二次創作小説(新・総合)

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【fgo二次創作】新選組一番隊隊長、食べ歩き中!
日時: 2025/03/07 21:33
名前: きのこ (ID: fiow63Ig)



──胃袋は宇宙

京の町を歩けば、美味なるものが目に入るのは必然。

「いやぁ、沖田さんも今日ばかりは戦いを忘れて、存分に食べますよ!」

というわけで、私は甘味処の暖簾をくぐった。

「いらっしゃいませぇ! 本日はどのようなご注文を?」

「ふむ……ここは『特製あんみつ』『宇治抹茶パフェ』『黒蜜きなこ白玉』……全部ですね!」

「えっ?」

「全部です!」

店主が一瞬固まったが、すぐに笑顔で注文を受け、次々と甘味を並べていく。

「うーん、見てるだけで美味しそうですねぇ……いただきます!」

まずは宇治抹茶パフェ。

苦味と甘みの絶妙なバランスが口の中に広がる。

「ほぉー、これは……実に良い苦味!敵に回したくない味ですね!」

そしてあんみつ。

「寒天のプルプル感、餡子の甘み、黒蜜のコク……美味い!これが戦場なら、私は既に勝利しているでしょうね!」

黒蜜きなこ白玉。

「むっ、もちもちの食感!これは、まるで一番隊の隊士たちのような、しなやかな強さを感じますよ!」

すっかり甘味の世界に陶酔し、夢中で食べていたその時──

「お、おや?なんだか視界が……」

ドサッ。

「沖田さん!?また食べすぎて倒れたんですか!?」

「……大丈夫です、ちょっと甘さの波状攻撃を受けただけで……うぷっ、血じゃなくて餡子を吐きそうですね……」

こうして、本日も甘味との戦いに敗北した沖田総司だった。

戦いに敗れた翌日──

「昨日の敗北は認めます。しかし、沖田さんは決して諦めませんよ!」

今日は粉物の聖地、お好み焼き屋へ。

「へい、いらっしゃい! 今日は何にします?」

「そうですね……『ぶた玉』、『イカ玉』、『モダン焼き』……全部ですね!」

「えっ?」

「全部です!」

店主の動きが一瞬止まったが、すぐに鉄板に火が入り、豪快に焼かれていく。

「うーん、いい匂いですねぇ……いただきます!」

まずはぶた玉。

「ほぉー、これは……豚肉のジューシーさと生地のふわふわ感が絶妙! これは戦場でいえば鉄壁の防御陣形ですね!」

次にイカ玉。

「むっ、イカの歯ごたえ! これはまるで、新選組の剣士たちのようにしなやかで、強靭……!」

モダン焼き。

「焼きそばとお好み焼きの融合! これはまさに……幕末の異文化交流の味!」

もぐもぐと食べ進め、沖田総司は満足げに頷く。

しかし──

「お、おや? なんだか視界が……」

ドサッ。

「沖田さん!? まさかまた!?」

「……大丈夫です、ちょっと粉物の連撃にやられただけです……うぷっ、ソースの波が押し寄せますね……」

こうして、本日も粉物との戦いに敗北した沖田総司だった…

そして翌日──

「昨日の敗北は痛かったですが、沖田さんは決して諦めませんよ!」

今日は熱々のラーメン店へ。

「いらっしゃいませ! 本日はどのラーメンを?」

「ふむ……『醤油』、『味噌』、『豚骨』……全部ですね!」

「えっ?」

「全部です!」

店主の顔が引きつるも、すぐに湯気を立てるラーメンが次々と目の前に並ぶ。

「うーん、見るだけで美味しそうですねぇ……いただきます!」

まずは醤油ラーメン。

「ほぉー、鶏ガラと醤油の深み……まさに江戸の風情を感じますね!」

次に味噌ラーメン。

「濃厚な味噌のコク! これは、戦場で言えば鉄壁の城壁のようですよ!」

最後に豚骨ラーメン。

「むっ……この濃厚なスープ、まるで幕末の激動の如し!」

夢中で啜る沖田だったが──

「お、おや? なんだか視界が……」

ドサッ。

「沖田さん!? またですか!?」

「……大丈夫です、ちょっとスープの熱波にやられただけで……うぷっ、替え玉が遠のきますね……」

こうして、本日もラーメンとの戦いに敗北した沖田総司だった。