二次創作小説(新・総合)

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【fgo二次創作】私のカルデアが百合ゲー化してる件
日時: 2025/03/08 19:00
名前: きのこ (ID: DTTuuvtM)



カルデアの朝は、いつも賑やかだ。

「先輩、おはようございます!」

「おはよう、マシュ!」

藤丸立香は、大きく伸びをしながら朝食の席についた。

彼女の金色の瞳が、ぱちりと輝く。

隣にはマシュが座り、その向かいにはアルトリアが静かに紅茶を口に運んでいた。

「立香、食事はきちんと摂るべきです。戦闘に備えて万全の体調を整えておかねばなりませんからね」

「わかってるよ! でも、今日のメニュー、やたらと豪華じゃない?」

目の前には、見たこともないほどの豪勢な朝食が並んでいる。

パン、スクランブルエッグ、サラダ、スープ、そして分厚いステーキまで。

「ますたぁのために、私が腕を振るいましたの」

優雅な微笑みとともに現れたのは、清姫だった。

彼女の視線は、熱く、深く、どこまでも真っ直ぐで、立香を見つめる。

「え、ありがとう……?」

「立香様のためならば、私はいくらでも料理を作りますわ。……もちろん、私の愛情もたっぷり込めておりますので、ご安心くださいませ♪」

その発言に、マシュとアルトリアがわずかに身を乗り出す。

「……その、清姫さん。先輩は私の大切な先輩ですので、独占はちょっと……」

「そうですね。マスターはカルデアの要であり、みんなのものですから、独占するのは感心できませんね」

やんわりとした抗議にも、清姫は微笑を崩さない。

「あら、私はただますたぁの正妻として当然のことをしているだけです。……それとも、あなたたちもますたぁを狙っているのかしら?」

その言葉に、マシュが固まり、アルトリアが眉をひそめる。

そこへ、さらなる刺客が現れた。

「おはようございます、マスター」

静謐のハサンが、まるで自然に立香の隣に滑り込む。

彼女の褐色の指が、ひたりと立香の腕に触れた。

「あれ、静謐? なんか、今日も距離が近いような……?」

「いえ、私としては、これでもかなり抑えているのですが……」

しっとりとした目で見つめられ、立香は頬をかいた。

彼女には毒耐性があるため、静謐も遠慮せずに触れることができる。

だが、その事実が、彼女の求愛行動をより積極的なものにしていた。

「……はっ! もしかして、昨日の夜にベッドにいたの、静謐だったの!?」

「ええ。マスターのそばにいると、心が落ち着くので……」

無邪気な微笑みに、マシュと清姫の間に走る不穏な空気。

アルトリアは「ふむ……」と小さくうなずきながら、冷静に朝食を続けている。

「……ねぇ、もしかして私って、ものすごくモテてる……?」

自分を取り囲むように座る美少女たちを見回し、立香は苦笑した。

「そんなの、当然です。だって、ますたぁは私のものですもの」

「先輩は、私の特別な人ですから……!」

「マスター、私に触れても平気な唯一の存在ですから……」

「マスターは、みんなのためのマスターでしょう。でも……」

アルトリアが、珍しく真剣な表情を見せた。

「誰か一人だけのものにする、というのは難しいですね」

その言葉に、一同がしんと静まる。

そして、次の瞬間——

「ならば、正妻戦争ということでよろしいですわね?」

「えっ…」

「先輩、負けません……!」

「マスター……私も、譲りませんよ?」

「……マスターが望むなら、私は何でも」

火花が散る空間に、立香は頭を抱えた。

『いやいやいや、私の平穏なカルデア生活、どうなっちゃうの!?』