二次創作小説(新・総合)

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【fgo二次創作】カルデアの廊下で泣いた日
日時: 2025/02/23 17:55
名前: きのこ (ID: ovLely7v)

ある日、カルデアの広い廊下を歩いていた藤丸立香は、何気ない日常の一部として、いつものように元気よく歩いていた。

金色の瞳がキラキラと輝き、オレンジがかった赤毛のセミショートが揺れるたび、周囲に少し注目が集まる。

左側に結んだサイドテールと、ちょこんと立つアホ毛が彼女の特徴だ。

「ふぁ〜、今日は何しようかな〜」

立香は軽く伸びをしながら、顔をほころばせていた。

元気に歩いているものの、彼女の周りには何となく穏やかな空気が流れている。

それが立香の魅力の一つだろう。

だが、その日、奇妙なことが起きた。

――スカッ――

何かの拍子で、立香の足元がよろけた。

彼女はちょっとした段差を見逃していたらしく、無防備に足を取られ、そのまま転んでしまった。

「わわわっ!」

立香は、慌てて手をつこうとしたが、間に合わず、勢いよく地面にダンッと体をぶつけた。

一瞬の静寂が流れ、次の瞬間、立香はその場に横たわりながら大きな声で「うわぁぁぁぁ!!!」と叫んだ。

「いたたたたた……!」立香はそのまま、顔をしかめて目に涙を浮かべた。

自分でも予想外の転び方だったのか、しばらくその場で体勢を整えることができなかった。

そして、もらい泣きのように涙がポロポロと溢れ、彼女は何もかもが恥ずかしくなってきた。

「痛いし恥ずかしいし……、なんでこんなことになっちゃうんだよぉ!」

立香は無意識に頭を抱えて、さらに涙をこぼし始めた。

あまりの情けなさに、彼女の顔はますます赤くなっていく。

しかし、その涙が何だか止まらない。

転んだことが、どうしても恥ずかしくて、涙がどんどん流れた。

その様子を見ていた他のカルデアの職員たちは、立香の普段の元気さと対照的な姿に少し驚き、慌てて駆け寄ってきた。

「藤丸さん、大丈夫ですか!?」「すごい勢いで転んでましたね……!」

その声に、立香は少し恥ずかしさを感じながらも、涙を拭いもせずに、顔を真っ赤にして「うるさい! もう大丈夫なんだから!」とムキになって言い返した。

ただ、どうしても涙が止まらなかった。

それでも、周りが心配してくれることに、少し温かい気持ちが広がった。

「これからは気をつけます……」立香は顔を真っ赤にしながらも、少しだけおとなしくなり、手を差し伸べてくれる誰かに頼ることを決めた。

その場でしばらく涙を流しながらも、すぐにいつもの元気な立香に戻った。

痛みはまだあったが、すぐに立ち上がり、「よし、これで元気にまた歩けるぞ!」と叫んで、足を引きずりながらも笑顔を見せた。

「見ててよ! 私、転んだだけじゃ負けないんだからね!」

そう言いながら、元気いっぱいに歩き出す藤丸立香だった。