二次創作小説(新・総合)
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- 【月姫二次創作】志貴と都古のゲーセン日和
- 日時: 2025/02/23 14:32
- 名前: きのこ (ID: ovLely7v)
遠野志貴は、ふとした拍子に昔の生活を思い出し、有間都古をゲーセンに誘うことにした。
遠野家に戻って以来、都古とはなかなか会う機会がなく、時折手紙のやりとりをするくらいだったが、たまには顔を合わせるのも悪くない。
「お兄ちゃん、ゲーセンって何?」
待ち合わせ場所の駅前で合流すると、都古は首を傾げながら尋ねてきた。
「簡単に言うと、ゲームが遊べる場所かな。格闘ゲームとか、音楽ゲームとか、いろいろあるよ。」
「ふーん……よく分かんないけど、お兄ちゃんが行くなら都古も行く!」
元気いっぱいに頷く都古の姿を見て、志貴は懐かしさを覚える。
少しぎこちないが、相変わらずの懐き方だ。
ゲーセンに到着すると、店内は賑わっていた。
派手な電子音が響き渡り、プレイヤーたちの熱気が漂っている。
「うわっ、すごい! これがゲーセンかぁ!」
都古の目が輝く。
特に格闘ゲームのコーナーには興味津々の様子だった。
「お兄ちゃん、これやろう!」
指さしたのは、王道の格闘ゲームだった。
志貴は苦笑しつつも、コインを投入する。
「……あれ? 都古ちゃん、格闘ゲームやったことあるの?」
「えへへ、初めてだけど、八極拳の使い手として負けるわけにはいかない!」
どこからくるのか分からない自信に満ちた宣言。
志貴は「まぁ、子供相手だし」と少し手加減するつもりでいた。
しかし――
「お兄ちゃん、弱い! もっと本気でやらないとダメだよ!」
目の前の画面では、都古のキャラクターが華麗にコンボを決め、志貴のキャラを画面端に追い込んでいる。
「う、嘘だろ……?」
「えへへ、都古、なんか分かってきたかも!」
志貴は冷や汗をかきながら、ゲームを続ける。
都古の格闘センスは伊達ではなかった。
その後、音楽ゲームやクレーンゲームにも挑戦した。
志貴は都古にぬいぐるみを取ってあげようとしたが、意外にも都古の方が上手く、逆に志貴のために猫のぬいぐるみを取ってくれた。
「お兄ちゃん、これ、お守り代わりに持ってて!」
「……ありがとう。」
久々に妹分との時間を過ごし、志貴は少し昔の穏やかな日々を思い出した。
「また一緒に行こうね。」
「約束だよ、お兄ちゃん!」
都古の満面の笑みに、志貴も自然と微笑みを浮かべた。