二次創作小説(新・総合)

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【月姫二次創作】百合と魔術と、日常の冒険
日時: 2025/02/11 18:44
名前: きのこ (ID: cHp/tugs)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

プロローグ

ある日突然、俺は自分の体が女性になっていることに気づいた。

まさかの事態に、慌てて鏡の前に立った俺は、そこに映る自分の姿に愕然とした。

高身長で、長い髪がふわりと肩にかかっている。

顔立ちは整っていて、どこか美人だと感じるが、それよりも驚いたのは胸の膨らみだった。

俺が男の時には絶対に感じることのなかった感触が、今は当たり前のようにそこにあった。

「……はぁ?」

頭を抱えたくなる気持ちを押し殺し、俺はもう一度鏡を覗き込む。

確かに、これは俺の顔だ。俺の体だ。だけど、明らかに女性の姿になっている。

これは一体、どういうことなんだ?

その時、ドアをノックする音がした。

「兄さん、何してるの?」聞き覚えのある、秋葉の声。

俺は咄嗟に隠れるように身を引き、鏡の前から離れる。その瞬間、秋葉が部屋に入ってきた。

「兄さん、そんなに長く鏡を見るなんて、どうしたの?」

「いや、ちょっと……」

そう言いながら、俺は秋葉に振り向く。何気ない顔で俺を見つめるその視線。

まさか、秋葉は俺がこんな姿をしていることに気づいていないのだろうか?

だが、すぐに答えが出る。

「……何、その姿?」

秋葉が言った。

俺は心の中で叫びながら、鏡の前に立つ自分を見つめる。

どうやら、俺が変わったことに気づいたらしい。

「……これ、どうしてこうなったんだ?」

「そ、それは、ちょっとした……魔術の実験でね。」

そこで、ドアが開き、シエルが入ってきた。どうやら、シエル先輩も一緒にいるらしい。

「どうしたんです、遠野くん?」

シエル先輩は静かな声で言った。

その姿を見た瞬間、俺は唖然とした。

「……シエル先輩、もしかして?」

「ええ、少し前に実験をしていたら、こうなって...」

「は?」

「ただし、問題はありません。この姿も一時的なものですので。」

シエル先輩の落ち着き払った答えに、俺は頭がついていけなかった。

そして、俺の頭の中で突然、明るい声が響く。

「おーい、志貴、いるー?」その声に、俺は思わず目を丸くする。

「あ、アルクェイド?」

「うん、私だよ! どうしたの?」

その元気な声に、俺は思わず心が少し和んだが、それでも状況が状況だ。

「どうして、アルクェイドが?」

「え、だって、志貴が女になったって聞いて、ちょっと見に来ちゃった!」

そこに現れたのは、元気いっぱいなアルクェイドだった。

「お前、どうしてそんなに明るいんだよ……」

「だってさ、面白いじゃん! 志貴が女の子になるなんて、ちょっと想像してなかったよ!」

「本当に、お前って奴は……」

俺は呆れて、肩を落とすしかなかった。


第一章

それから数日が経ち、俺は完全に女性の姿で生活していた。

最初は鏡の前で唸りながら、変化に耐えていたが、次第に周りの反応に慣れていった。

「兄さん、今日も元気ですか?」

秋葉がそんなことを言ってきた日もあったが、さすがに慣れてきた。

それにしても、シエル先輩とアルクェイドの反応が面白い。

「志貴、さっきのはどうして?」

シエル先輩が聞いてきた。

「え、何が?」

「昨日、カレーを食べ過ぎて、少し調子が悪かったんじゃないですか?」

「あぁ、それね。まぁ、少し食べ過ぎたけど、そんなに気にすることじゃないよ。」

シエル先輩は少し笑いながら、カレーを作ってくれる。

「でも、志貴が女性になったのはやっぱり気になるわね。」

「それはもう、どうにもならないんだから、気にしないで。」

俺がそう言うと、シエル先輩は真剣な顔で言った。

「本当にこれで大丈夫なんですか?」

「大丈夫、たぶん。」

シエル先輩は少しだけため息をついて、カレーを盛り付けてくれた。

その時、アルクェイドがやってきて、俺の顔を見る。

「ねぇ、志貴、どうしてそんなに真面目に話してるの?」

「うるさい。」俺は答える。

「だって、面白いじゃん! 志貴がこんなに美人になったんだよ!」

「美人じゃない!」

俺は思わず叫んでしまう。

「お前なぁ……」

アルクェイドはお構いなしに、俺の肩を軽く叩いた。

「それにしても、こうやって見てると、志貴って意外と女の子らしいよね。」

「意外ってなんだよ……」

「だって、いつも冷静にしてるけど、実はすごくおっとりしてるところもあるし!」

「うるさいって。」

そんなやりとりをしているうちに、俺は少しだけ自分の体が変わったことを受け入れていった。

それでも、まだ心の中で何か引っかかるものがあった。

「でも、これからどうすればいいんだろうなぁ……」

心の中で呟きながら、俺はカレーを一口食べた。

「それは私も気になります、志貴くん。」

シエル先輩が言う。

「でも、あまり深刻に考える必要はないと思います。」

「そうですね……」

その時、ふとアルクェイドが言った。

「でも、志貴が女の子になったってことは、これからいろんなことが起きそうだね!」

「……それが一番怖い。」

俺は心の中で呟きながら、再びカレーを食べるのだった。

Re: 【fgo二次創作】百合と魔術と、日常の冒険 ( No.1 )
日時: 2025/02/11 18:01
名前: きのこ (ID: foi8YFR4)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

第二章

その日も俺はいつものように起きて、鏡を見た。

高身長、そして美しい顔立ち。胸は少し大きすぎて、正直なところ気になる。

だが、どうしてこんなことになったのかは未だにわからない。魔術の実験のせいだと言われても、いまいち納得できない。

「朝ごはん、できました!」

秋葉の声が俺の部屋まで届く。俺は寝巻きを整えて、部屋を出た。

「おはようございます、兄さん。」

「おはよう、秋葉。」

朝から爽やかな笑顔で俺を迎える秋葉に、少しだけ胸が痛む。

妹にこんな姿を見せるのが辛いが、しょうがない。

リビングに入ると、シエル先輩とアルクェイドがすでにテーブルに座っている。

「おはよう、志貴!」

「おはよう、シエル先輩...アルクェイド。」

俺は無理に明るく振る舞おうとして言うが、アルクェイドはニヤニヤしながら俺を見ている。

「やっぱりさ、志貴が女の子って、なんか変な感じだよね。」

「うるさいな、アルク。」

俺は顔を赤くしながら座った。食事を取りながら、ふとシエル先輩が言った。

「そういえば、遠野くん。最近、女子力がアップしたんじゃない?」

「女子力? 俺にそんなものが……」

俺は反論しようとしたが、シエル先輩はクスリと笑って言った。

「だって、髪の毛がすごくきれいになったし、化粧品とか使ってます?」

「使ってねぇよ。」

「でも、肌もすごく綺麗よね。」

「俺、元々男だったからな。」

「それでも、こうなると女子力って大事だなって思うわ。」

アルクも合いの手を入れてきた。

「たまにはお化粧とかしてみたら?」

「化粧!?」俺は思わず目を大きく開けた。

「だって、ほら、美人だし。せっかくだから、女子力上げてみたら?」

「お前、どんだけ俺を女として見てるんだよ……」

「だって、ちょっとしたことでも美しくなれるんだよ?」

それに対してシエル先輩が真顔で言う。

「でも、無理にしなくても大丈夫ですよ。遠野くんがどうしようと、私たちは変わりません。」

シエル先輩の言葉に少しだけホッとしたが、アルクは笑いながら言った。

「じゃあ、今日はちょっと試してみようよ、志貴!」

「何をだよ?」

「お化粧を!」

「う、うるさい!」

俺は必死で拒否しようとしたが、アルクとシエル先輩がどこかから化粧道具を取り出し、俺の周りに座り込んでしまった。

「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」

その後、俺はなんだかんだでアルクの手のひらで、化粧される羽目になった。

何か新しい自分に目覚めてしまいそうな予感がしたが、心の中で必死に拒否していた。


第三章

午後、俺と秋葉は散歩に出かけることになった。

別に、誰かに言われたわけではないが、家の中でゴロゴロしているのも気が引ける。

「兄さん、歩きながらいろいろ話したいことがあります。」

秋葉は少し恥ずかしそうに言ってきた。

「うん、なんだ?」

「その……兄さんが女性になったことで、少し気になることがあります。」

「気になること?」

「うん……どうしてそうなったのか、私、少し気になってるんです。」

俺はちょっと驚き、歩みを止めた。秋葉がそんなことを気にするなんて思っていなかった。

「ごめん、秋葉。心配かけるつもりはなかったんだ。」

「それはわかってるけど、もし兄さんが女性になった理由を知って、どうしても助けたいって思ったから。」

秋葉が真剣な顔をして言う。

「でも、俺もわからないんだ。どうしてこうなったのか。」

その時、突然背後から声が聞こえた。

「おーい、志貴!」

振り向くと、アルクェイドが明るい笑顔で駆け寄ってきた。

「アルクェイド?」

「何やってんの? 一緒に歩こうよ!」

「あ、うん。」

俺たちは少し遅れてアルクの後に続いて歩き始めた。

その時、シエル先輩も現れ、三人でしばらく散歩を楽しんだ。

「ねぇ、志貴、秋葉、今日はどこに行こうか?」

「特に決めてないけど、散歩だけだし。」

「じゃあ、あの公園に行こう!」

「え? あそこ?」

「うん! ちょっとだけ休んで、日向ぼっこでもしようよ!」

アルクの元気な提案に、俺たちはそのまま公園に向かうことにした。

しばらく歩くと、そこで奇妙な事件が起こることになった。


第四章

公園に到着し、ベンチに腰を下ろすと、アルクが急に立ち上がり、周囲を見回した。

「ちょっと待て!」

「どうした?」

「誰かが……なんか怪しい。」

アルクが指差す先に目を向けると、そこにいたのは見覚えのある人物だった。

「お前……!」

「いや、いや、まさかこんなところで会うとは思わなかったわ。」

その人物は、シエル先輩と少しだけ面識があったが、俺には少し不安な印象を与える人物だった。

その後、事態は思いがけない方向に進展し、俺たちは知らぬ間に新たな問題に巻き込まれることになる…。


第五章

その後の展開は予想外に早かった。

その人物――実は、魔術関連のトラブルを引き起こす原因となっていた。

あっという間に事件に巻き込まれてしまい、俺たちはその問題に立ち向かうことに。

「ちょっと、こんな展開ありかよ!」

俺は叫びながらも、シエル先輩とアルクが協力して問題を解決しようとするのを見て、少しだけ安心した。

「大丈夫ですよ、遠野くん。私たちがついてますから。」

シエル先輩のその言葉に、少しだけ気持ちが楽になった。

アルクも笑いながら言った。

「だって、志貴が女の子になったのは、私たちが守ってあげるためでしょ!」

それが真実かどうかはわからないが、少なくとも俺は今、確かに彼女たちと一緒にいる。

そして、物語はまだ続いていく――

Re: 【fgo二次創作】百合と魔術と、日常の冒険 ( No.2 )
日時: 2025/02/11 18:05
名前: きのこ (ID: foi8YFR4)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

第六章

あの日から、俺たちの生活は少しずつ変わり始めた。

あの奇妙な事件をきっかけに、何かと魔術的なトラブルに巻き込まれることが増えた。

しかし、俺たちの絆は深まり、毎日の生活の中で笑顔が増えていった。

特に、アルクとシエル先輩は、俺の変化を面白がりながらも、優しく支えてくれていた。

秋葉も、最初は心配していたが、だんだんと俺の女性化を受け入れてくれるようになった。

「兄さん、今日は何かやりたいことはあるんですか?」

秋葉が俺に尋ねてきた。

「うーん、特には……」

「じゃあ、私と一緒に料理をしませんか?」

「料理?」

「そ、その、うん、今日は兄さんと一緒に料理したい気分なんです。」

秋葉は嬉しそうに言うと、キッチンに向かって歩き出した。

俺も軽く頷いて、後に続く。キッチンに入ると、すでに食材が並んでいる。

「今日はカレーを作ろうと思って。」

「カレーか……シエル先輩のカレーも美味しいけど、秋葉のも楽しみだな。」

「ありがとどざいます、兄さん。」

秋葉が笑いながら、料理を始める。その横で、アルクが入ってきて、

「ねぇ、志貴、シエルさんがカレーの隠し味を教えてくれたって聞いたけど、どう思う?」

「隠し味?」

「うん! きっと、それがカレーの味をもっと引き立てるんだよ!」

「俺にはちょっと分からないけど……」

アルクが楽しそうに話しているのを見て、思わず笑ってしまった。

俺が元々男だったせいか、料理には全く自信がない。

だが、今日は秋葉と一緒に作るという楽しさもあり、心地よく感じる。

「兄さん、手伝ってくれる?」

「もちろん。」

秋葉と協力してカレーを作りながら、俺たちはどんどん親しくなっていった。

やっぱり、こうして普通に過ごす時間が一番幸せだと思える瞬間だった。

その日の夜、食事を終えた後、みんなでリビングに集まった。

「美味しかったよ、秋葉。」

「ありがとう、兄さん!」

アルクもシエル先輩も満足そうに食事を終え、みんなでリラックスした時間を過ごす。

たまにはこういう普通の時間が、どれだけ大切かを感じる瞬間だった。


第七章

その日、アルクが突然提案してきた。

「今日はみんなでお風呂に入らない?」

「お風呂?」

俺は少し驚きながら、アルクを見た。

「うん! だって、せっかくだし、みんなでゆっくりしたいじゃん。」

アルクがにっこりと笑う。

その表情に、俺は少しだけ気恥ずかしさを感じたが、シエル先輩がうなずく。

「そうですね、たまにはリラックスしてお湯に浸かるのもいいかもしれません。」

秋葉も少し照れながら言った。

「私も……そうですね。兄さん、今日は一緒に入りますか?」

「え、ちょっと、待ってくれ……!」

「何言ってるのよ、志貴。みんなで入ろうよ!」

アルクが明るく言いながら、部屋の隅で準備を始める。

どうやら、みんなでお風呂に入るのが「日常」として定着しているらしい。

俺は何となく動揺しながらも、他の二人を見てみると、シエル先輩は特に気にせず、もう湯船に足を入れていた。

「志貴、早く入りなさいよ。」

アルクが手招きしてきたが、俺は少し遠慮しようと思った。

「な、何か、恥ずかしいって……」

「何を言ってるの? ほら、私たちは何も気にしないから!」

「そ、そうだよ! だって、もう兄さんが女の子なんだから、問題ないでしょ?」

秋葉の言葉に、少しだけ安心してしまった。

確かに、もう俺は女性の姿なんだし、そんなに気にすることはないのかもしれない。

それに、シエル先輩が笑いながら言う。

「志貴、リラックスしなさい。普段は忙しいから、たまにはこうやって休むのも大切です。」

その言葉に後押しされ、俺はついにお風呂に入る決意を固めた。

「分かった、じゃあ入るよ。」

湯船に浸かると、すぐに温かさが体を包み込む。ああ、これは確かに心地良い。

みんなもリラックスしているようで、和やかな雰囲気が漂う。

「やっぱりお風呂はいいね。」

アルクが顔をうずめるように湯に浸かりながら言う。

「うん、たまにはこうやってみんなで入るのもいいわね。」

シエル先輩も微笑んでいる。

秋葉も顔を赤くしながら、少し恥ずかしそうに言った。

「うーん、少し恥ずかしいけど、みんなと一緒だと楽しいな。」

「本当に、いつもありがとうな、みんな。」

俺は心の中でそう呟き、湯の温もりに身を任せた。

その夜、みんなでお風呂に入った後は、リビングでお茶を飲みながらおしゃべりをしたり、軽くゲームをしたりと、平和な時間が流れた。

「兄さん、今日は楽しかったですか?」

秋葉が嬉しそうに聞いてきた。

「うん、すごく楽しかった。」

こうして、日常の一コマ一コマが、俺にとってかけがえのないものになっていった。


第八章

その後も、俺たちの日常は続いていった。

魔術的な問題が起こることもあったが、俺たちが力を合わせれば、どんな困難も乗り越えられると思った。

ある日、シエル先輩が俺に言った。

「志貴、これからどうしていくつもり?」

「どうしていくつもりって……」

「女性になったことを受け入れた上で、どうするつもりなのかしら?」

その問いに、俺は少し考えた。

「正直、まだ分からない。けど、今はみんなと一緒に過ごすことが大事だと思う。」

「それが一番大切なことだと思うわ。」

シエル先輩は微笑んで言った。

「そうだな、今はこの日常を大切にしたい。」

「そうね。私たちがいれば、どんな困難も乗り越えられるわ。」

アルクも笑いながら言う。

「うん! みんなで一緒にいれば、絶対に大丈夫だよ!」

俺はその言葉に、少しだけ安心した。そして、これからもみんなと共に過ごすことを心に決めた。

俺たちの冒険はまだまだ続く。

Re: 【fgo二次創作】百合と魔術と、日常の冒険 ( No.3 )
日時: 2025/02/11 18:42
名前: きのこ (ID: cHp/tugs)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

第九章

その日、町に突如として現れた異変に気付いたのは、アルクからの電話だった。

「志貴! ちょっと大変なことになってる! すぐに来て!」

電話の向こうで慌てた様子のアルクの声が響く。

すぐに、俺は部屋を飛び出し、秋葉に告げて家を飛び出した。

「待ってろ、すぐに行く!」

街を駆け抜け、アルクとシエル先輩の元へ向かう。

途中、慌てた顔をしている住人がいくつか見受けられ、事態の重大さを感じ取った。

公園の広場に着くと、すでにアルクとシエル先輩が現場を見守っている。

「志貴、遅かったね。見てみて。」

アルクが指を差した先に目を向けると、空を覆うように巨大な魔術陣が浮かんでいた。

何かがここから動き出す兆しだ。異様な力が感じられ、俺はすぐにその魔力が危険だと感じ取った。

「これは……何?」

シエル先輩が冷静に言う。

「どうやら、魔術の異常反応によって、異次元からの扉が開かれているみたいです。これを放っておくと、この町が危険にさらされる。」

「異次元から……?」俺は言葉を失った。

異次元の存在が現れるなんて、まさに想像を絶する事態だ。

「どうする、シエル?」

アルクが問いかける。

「まずは、この魔術陣を封じる方法を探さなければいけません。遠野くん、あなたも手伝って。」

俺は深呼吸をして、シエル先輩の指示に従った。

魔術陣の中心に立ち、集中して力を込める。

しかし、魔力が不安定で、まるで引き寄せられるような感じがする。

「くっ……!」力を込めても魔術陣は少しも揺らがない。

背後で、アルクが何かを言おうとした瞬間、突然その魔術陣から黒い霧が溢れ出し、俺たちに迫る。

「やばい!」

アルクが叫び、すぐにシエル先輩と共に魔術で霧を弾き飛ばそうとする。

しかし、霧の中から不気味な目がこちらを見ていた。

「なんだ、あれ?」

「異次元の存在です。気をつけて!」

シエル先輩の警告が耳に響いた。その瞬間、目の前に現れたのは、巨大な怪物だった。

その体は黒く、うねるように動いている。

目は金色に輝き、何とも言えない不気味な気配を放っている。

「くっ……!」

俺は覚悟を決め、魔力を集中させてその存在に立ち向かう。

「遠野くん、下がって!」

シエル先輩が俺を守るように前に出たが、アルクも無駄にすることなく戦いを挑んだ。

「俺がやらなきゃいけないんだよ!」

その言葉と共に、俺も力を込めて魔術を発動させる。

次第に周囲の空気が変わり、異次元の存在に抵抗できる力を引き出すことができた。

「これで……!」

アルクとシエル先輩の協力で、ようやく異次元の怪物は封じ込められ、魔術陣は消え去った。

しかし、俺はその後のことに思いを馳せる。

「やっぱり、俺には……っ」

「そんなことない。みんなが力を合わせれば、必ず乗り越えられます。」

シエル先輩が優しく言ったその言葉が、俺の胸に深く響いた。

「でも、やっぱり俺にはまだ足りないんだ。」

「誰もが最初から完璧なわけじゃないわ。大切なのは、諦めずに前に進むことよ。」

その言葉を胸に、俺はこれからも仲間たちと共に進む覚悟を決めた。


エピローグ

あれから数ヶ月が経ち、異次元の怪物との戦いも俺たちの力で乗り越えた。

しかし、俺の心の中にはまだ不安があった。

女性になったことに対しての戸惑い、そして本当にこれでいいのかという迷い。

だが、毎日の中で少しずつそれを受け入れ、仲間たちと共に過ごすことで、俺はその迷いを乗り越えつつあった。

ある日の夕暮れ、俺は秋葉と一緒に散歩していた。

「兄さん、最近元気になったね。」

「うん、少しずつね。」

秋葉の言葉に、思わず笑顔を浮かべる。

「でも、これからも色々あると思う。魔術のことも、私たちのことも、きっと。」

「そうだな。でも、みんなと一緒なら、何でも乗り越えられる気がする。」

「うん。私も一緒だから。」

秋葉はしっかりと俺の手を握った。

その時、ふと背後から声がかかった。

「おい、志貴!」

振り返ると、アルクとシエル先輩が楽しそうに歩いてきた。

「みんなで、今日も遊びに行こうよ!」

アルクが明るく言うと、シエル先輩も微笑んだ。

「はい、今日は一緒に外に出かけましょう。」

「うん! 行こう、みんな!」

俺はみんなの手を取るようにして、歩き出す。

まだ見ぬ未来がどんなものかは分からない。

でも、みんなと一緒にいれば、どんな試練も乗り越えられると信じている。


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