二次創作小説(新・総合)

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【fate二次創作】赤薔薇の皇帝と無垢なる奏者
日時: 2025/03/01 11:23
名前: きのこ (ID: 0N93rCdO)


月の聖杯戦争が終結に近づく頃、静寂が支配する月海原学園の屋上に、二つの影が寄り添っていた。

「奏者よ、余は疲れたぞ。」

赤いドレスのセイバーが、白野の肩にもたれかかる。

「お疲れさま。セイバー」

月明かりに照らされた金の髪が、さらりと揺れた。

「…珍しいね。弱音を吐くなんて。」

白野は静かに微笑む。

表情こそ乏しいが、瞳には確かな優しさが宿っている。

「無敵の皇帝たる余も、奏者の前では素直になれるのだ。」

セイバーは、白野の髪を指先で弄びながら囁く。

「……ずるいな。」

「ほう? 何がだ?」

白野は微かに頬を染めると、視線を逸らした。

「いつも堂々としてるのに、こういうときだけ甘えてくるのが。」

「ふふ、奏者よ、そなたにだけ許した特権だぞ?」

セイバーは満足そうに微笑み、白野の手を取り、その甲に軽く唇を落とす。

「――誓おう。余は、余の愛する奏者のために、最後まで戦おう。」

白野の心が、大きく揺れた。

セイバーは尊大で自信過剰なサーヴァント。

だが、その真摯な言葉と優しさに、白野は何度も救われてきた。

「…なら、私も誓うよ。」

白野は、そっとセイバーの頬に手を添える。

「君を、最後まで守るって。」

セイバーの瞳が驚きに揺れ、それから、嬉しそうに細められた。

「――よい、余の奏者よ。その誓い、しかと受け取った。」

二人の距離が、月の下で静かに縮まる。

唇が触れ合う瞬間、夜風がそっと薔薇の香りを運んだ。