二次創作小説(新・総合)
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- 【fgo二次創作】悪性隔絶魔境新宿
- 日時: 2025/02/24 14:55
- 名前: きのこ (ID: eoqryhKH)
「──え、もう一回言って?」
「ですから、先輩が女性に変装して、新宿アサシンの本拠地に潜入するのが最適だと判断しました!」
マシュの言葉に、藤丸立香は目を疑った。
いや、耳を疑った。というより、疑いたい。
新宿二丁目のとあるビル、そこが新宿のアサシンの本拠地と判明したのはいい。
しかし、問題はそこが完全紹介制のセレブパーティー会場としても機能していることだった。
顔が割れている以上、正面から入るのはリスクが高い。
そこでマシュが提案したのが──【女装潜入作戦】
「…あのさ、マシュ」
「はい!」
「俺のこと、どれくらい女顔だと思ってる?」
「大変お似合いです!」
マシュは自信満々に親指を立てた。
その横で、ダ・ヴィンチがノリノリでドレスを持ち込んでいる。
「さ、さあ立香くん、これを着てみようか!」
「いやいやいや、せめて考え直そ!?」
「ダメだね! ここで逃げたら男がすたるよ!」
「いや、女装してる時点で男はどこいった!?」
抵抗むなしく、藤丸立香の運命は決まった。
パーティー会場・潜入当日
「……やっぱり、やめとけばよかった」
「藤丸先輩、とても綺麗ですよ!」
ドレス姿の藤丸立香は、鏡の中の自分を見てため息をついた。
部屋の光がシルクのドレスに反射し、まるで本物の貴婦人のように映る。
──シルクの手袋に高級感あふれるアクセサリー。
──ウィッグで誤魔化した美しい黒髪のロングヘア。
──メイクによって仕上げられた繊細な顔立ち。
そこには、女装の域を超えた美女がいた。
「お、意外とやればできるな」
「褒めてるのか、マーリン!?」
同行していたマーリンがケラケラと笑う。
なんと今回はマーリンもパーティーに潜入するため、紳士風のスーツ姿だ。
「さすがに霊格の高さが隠せてないけど……まぁ、周囲は怪しんでないみたいだね。意外とバレないものだ」
「意外と、じゃなくてバレたら終わりなんだけど!?」
「いやいや、そもそも藤丸くんって細いし、優しい顔してるし、ほら、声さえ誤魔化せば余裕じゃない?」
「声が問題なんだよ!?」
藤丸は喉を鳴らしながら、できるだけ高い声を作る。
「え、えぇっと……は、はじめましてぇ……」
「──あっ、これはアカンやつだね」
マーリンが即座にダメ出しした。
「ちょっと声が無理しすぎだ。もっとこう、おしとやかに、しなやかに……あ、そうだ!」
「…?」
「ちょっと会話の端々に『ですわ』をつけると、それっぽくなるんじゃない?」
「なるほど……やってみるか。えぇっと……今日はとても素敵なパーティーですわね……」
「おぉ、いいじゃん! お嬢様っぽい!」
「お前ら……こんなことにノリノリすぎるだろ……」
と、そんな会話をしているうちに、怪しむ者もなく会場内に入ることに成功した。
しかし──
「……おや? あなたは……」
藤丸の目の前に現れたのは、新宿のアサシン。
『マズい、声を聞かれたら終わる!』
「どなたか存じませんが、これはこれは……お美しい」
新宿のアサシンが藤丸の手を取り、優雅に口づけを落とす。
『──!? なんかめっちゃジェントルマン対応されてる!?』
「……ふふ、お褒めにあずかり光栄ですわ」
『おい、マシュ! マシュ、これどうすんの!?』
「大丈夫です先輩! そのまま可憐に振る舞ってください!」
『いや、無茶ぶりすぎるだろ!?』
藤丸の運命はいよいよ予測不可能な方向へ転がり始めた。