二次創作小説(新・総合)

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【fgo二次創作】春の風に吹かれて
日時: 2025/03/09 17:42
名前: きのこ (ID: /.YWlUQc)


春の陽射しが柔らかく差し込み、満開の桜が風に舞う。

カルデアの長い戦いの合間を縫い、藤丸立香、マシュ、ロマ二、ダ・ヴィンチの四人は、花見を楽しむために外に出ていた。

河原の土手に広げられた敷物の上には、ダ・ヴィンチちゃん特製の手作り弁当が並べられ、ロマ二が買ってきたという団子や煎餅、果物も揃っている。

「いやぁ、こうしてのんびり桜を眺めながらの食事って最高だね!」

ロマ二が満面の笑みを浮かべながら、豪快に団子を頬張る。

まるで日々の激務など忘れたかのような表情だった。

「はい、先輩。お弁当をどうぞ!」

マシュが手際よく弁当箱を開け、藤丸に差し出す。

その中には、色とりどりのおかずが詰まっていた。

卵焼き、唐揚げ、煮物、そしてダ・ヴィンチちゃんがこだわったという特製パスタまで。

「おお、すごいな! ダ・ヴィンチちゃん、料理の腕前も天才級なんだね」

「ふふん、当然だろう? 私は万能の天才だからね! 料理も芸術の一つ、美味しさの黄金比を導き出すことなど容易いことさ」

誇らしげに胸を張るダ・ヴィンチ。

その横で、ロマ二がしみじみと呟く。

「いやぁ、本当に良い天気だなぁ。桜っていうのは儚くて美しい……。戦いのない、こんな平和な時間がずっと続けばいいのにね」

その言葉に、マシュと立香も一瞬沈黙する。

人理を守るために戦い続ける彼らにとって、この時間は束の間の休息。

だが、それがいかに貴重なものかを彼らは知っていた。

「……そうですね。今、この時間を大切にしないと、きっと後悔してしまいます」

「うん、だからこそ、今を楽しもう。食べて、笑って、桜を存分に満喫しよう!」

立香の言葉に、マシュも微笑み、頷く。

「それに、Dr.ロマン。そんなセンチメンタルになるのは似合わないぞ? さあ、もっと食べるんだ。私の作ったこのスペシャルミートボール、特別に君に分けてあげよう!」

「え、本当かい? ありがとう! って、うわっ、これめっちゃニンニク効いてる!?」

ロマ二が慌てて水を飲む様子に、一同は大笑いする。

桜吹雪が舞い散る中、彼らの笑い声が響き渡る。

——戦いは続く。

だが、だからこそ、こうした平和なひとときが尊く、愛おしい。

そのことを、彼らは改めて胸に刻んでいた。