二次創作小説(新・総合)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

【fate二次創作】グレイとライネスの書庫奮闘記
日時: 2025/02/22 12:19
名前: きのこ (ID: ovLely7v)


時計塔の書庫、広大な書類の山が積み上がる中、グレイとライネスは慌ただしく書類整理をしていた。

「…これは…どうしてこうも山のように積まれているのでしょうか、師匠…」

グレイは小さなため息をつき、灰色のフードを目深にかぶりながらも書類の束を一枚一枚丁寧に整理しているが、次々に混乱した書類が紛れていく。

「ふん、我が兄はまた無駄に書類ばかり溜め込んで…」

ライネスは机の上に散乱する書類を嫌々片付ける。

その顔には軽い不満が漂っているが、彼女はつい書類の一部を勢いよく引っ張り出してしまう。

「ちょ、ライネスさん、それは…!」

グレイの叫び声を無視して、ライネスはさらに書類を乱雑に動かし続ける。

しばらくしてから、何かを発見したように手を止める。

「ん? これは…冥界の魔術に関する書類か?」

ライネスが手にした書類の一枚には、明らかに冥界の魔術と書かれている文字が印刷されていた。

彼女は無表情のまま、それを眺める。

「ああ、それは本当に重要なものです…確か、師匠が言っていたような…」

その時、グレイが手にした別の書類に目をやると、それはどう見てもお菓子のレシピのようだ。

「これは…ちょっと! どうしてこんなレシピの書類が紛れているんですか!」

グレイは手にしたお菓子のレシピ書類を見つめる。

そこにはチョコレートケーキやクッキーの作り方が詳細に書かれている。

「待て、じゃあ魔術書類…それとお菓子のレシピ…まさか、混ざったのか!?」

ライネスが手元の書類を交互に見つめ、眉をひそめる。

「まさか…こんなことが起こるなんて。冥界の魔術の書類とケーキのレシピが、どうしてこんなに似ているんですか…」

グレイは困惑して頭を抱えながらも、誤って混ざってしまった書類を整理しようと必死に動く。

「…まあ、これが魔術の世界だからといって、そんなことは許されると思わない。どうすればいいんだ、この書類たち…?」

ライネスもまた悩みつつ、レシピ書を見ながら呟く。

「師匠が来る前に整理しなければ…」

グレイはさらに焦り始め、書類を早く整理しようと必死に手を動かす。

その時、静かな足音が響いた。

「…何をしているんだ、お前たち。」

エルメロイ二世は、眉間にしわを寄せながらも、書庫に足を踏み入れた。

彼の目が書類の山に停まり、ライネスとグレイの表情を見て、さらに目を細める。

「あっ、師匠! これは…その、ちょっとした手違いで…」

グレイは焦って手に持った書類を隠しながら、エルメロイ二世に説明しようとするが、言葉がうまく出てこない。

「……ふふ、お兄さま、どうするんだい? お菓子の魔術が完成する前に、冥界に突入する羽目にならないといいけど。」

ライネスが冷ややかな笑みを浮かべると、エルメロイ二世は表情を一切変えず、書類を手に取る。

「…冥界の魔術と、お菓子のレシピ? お前ら、真剣に魔術の研究をしているわけではないようだな。」

エルメロイ二世は書類をもう一度見て、ゆっくりと考え込む。

そして、目の前の二人に向かって淡々と告げる。

「…ケーキの魔術でも、冥界を動かすのには十分な力を持っているかもしれんが、少しだけ集中力を持って整理してくれ。」

エルメロイ二世は頭を振りながら、書類を整理するように指示する。

「すみません…師匠。」

グレイはあたふた書類を整理し直し、ライネスも何とか書類を元に戻し始める。

「…本当に魔術師のくせに、こんなにおかしなことをするとは思わなかった。」

ライネスが呆れ顔でつぶやくと、エルメロイ二世は軽くため息をつき、書庫から出て行った。

「…うう、また怒られてしまいました…」グレイは顔を伏せながら、もう一度整理を始める。


小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。