二次創作小説(新・総合)

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【fate二次創作】エルメロイ教室の双璧は今日も平和です
日時: 2025/02/23 11:59
名前: きのこ (ID: ovLely7v)



魔術師とは、常識を知ったうえでそれを踏みにじる存在である。  

エルメロイ教室の双璧、フラット・エスカルドスとスヴィン・グラシュエートもまた、その例に漏れない。

「やあ、ル・シアン君!今日も毛並みがツヤツヤだね!」

そう言って、朝の教室に颯爽と現れたフラットは、金髪の巻き毛を一糸まとわず撫で回そうとする勢いでスヴィンへと手を伸ばした。

「お前は毎日毎日、俺を何だと思っている!」

スヴィンは即座にその手を叩き落とす。

が、フラットは気にする様子もなく、むしろ楽しそうに笑った。

「だってル・シアンだし!」

「やめろ! 何度言えばわかる!」

「そもそも、君の魔術って獣性に近いでしょ? つまり、犬で合ってるよね?」

「違う!」毎度のことである。

エルメロイ教室の誰もが見慣れた光景。

フラットが天真爛漫にスヴィンを挑発し、スヴィンが真剣に怒る。

しかし、互いに本気で嫌っているわけではないのが、二人の奇妙な関係性だ。

「はあ……お前のせいで、朝から疲れた」

スヴィンがため息をつきながら椅子に腰掛ける。

フラットはそんな彼の隣の席に座り、満面の笑みを浮かべた。

「でもさ、ル・シアン君。俺たち、結構いいコンビだと思わない?」

「思わん!」

「おかしいなぁ。昨日の実習でも、僕が魔術で敵の動きを封じて、君が速攻で仕留めたじゃん? 最高のコンビネーションだったよね?」

「だからといって、気軽に触るな!」

「えー? そんなこと言って、本当は僕のこと好きなんでしょ?」

「殺すぞ!」スヴィンの顔が真っ赤になった。

怒りか、それとも別の何かか。

そんな彼を見て、フラットは大満足とばかりにニヤニヤと笑う。

「……はっ、まさか本当に俺が好きだとでも?」

「うーん、好きっていうか、大好き?」

「お前っ!!」

こうして、今日もエルメロイ教室に、騒がしくもどこか楽しげな喧嘩が響き渡るのだった。

彼らがまだ、自分たちの関係を真剣に考えるには、もう少しだけ時間がかかる。

それでも、教室の片隅で騒ぎ続ける二人を見ていると、不思議と誰もが微笑ましい気持ちになるのだった。

「今日も元気だな、お前たち」

「これが日常ですね」

そう言いながら、また新たな言い争いが始まる。

──エルメロイ教室の双璧は、今日も変わらず元気である。