二次創作小説(新・総合)

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【fate二次創作】風が運ぶ恋の予感
日時: 2025/02/28 20:36
名前: きのこ (ID: opLc/10u)

夜の森を、二つの影が駆け抜ける。

「マスター、もっと速く!」

ピンクの髪を揺らしながら振り返ったライダーは、楽しげに微笑んでいた。

月明かりに照らされたその姿は、幻想的なまでに美しかった。

しかし、そんな彼の表情とは裏腹に、ジークの息は荒い。

「……ライダー、お前…速すぎる……」

「だって楽しいんだから、仕方ないじゃない!」

軽やかに笑うライダーは、まるで風そのもののようだった。

ジークは彼の後ろ姿を追いかけながら、自分の胸が妙にざわつくのを感じる。

いつの間にか、ライダーの存在が自分の中で特別なものになっていた。

「…ねえ、マスター……」

ふいに立ち止まったライダーが、くるりとこちらを向いた。

その顔は、いつになく真剣な色を帯びている。

「ボクね、マスターと一緒にいると楽しいんだよ。マスターはどう?」

「……俺は……」

正直なところ、ジーク自身もまだよくわかっていなかった。

ただ、ライダーといると、胸の奥が不思議と温かくなる。

そして、彼が笑うたびに、その輝きをもっと見ていたいと思う。

「……俺も、ライダーといると……悪くない」

それが彼の精一杯の答えだった。

ライダーは一瞬きょとんとした後、嬉しそうに目を細めた。

「ふふっ、マスターってば素直じゃないんだから。でも、それがマスターのいいところ、だよね!」

そう言って、ライダーはふわりとジークの手を取った。

「ねえ、手、つないでもいい?」

ジークは戸惑いながらも、その小さな手をぎゅっと握り返す。

ライダーの体温がじんわりと伝わってきて、心臓の鼓動が少しだけ速くなる。

「……ああ」

ライダーの笑顔が、夜の静寂の中でひときわ輝いた。

「えへへ、やった~!マスターと手つなげてる~!」

「お、おい。あんまり引っ張るな」

「いいでしょ~、だってマスターと一緒なんだもん!」

「ったく……」

ジークは呆れたようにため息をついた。

だが、その口元には確かに笑みがこぼれていた。

こうして二人は、月光の下で手をつなぎ、森の中を歩き始める。

やがて、二人の姿は夜の闇に溶けて消えていった。