二次創作小説(新・総合)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【fate二次創作】お茶と恋と魔術の話
- 日時: 2025/02/21 22:18
- 名前: きのこ (ID: ovLely7v)
遠坂凛は、ちょっとしたきっかけでシエル、黒桐鮮花、久遠寺有珠を自宅に招き、女子会を開くことにした。
普段は忙しい日々を過ごしているため、こうした時間は貴重だった。
「それにしても、士郎ったら本当にもう…」
凛は不満げに言いながら、お茶を注ぎ足す。
「あいつ、気が利かないというか、男らしさが全然足りないのよね。」
シエルが微笑みながら
「それでも、どうしてか彼のことが気になるんですよね?」と指摘すると、凛は軽く顔を赤らめて「そんなことない!」と否定した。
黒桐鮮花は、彼女らの会話を静かに聞きながら、自分のコーヒーカップを持つ手を軽く震わせていた。
「…あー、うちの兄が好きだなんて、なんか私、納得できないのよね。」
彼女は冷たく言ったが、その目には微かな嫉妬が見えた。
シエルはその言葉を受けて、「兄妹の関係って、やっぱり難しいですよね」と優しく言った。
鮮花は顔を赤くして、ついには「別に、そんなことないし!」と反論したが、心の奥ではしっかりと認めていた。
有珠は無言で、ただ目の前のチョコレートをじっと見つめていた。
彼女は恋愛にはあまり興味がないように見えたが、その口元は少しだけ緩んでいるようだった。
「でもさ、シエルのほうが…絶対恋愛とか興味なさそうですよね。」
黒桐鮮花は、突然、シエルに向かってからかうように言った。
シエルはにっこりと微笑んだ。
「まあ、私が『恋愛』ってどういうものなのか、ちょっと分からないだけです。でも、遠野くんと一緒にいると、何だか心が落ち着くから不思議なものです。」
「遠野って、あの遠野志貴?」凛は少し驚きながらも、話題がシエルの想い人であることに興味津々だった。
「あの人、ちょっと冷たそうだけど、何か秘めたものがあるのかしら?」
シエルは少し恥ずかしそうに頬を染めた。「秘密です。今のところはね。」
有珠が急に静かに話を切り出す。
「私は、あまり恋愛に関わるのは好きじゃない。魔術に集中することが大事。」
その冷徹な一言に、みんなが少し沈黙した。
鮮花は小さな声で
「でも、人間らしさって、そういう部分にもあるんじゃない?」と呟いた。
女子会は、やがて本題に入った。
日常の悩みや愚痴が飛び交う中、凛がついに本音を漏らす。
「最近、自分の気持ちが整理できなくて…士郎とどうしても上手くいかなくて。」
シエルは優しく「彼とちゃんと向き合うべきですよ。自分の気持ちに正直になることが一番大事です」と言った。
鮮花も頷きながら、「私は、お兄ちゃんにどうしても自分を見せたくて。女性として見てもらうために色々工夫しているのに、いつも式に負ける。だから、どうしたらいいのか分からないの。」と心の葛藤を吐露した。
有珠は静かに目を閉じ、「私は、もう感情に流されないようにしている。」とだけ言った。
彼女の言葉には何とも言えない強さが感じられた。
最後に、凛はため息をついて、「どうしようもないわね、私たち」と言ったが、笑顔が戻った。
「でも、皆でこうやって話していると、なんだか少し楽になった気がする。恋愛とか魔術とか、全部一緒に乗り越えていけばいいのよ。」
シエルは軽く頷き、「そうね、私たち、強い女たちなんだから。」と微笑んだ。
鮮花も思わず笑って、「そうね、次はどんなことを話そうか。」と肩をすくめた。
有珠は静かに一言、「次は魔術の話をしよう。」と言った。
それぞれの悩みや恋愛観、そして魔術師としての生き方。
みんなの心は少しだけ、前に進んだ気がした。