二次創作小説(新・総合)

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【fgo二次創作】騎士たちのNGゲーム
日時: 2025/02/24 17:14
名前: きのこ (ID: eoqryhKH)

プロローグ

「よし! みんな準備はいい?」

藤丸立香が円卓の騎士たちを見回しながら、ニヤリと笑う。

彼女の前には、ベディヴィエール、モードレッド、トリスタン、ランスロットの四人が座っていた。

いつも戦場で共にする仲間たちだが、今日は戦いではなく、ゲームをするために集められたのだった。

「……本当にやるんですか?」ベディヴィエールが不安げに尋ねる。

「もちろん! これは知恵比べみたいなものだから、円卓の騎士なら頭脳戦も得意でしょ?」

「まあ、面白そうではあるな!」モードレッドは腕を組み、余裕たっぷりの笑みを浮かべる。

「ルールは単純。自分のNGワードを言ったら即脱落。最後まで残った人が勝ち。私がみんなのNGワードを決めたから、自分では何がNGかわからないよ!」

「つまり、相手の言葉から自分のNGワードを推測しなければならない、というわけですか。ふむ、興味深いですね」トリスタンが優雅に頷く。

「しかし、我々に対してこのような策謀を巡らせるとは……まったく、立香は悪戯がお好きですね」ランスロットが苦笑しつつ、軽く肩をすくめた。

「じゃあ……スタート!」

Re: 【fgo二次創作】騎士たちのNGゲーム ( No.1 )
日時: 2025/02/24 17:27
名前: きのこ (ID: eoqryhKH)

第一章

「さて、どうやって攻めようか……」

立香が腕を組みながら周囲を観察する。

「モードレッド、お前はまずどうするつもりだ?」ランスロットがさりげなく尋ねる。

「そうだな、まずは様子見――」

そこで彼女は自信たっぷりに言い放った。

「でもやっぱオレは、『父上』みたいに堂々とした態度で……」

「はい、アウトー!」

「はあ!? ちょっ…待て!!」

「待たない! モードレッド、あなたのNGワードは『父上』だよ」

「っ……くそっ!」

モードレッドはガッと頭をかきむしり、立ち上がる。

「ちくしょう、開始三秒ってオレどんだけ単純なんだよ……!」

ランスロットが「まあ、いつものことだ」と苦笑し、ベディヴィエールも「お察しします……」と同情の眼差しを向ける。

「さて、残りは三人。ここからが本番だよ!」

立香が楽しそうに笑い、戦いの火蓋が切られた――。

Re: 【fgo二次創作】騎士たちのNGゲーム ( No.2 )
日時: 2025/02/24 17:34
名前: きのこ (ID: eoqryhKH)

第二章

「さて、どうしたものか」

ランスロットが腕を組みながら、じっとベディヴィエールを見つめる。

「ベディヴィエール、そなたは忠臣だ。王に仕えていた頃が懐かしくないか?」

「ええ、もちろんです。王の下で過ごした日々は私にとってかけがえのないものでした」

ベディヴィエールは微笑みながら静かに答えた。

「しかし、今の環境も悪くないでしょう?」トリスタンが軽く目を細める。

「ええ。ここでの生活も、王と共にあった日々に劣らず、尊いものです」

「そうか……だが、やはり、そなたにとって最も大切な場所は――」ランスロットが言葉を選びながら、さりげなく誘導を試みる。

「――カルデアだろう?」

ベディヴィエールの眉がかすかに動いたが、即座に反応せず、穏やかに微笑んだ。

「私はどこにいようとも、志を貫くまで」

「……くっ、引っかからないか」トリスタンが肩をすくめる。

「では、少し話題を変えようか、『美しい』ものを見た時、どう思う?」ランスロットが話を振る。

「美しいもの、ですか……」ベディヴィエールは考え込む。

「…例えば、星空や芸術……あるいは、人の振る舞いにも美しさを見いだせるでしょう」トリスタンが言葉を継ぐ。

「確かに。特に、優雅で品のある仕草は――」ランスロットは言いかけて、ふと気付いた。

「……あっ」

「はい、アウトー!」立香が手を叩く。

「しまった……」ランスロットは頭を抱えた。

「ランスロット、あなたのNGワードは『美しい』だったんだよ!」

「むぅ……これは一本取られました」ランスロットは苦笑しながら、席を立った。

「残るは、ベディヴィエールとトリスタン!」

立香の宣言と共に、最後の戦いが始まる。

Re: 【fgo二次創作】騎士たちのNGゲーム ( No.3 )
日時: 2025/02/24 17:35
名前: きのこ (ID: eoqryhKH)

第三章

「ここまで来るとは、さすが親友です」トリスタンが微笑む。

「そちらこそ、見事な頭脳戦でした」ベディヴィエールも静かに返す。

「さて、最後の一人になるのはどちらか……」立香がニヤリと笑った。

トリスタンは腕を組みながら、ふと考え込む。

『ベディヴィエールのNGワードは……『カルデア』。今まで避けているように見える』

『だが、彼は慎重だ。普通に誘導するだけでは引っかからないだろう』

「ベディヴィエール、そなたにとって、今の環境はどのようなものだ?」

「安らぎのある、かけがえのない場所ですね」

「ふむ……では、その名を口にすることは、誇りではないか?」

「……もちろんです」

ベディヴィエールは落ち着いた様子で答える。

「くっ……やはり簡単には引っかからぬか」トリスタンが苦笑する。

「さあ、どっちが先にやられるかな?」立香が興味津々に二人を見つめる。

戦いは、いよいよクライマックスへ――。

Re: 【fgo二次創作】騎士たちのNGゲーム ( No.4 )
日時: 2025/02/24 17:38
名前: きのこ (ID: eoqryhKH)

第四章

「では、始めましょうか。」

ベディヴィエールが静かに宣言すると、場に緊張が走った。

今回のゲームは単純だ。

各自にNGワードが設定され、その言葉を口にした瞬間、敗北が確定する。

すでにモードレッドとランスロットが脱落し、残るはベディヴィエールとトリスタンの二人。

藤丸立香は審判として場を見守る役だ。

「ふふ、これが最後の勝負になるわけですね。」

「どうやらそのようです。」

トリスタンが穏やかに微笑みながら言うと、ベディヴィエールは静かに頷いた。

しばらくの間、二人は慎重に言葉を選びながら世間話を続けた。

立香も交え、最近の出来事や食事の話、さらには円卓の昔話など、穏やかな会話が続く。

しかし、時間が経つにつれ、緊張感は徐々に薄れていった。

「そういえば、最近の食事についてだけど。」

「はい?」

「ベディヴィエール、蒸し野菜は相変わらず好きか?」

「もちろんです。胃に優しく、栄養価も高い。」

ふとした瞬間、トリスタンが思い出したように言った。

「ところで、私はここに来てからずっと感じていたのですが……やはり、この場には『楽しい』雰囲気がありますね。」

その瞬間。

静寂が場を包んだ。

「……あ。」

トリスタンの表情が凍りつく。

立香が思わず口元を押さえ、ベディヴィエールは微笑を浮かべながら静かに告げた。

「……私の勝ちのようです。」

トリスタンのNGワード、それは「楽しい」だった。

「…ふふ、まさか自分で言ってしまうとは……。」

トリスタンは苦笑しながら肩をすくめ、敗北を認めた。

「完全に油断しました、ベディヴィエール。」  

「それでも、良い勝負でした。」

こうして、最後の勝負は決着した。

Re: 【fgo二次創作】騎士たちのNGゲーム ( No.5 )
日時: 2025/02/24 17:42
名前: きのこ (ID: eoqryhKH)

エピローグ

ゲームが終わり、場には穏やかな雰囲気が漂っていた。

「まさか最後にトリスタンが自滅するとは思わなかったよ。」

藤丸立香が笑いながら言うと、トリスタンは肩をすくめて見せた。

「私も、まさか…自分の言葉で敗北するとは思わなかった。油断は禁物ということですね。」

ベディヴィエールは静かに頷いた。

「勝負事とは、時に些細な隙が命取りとなるものだ。」

「いやはや、痛感したよ。」

トリスタンがそう言うと、三人はどこか満足げに微笑み合った。

勝者は決まったが、それよりも重要なのは、このひとときが楽しかったこと。

そして、また次の勝負があることを暗に予感させるように、藤丸立香は軽く笑いながら言った。

「次こそは私も参戦するよ!その時は覚悟してね?」

「それは楽しみです!」

「…次こそは私も勝たせてもらいます。」

こうして、穏やかな時間は続いていく。

次の勝負が始まる、その時まで──。


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