別が変わったこと自体は驚きでしたけど、あの時のことを考えると、むしろ大切なことを学んだ気がします。」
立香はしばらく沈黙していたが、やがて頷いた。「うん、俺もそう思う。お前と一緒なら、どんな試練でも乗り越えられる。だから、これからもよろしくな。」
マシュは少し驚いたように目を見開き、それからゆっくりと微笑んだ。「もちろんです、先輩。私も、先輩と一緒に頑張ります。」
その言葉を聞いた立香は、少し照れくさそうに笑った。「ありがとう、マシュ。じゃあ、また明日から、また一緒に頑張ろうな。」
二人は並んで歩きながら、どこまでも広がる未来へと進んでいった。
【完】
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