二次創作小説(新・総合)

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【fgo二次創作】俺の知らない間に妻ができていた件
日時: 2025/03/07 23:24
名前: きのこ (ID: fiow63Ig)


カルデアの食堂で、藤丸立香は静かにコーヒーを飲んでいた。

「立香、そこに座るのですね?」

声の主はモルガン。

冷徹な王として知られる彼女が、妙に近い距離感で立香の隣に座る。

「うん? まあ、いいけど……どうした?」

「当然のことです。私は貴方の妻なのですから」

「ぶふっ!?」

飲んでいたコーヒーを噴きそうになりながら、立香は慌ててナプキンで口元を拭う。

「ちょ、ちょっと待って! いつから俺たち結婚したの!?」

「当然、異聞帯統合の時点から。王たる私が夫を定めるのは至極当然の流れでしょう?」

「いや、そんな話聞いたことないよ!? 俺の意思とか……?」

「必要ありません。私が決めたのだから、それが全てです」

「いや、せめて相談してくれないかな!?」

モルガンはふっと笑い、珍しく愉快そうな表情を見せる。

「そういうところが可愛いのですよ、マスター。素直で、感情がすぐに顔に出る。だからこそ私の隣に相応しい」

「そ、そうなのかな……? でも普通、こういうのってお互いの合意のもとに……」

「ならば問います。私と結婚するのは嫌なのですか?」

彼女の妖精眼が真っ直ぐにこちらを射抜く。

嘘が通じないのは分かっている。

「ええと……嫌では……ない、けど……」

「ならば決まりですね」

「いやいやいや、そういう問題じゃなくて!」

周囲のサーヴァントたちがクスクス笑いながらこちらを見ているのを感じる。

「つまり、私は正式に『貴方の妻』です。今後、その自覚を持って行動してください」

「ええええええ!?」

こうして、藤丸立香は突然、モルガンの夫に任命されたのだった……。

戦闘が一段落したカルデアの戦場。

「マスター、手を出しなさい」

「え? なんで?」

「当然のことです。私は貴方の妻。夫の手当てをするのは当然でしょう?」

モルガンは腕を組みながら、少し不機嫌そうに立香を見つめる。

「いや、そんなに傷もないし、大丈夫……」

「いいえ、大丈夫ではありません。貴方は自分の身体を過小評価しすぎてます」

問答無用でモルガンが手を掴み、魔力を流し込む。

温かな癒しの力が広がる。

「うわ……なんか、すごく気持ちいい……」

「当然です。私の魔術ですから」

立香が顔を赤くしていると、モルガンは満足げに微笑んだ。

「……ちょっと、何してるの?」

夜、自室に戻るつもりだったが、何故かモルガンの部屋に連れ込まれていた。

「当然のことです。夫婦は同じ寝所を共にするもの」

「いやいやいや! 俺、まだ心の準備が……!」

「問題ありません。私がいれば大丈夫でしょう?」

ベッドの上で立香を見下ろしながら、モルガンは涼しげに微笑んでいる。

「ちょっ、ちょっと待っ……モルガンさん!? 近い近い!」

「そうですか? では、もっと近づきます」

立香は必死に布団を引き寄せたが、モルガンは微動だにせず、堂々と横に座った。

「ふふ、可愛い反応ですね、マスター」

「だから、その『妻ムーブ』を自然にしないでぇぇぇ!」

ダ・ヴィンチちゃんやマシュが見守る中、モルガンは堂々と立香の手を取って歩いていた。

「いや、こんな堂々と……」

「当然のことです。私は貴方の妻なのですから」

「この台詞、何回聞かされるんだろう……」

カルデアの面々は皆、微笑ましく彼らを見守っていた。