二次創作小説(新・総合)
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- 【fgo二次創作】朝の困惑
- 日時: 2025/03/09 18:24
- 名前: きのこ (ID: /.YWlUQc)
士郎は目を覚ました。
微かな光がカーテンの隙間から差し込んで、静かな朝が始まっている。
しかし、何かが違った。
いつもと変わらない朝のはずなのに、体の横に暖かい感触がある。
「え……?」
目を凝らして、隣を見ると、そこには見慣れた金髪の少女が寝ている。
青いのリボンがまるで宝石のようにきらめいている。
体が硬直した。
彼女は……セイバー、アルトリア・ペンドラゴンだ。
「な、なんで!?」
士郎は目をぱちくりさせながら、布団を引き寄せてセイバーの顔を確認する。
見ていると、セイバーの顔が寝顔としては妙に可愛らしく、どうしても起こせずにじっと見入ってしまう自分に気づく。
「これはどういうことだ!?」
昨日の晩、確かに一緒に食事をしていたはずだ。
しかし、それから先は記憶がぼやけている。
気づいたときには、自分も眠ってしまっていたし、何かあったのだろうか。
だが、それにしても……。
士郎は、深呼吸をしながら冷静を取り戻そうとするが、心臓が変な音を立てている。
なんとかして、この不安定な状況を整理しないと。
「セイバー……?」
名前を呼ぶと、セイバーがうっすらと目を開け、まるで夢から覚めるようにゆっくりと顔を上げた。
「おはようございます、士郎。どうかしたのですか?」
その声には、いつもの冷静さがあり、彼女はさほど驚くこともなく、ただ穏やかに言う。
士郎はその問いに答える前に、自分が寝ている場所が確認できなかったことに気づき、慌てて立ち上がろうとする。
「ちょ、ちょっと待って、セイバー! 何で!?なんでこんなところに!?」
セイバーはまったく動じず、顔に微笑みを浮かべる。
「士郎、驚いている様子が面白いですね。でも、昨晩のことについて覚えていないのですか?」
士郎は頭を抱えて答える。
「覚えてない!昨日、何かあったか!?」
セイバーは静かに答える。
「特別なことはありませんでした。昨晩も一緒に食事をして、そしてそのままお休みになられたのでしょう。」
士郎は混乱しながらも、今の状況に必死に向き合っている。
「え、食事の後にそのまま寝てしまったってことか?それは……そうかもしれないけど……」
そう言っても、士郎はどうしても納得できない。
「なんで、セイバーがこんなに近くにいるんだよ!?」
セイバーは少しだけ困惑した表情を浮かべ、しばらく黙っていたが、やがて静かに答える。
「それは、私が士郎のサーヴァントだからです。これ以上の意味はありません。寝かしつけることなどは、普通に行動の一部ですから。」
士郎は言葉を失った。
いや、もちろん彼女がサーヴァントであることは知っている。
しかし、こんな形で隣に寝ているとは予想外だった。
どうしてこうなったのか、全く分からない。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。どうしてセイバーが俺のベッドで寝ているんだ?」
セイバーは少し顔を赤らめながら、無理に答える。
「これは私の役目ではありませんが……士郎が昨晩、私を休ませる場所を提供してくださったので、私はそのままお休みしていたのです。」
士郎は呆然としながら、心の中でどうやって解決するかを考え始める。
「つまり……セイバーは俺のベッドで寝てるのか?それとも、俺が寝たから横に来たのか?」
セイバーは少し困ったような表情を浮かべながらも、微笑む。
「そのあたりは少し曖昧ですが、結果的には、どちらにせよ問題はないかと。」
士郎は真っ赤になり、何とか冷静を保ちながら答える。
「だめだ、今は話が全然追いつかない! とりあえず、この状況をどうにかしないと…!」
セイバーはしばらく考え込むような顔をして、静かに言った。
「士郎が混乱しているのは理解できます。でも、朝食を作るのは私の役目です。少し落ち着いてください。」
士郎は黙って頷いた。
セイバーがいつもと変わらない調子で話す中、士郎はただただ困惑するばかりだった。