二次創作小説(新・総合)
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- 【fgo二次創作】皇女は掃除がお得意?
- 日時: 2025/02/22 19:29
- 名前: きのこ (ID: ovLely7v)
「カドック、そこ、ホコリが溜まっているわよ」
アナスタシアが掃除機を抱えながら、ソファの後ろを指差す。
「分かってる……けど、そこは手が届きにくいんだよな」
カドックは渋々、しゃがみ込んで手を伸ばした。
指先にふわりとしたホコリがまとわりつき、顔をしかめる。
「まあ、よくここまで散らかしたものね」
「仕方ないだろ。最近忙しかったし……それに、君だって片付ける気なかったじゃないか」
「私は皇女ですもの。細かい掃除は向いていないのよ」
そう言いながらも、アナスタシアは器用に掃除機を扱っていた。
ロシアの皇女が掃除機を手にする光景は何ともシュールだが、カドックはもう慣れてしまっている。
「……にしても、これで部屋が綺麗になるなら、悪くはないな」
「当然よ。清潔な部屋で過ごす方が、気分も良いでしょう?」
アナスタシアが優雅に微笑む。
彼女の手際は思った以上に良く、床のカーペットは埃ひとつない状態だった。
「それにしても、カドック。もう少し片付け上手になったらどう?」
「……耳が痛い」
カドックはため息をつきながら、床に散らばっていた雑誌をまとめる。
異聞帯の支配者だった頃はこんなことをする必要もなかったが、今は違う。
彼は、少しだけ肩をすくめる。
「君がやってくれるなら楽なんだけどな」
「あら? それはどういう意味で言っているのかしら?」
「いやいや!そういう意味じゃない!」
アナスタシアはカドックをにらみながら掃除機を手に持った。
「ま、こうして一緒に掃除するのも悪くないか」
ぼそっと呟いたその言葉に、アナスタシアは目を丸くしたが、すぐに微笑んだ。
「ええ、悪くないかしら」 静かに、けれど心地よい時間が流れていった。