二次創作小説(新・総合)

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【fgo二次創作】円卓の災難カタログ
日時: 2025/03/02 09:06
名前: きのこ (ID: UrWetJ/L)


ある日のカルデア――。

とある三人の円卓の騎士たちにとっては、まさに不運な一日が始まっていた。

 朝目覚めたベディヴィエールは、何やら頭が重いことに気付いた。

疲れが溜まっているのか、それとも昨夜の執務が長引いたせいか。

こめかみを押さえながら起き上がると、ふらついた足がベッドの角にぶつかる。

「っ……!」

痛みに顔をしかめたが、騎士たるものこれしきのことでは動じない。

そう自分に言い聞かせながら、意識のぼんやりとしたまま歩き出し――。

ゴンッ!

寝ぼけたまま、勢いよく壁に顔面から突っ込んだ。

「…………。」

しばし沈黙したのち、ベディヴィエールは目を閉じたまま額を押さえた。

「…今のは……なかったことに……っ!」

そう呟いて、彼は静かに寝室の扉を開けた。

一方、モードレッドは…

「おい、離せって! 何すんだよ、ナイチンゲール!」

廊下の一角で、モードレッドはナイチンゲールに組み伏せられていた。

いや、正確には診察を受けようとせず逃げ回った結果、強制的に捕縛されたのだ。

「貴様、顔色が悪い。即刻診察が必要だ。」

「だからオレは元気だっての!」

ナイチンゲールの冷徹な目が光る。

「ならば、証明するために一度解剖する。」

「いや待て! 殺す気か!? 本当に元気だってば!」

何とか解放されたモードレッドだったが、その直後、急な腹痛に襲われた。

「うわっ……クソ、何なんだよ今日は……。」

腹を押さえながら廊下を歩いていると、不運はまだ続く。

角を曲がる際に勢いよく壁に小指と親指をぶつけた。

「ぬおおおおお!!」

悶絶するモードレッド。

しかし、ここで終わらない。

「……あれ? ここどこだ?」

気付けば完全に見知らぬ場所に迷い込んでいた。

カルデアの施設は広大で、方向音痴のモードレッドには地獄そのものであった。

「……もう嫌だ……。」

もう一人の円卓の騎士は…

「……ポテトが……ない……?」

食堂で目を疑ったガウェイン。

厨房を探しても、倉庫を漁っても、どこにも彼の好物であるポテトが見当たらない。

「今日は……そういう日なのか……。」

肩を落としながら歩いていると、突然、酒呑童子が前を横切った。

「あら、ちょうどええなぁ。」

そう言った瞬間、彼女の手にしていた杯の酒が、ガウェインの鎧に思いっきりかかった。

「……何ということでしょう。」

鎧から漂う強烈な酒の香り。

これは誤解を招くのではないかとガウェインは焦った。

「すまへんなぁ、ちょっと気ぃ抜いとったわ。」

「……いえ、大丈夫です。」

気を取り直し、廊下を歩き出したガウェイン。

しかし、次の瞬間、彼の足が何かに引っかかり――。

ドシャアアアア!!

誰もいない廊下で、見事に盛大に転んだ。

「……これは、いったいどういう……?」

しばらくそのまま天井を見つめるガウェイン。

――こうして、円卓の騎士たちの不運な一日はまだ続くのであった。