二次創作小説(新・総合)

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【月姫二次創作】メガネは直せても、直死は直せない
日時: 2025/02/16 22:13
名前: きのこ (ID: /83Dbcyn)



ある日の午後、志貴はいつものようにアルクェイドと町を歩いていた。

「ねぇ志貴、今日は映画に行かない?」

「……まぁ、いいけど。何を見るんだ?」

「ホラー映画! 吸血鬼が出てくるやつ!」

アルクェイドが満面の笑みでそう言うのを見て、志貴はこめかみを押さえた。

「……自虐趣味か?」

「違うよ、吸血鬼がどう描かれてるのか興味あるだけ!」

「まぁ、いいけど……」

そう言いながら、志貴は眼鏡をクイッと直した。その時――

「ん? あっ!」

突然、アルクェイドがなぜか後ろにいた猫を避けようとしてバランスを崩した。そして、手を伸ばした先にあったのは――

「え?」志貴の顔。

「わっ!?」バキッ。

アルクェイドの手が志貴の眼鏡を直撃し、眼鏡は無惨にも砕け散った。

沈黙。

「……あ。」

「……おい。」

志貴がそっと眼鏡の残骸を拾い上げ、恐る恐るアルクェイドを見る。

「……えーと、ごめん?」

「謝ればいいってもんじゃない!!」

眼鏡が壊れたことで、志貴の視界には「死の線」がくっきりと見え始める。

なんとか冷静を保とうとするが、アルクェイドの顔にも線が見えるし、周りの人々も線だらけ。

「うわぁぁぁぁ!! 余計なものが見えるぅぅぅ!!」

「ちょ、ちょっと落ち着いて!」

「落ち着けるか!!」

慌てふためく志貴をよそに、アルクェイドは「んー」と考え込む。

「えーと、こういうのって直せばいいんだよね?」

「どうやって!?」

アルクェイドはにこっと笑い、両手を掲げた。

バシュッ!

次の瞬間、アルクェイドの手の中には完璧な新品の眼鏡が。

「……おお?」

「どう? これでいい?」

志貴は恐る恐るそれを受け取り、かけてみる。

「……よし、死の線は見えない。」

「よかった!」ひと安心する志貴。だが、その直後。

「……ん?」

何かがおかしい。

視界が妙にキラキラしている。さらに、アルクェイドを見た瞬間。

「志貴ぃ~、私のこと好きぃ~?」

「……は?」アルクェイドが光り輝いて見えた。

まるで理想の美少女がエフェクト付きで存在しているような光景。

「これ……変な補正かかってないか?」

「え? そんなことないよ! ほら、志貴が私のこと可愛いって思う気持ちをちょっとだけ補強してみただけ!」

「お前、それ補強どころか洗脳だろ!!」

「えへへ~、志貴、どう? 私って可愛い?」

「……もうこの眼鏡、外していいか?」

「ダメ!!」

こうして、志貴はしばらく「アルクェイド補正付き眼鏡」をつけ続ける羽目になった。


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