二次創作小説(新・総合)
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- 【fgo二次創作】黄金と鎖——果てなき戦い
- 日時: 2025/02/24 21:27
- 名前: きのこ (ID: eoqryhKH)
ウルクの空が暗く、嵐のような風が砂を舞わせる中、黄金の輝きがひときわ輝いていた。
巨大な城壁の前、そこに立つのは英雄王ギルガメッシュ。
彼の黄金の鎧が夕日に照らされ、まるで神々そのもののように輝く。
「貴様、今度は一体何のつもりだ?」
ギルガメッシュの言葉は、風に乗って耳に届く者を震わせるほどの威圧感を放っていた。
彼の瞳は血のように赤く、周囲の空気すら支配しているように感じられる。
その前に立つのは、エルキドゥ。
その美しい容姿は、まるで天から降り立ったかのように清らかで、異世界から来たような印象を与える。
淡い青緑色の瞳が、ギルガメッシュの姿を見つめる。
「ギル、君はまた…」
エルキドゥの声は穏やかで、どこか心配そうだった。
しかし、その心配を打ち消すように、ギルガメッシュはひときわ大きな声で言い放つ。
「我が力が足りぬとでも言いたいのか、雑種!」
その言葉にエルキドゥの表情は少しだけ曇るが、すぐに穏やかな微笑みを浮かべる。
「それは違う。君はいつも、そうやって誰かを見下ろしてしまう。だが、今日は違う。ただの遊びだよ。」
ギルガメッシュの眉がピクリと動く。
「遊び?」と彼は冷笑し、背後から無数の宝具を取り出す。
その黄金の王座から放たれる圧倒的なオーラに、周囲の大地がひび割れそうなほどだった。
「ならば、遊んでみせよう、エルキドゥ。だが、勝つのは我だ。」
エルキドゥはゆっくりと、しかし確実にその天を繋ぐ鎖を取り出す。
まるでその鎖が全ての力を集めるかのように、空気が一変する。
「いいだろう。でも、君が望んだように、これは正々堂々とした戦いだ。君が力に溺れることを、僕は許さない。」
その瞬間、ギルガメッシュが一歩踏み出す。宝具「エクスカリバー」を空中に掲げ、全てを切り裂くような威圧感を放つ。
その刃が光り輝き、エルキドゥの鎖と交錯しようとしたとき—
「…無駄だよ、ギル。」
エルキドゥの声が響き、その鎖が一瞬にして黄金の剣を弾き飛ばす。
彼の動きは軽やかで、ギルガメッシュの力に全く怯むことなく、自由自在に振る舞う。
「その程度で僕に勝てると思っているのか?」
ギルガメッシュの声が怒声に変わる。
「我の力を見くびるな!」と叫び、再び数多の宝具を展開する。
しかし、エルキドゥは一歩も引かず、鎖をさらに強く引き絞る。
その一瞬、世界が静寂に包まれた。
ギルガメッシュの黄金の輝きが消え、エルキドゥの鎖がまるで天から降り注ぐように広がる。
「これが本当の力だ、ギル。」
エルキドゥの言葉に、ギルガメッシュはしばし黙った。
その目に浮かぶのは、怒りとも理解ともつかぬ複雑な感情。
「フッ、見事だ、エルキドゥ。」
ギルガメッシュが呟く。
彼は自分の力を超えた相手に、少しだけの敬意を示すことができたようだ。
「だが、負けた訳ではないぞ。」彼の眼差しは再び鋭くなる。
「確かに。」エルキドゥもまた、その冷静さを保ちながら応じる。
「でも、君の力が最強だとは限らない。」
二人の戦いは、どこまでも続いていく。
しかし、どこかでその戦いに終わりが見えたような気がした。
お互いに強さを認め合い、同時にまだ解決しきれない感情が二人の間に渦巻いていた。
そして、黄金の王と天を繋ぐ鎖は、ただの遊びであっても、決して簡単なものではないことを教えてくれた。