二次創作小説(新・総合)
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- 【fgo二次創作】繋がる星の軌跡
- 日時: 2025/02/16 13:02
- 名前: きのこ (ID: sB2BNYQJ)
プロローグ
時の流れが止まらないことに、藤丸立香は気づいていた。
立香は、サーヴァントたちとともに数々の戦いを繰り広げ、多くの仲間たちを失い、そして再び出会ってきた。
それはただの「運命」の繰り返しではなかった。
彼の中で積み重なった思い出の数々が、今も胸を締めつける。
彼の心は、過去に縛られているようだった。
目の前に立つ仲間の顔を見ても、その背後に隠れている「失われたもの」に対する想いが消えなかった。
生きるためには、前を向かなければならないと分かっていても、時折彼の心は深い闇に飲み込まれそうになる。
だが、そんな中で、立香はある約束を守り続けてきた。
それは、失われた者たちを無駄にしないこと、そして彼が歩んでいる道を決して後悔しないこと。
第一章
藤丸立香が新たな戦場へ赴いたのは、かつて大切な人を失った場所だった。
その地に降り立った瞬間、かすかな風の匂いとともに、懐かしい記憶が甦る。
「君のことを、絶対に忘れない」その言葉が、立香の胸を締めつける。
しかし、もう君はここにはいない。
その事実が、どうしても彼を前に進ませてくれなかった。
戦いの中で出会った新たな仲間たち、そして過去の仲間たちの面影が、立香にとっては一層の苦しみとなった。
だが、そんな中で立香を支えてくれる者がいた。
サーヴァントたちの言葉、戦いの中で見せる仲間たちの微笑みが、次第に彼の心の隙間を埋めていく。
その中で彼は気づく、過去の痛みが彼を成長させてくれていたこと、そして今はもう、その痛みを抱えながらも、歩き続けることしかできないのだと。
第二章
戦いの最中、立香はある決断を下す。
それは、自分一人の力で全てを解決しようとすることをやめることだった。
自分の弱さを認め、仲間たちとともに進んでいくことこそが、今の自分にできる最善の方法だと感じていた。
しかし、その決断は思いもよらぬ試練をもたらす。
仲間がまた一人、また一人と失われていくのだ。
立香はその度に、自分の無力さを痛感し、心の中で叫びながらも、また一歩前へ進んでいく。
その時、過去の自分と向き合わせられる。
「君がいなければ、今の僕はいなかった」と、失った仲間の顔が次々と浮かんでくる。
その一つ一つが、立香にとって大切なものだった。
「失った分だけ、僕は強くなる」そう思いながらも、立香の心はどこかであきらめていた。
過去に何を失っても、もう二度と戻らない。それは絶対にわかっていることだから。
第三章
ついに訪れた最終決戦。立香は、これまでの全ての経験を胸に、最後の戦いに臨む。
その戦いの中で、彼は何度も死線を越え、ついに自分の内にあった恐怖を乗り越える。
だが、その先に待っていたのは、「最愛の人」の最後の決断だった。
立香は、再びその人を失うこととなる。しかし、それをもって立香は「生きること」を選ぶ。
「君が消えていく前に、僕は君を守りたかった。でも、それでもいいんだ。君の記憶を胸に、僕は生きていく」
その言葉が最後の力となり、立香はついに全てを終わらせることができる。
しかし、心の中で確かなものが残る。
彼が守ったもの、彼が歩んだ道、そのすべてが確かに自分のものとして残り、立香はその歩みを誇りに思った。
エピローグ
星が降る夜、立香は一人空を見上げる。
彼の心には、もう迷いはなかった。
失った者たちのことは、永遠に心の中で輝き続ける。
だが、それだけでは足りない。彼は今、前を向き、新たな物語を歩み始めるのだ。
「過去を大切にしながら、これからも生きていく」
星空の下、立香はそっと目を閉じた。
どんなに辛いことがあっても、彼は進み続ける。何度でも、何度でも、きっと。