二次創作小説(新・総合)
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- 【fgo二次創作】カルデア・メイド・パニック!
- 日時: 2025/03/07 17:45
- 名前: きのこ (ID: fiow63Ig)
カルデアの一室にて、藤丸立香は鏡の前でポーズを取っていた。
「うーん、なかなか似合うんじゃないかな?どう思う、マシュ?」
彼女が身につけているのは、黒と白を基調としたクラシックなメイド服。
スカートは膝丈で、白いフリルのエプロンがついている。
金色の瞳を輝かせながら、左のサイドテールをふわりと揺らして立香はマシュに問いかけた。
「……え、えっと、その……すごくお似合いです、先輩。」
マシュは少し戸惑ったように答えた。
彼女自身も同じようなメイド服を着ているが、慣れない格好にそわそわとしている。
「マシュも可愛いよ! その、なんていうか……こう、守りたくなる感じ?」
「そ、そんなことを言われると、恥ずかしいです……!」
薄紫色の髪を揺らしながら、マシュは頬を染める。
黒い細身のメガネを指で押し上げ、姿勢を正そうとするが、やはり慣れない衣装のせいか動きがぎこちない。
「でも、先輩。どうして急にメイド服なんですか?」
「あー、それはね……昨日、ダ・ヴィンチちゃんが『メイドは素晴らしい文化だ!』って語っててさ。それで、ついノリで用意しちゃったんだよね。」
「相変わらず行動が早いですね、先輩……。」
マシュは呆れながらも、どこか楽しそうな表情を浮かべる。
「それに、メイドっていったらやっぱり『お嬢様』とか『ご主人様』とか言うんでしょ?やるからにはちゃんとやらなきゃ!」
立香は意気込んで、胸の前で手を組むと、マシュに向かって優雅にお辞儀をした。
「お帰りなさいませ、ご主人様!」
「……!!!」
マシュの顔が一気に赤くなる。
「わ、わたしがご主人様役なんですか!?」
「だって、私がやると何か違う気がするし……ほら、マシュって真面目だから、こういうの似合うと思うんだよね!」
「そ、そんな理由で……。」
マシュは困惑しつつも、小さく咳払いをして姿勢を正す。
そして、勇気を振り絞って言葉を紡いだ。
「そ、それでは……お、お茶を用意してもらえますか、メイドさん?」
「かしこまりました、ご主人様!」
立香は満面の笑みで応え、テーブルの上にあったティーポットを手に取る。
「えっと、お茶を淹れるのは得意だからね!」
そう言いながらカップに紅茶を注ぐ立香。
しかし、勢い余って少し溢れてしまった。
「あっ……!」
「あ、先輩、危ないです!」
慌てたマシュがすぐに布巾を手に取るが、二人同時に手を伸ばしたせいで、お互いの指先が触れ合う。
「……っ。」
気まずい沈黙。
「……ご、ご主人様、お手を触れないようにお願いします。」
「す、すみません……。」
不思議な緊張感が漂う中、二人は目を合わせて、くすっと笑い合った。
「なんか、メイドって思ったより照れるね……!」
「そ、そうですね……!でも、先輩とこうして過ごすのは、すごく楽しいです。」
「ふふ、それならよかった!」
こうして、二人のメイド体験は微笑ましく幕を閉じたのだった。