二次創作小説(新・総合)
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- 【fgo二次創作】ギルガメッシュの掃除日和
- 日時: 2025/03/09 21:16
- 名前: きのこ (ID: /.YWlUQc)
「我が雑種の部屋を見てやる!」
ギルガメッシュの鋭い声がカルデアの廊下に響く。
それを耳にしたエルキドゥは、うっすらと困った顔を浮かべた。
ギルガメッシュがこう言う時は、たいていろくなことにならない。
「ギル、マスターの部屋は散らかっているだけだから、あまり覗き込まない方がいいんじゃ……」
けれど、ギルガメッシュの意志は固い。
「エルキドゥ、我の興を侮ってはならぬ。王は何事も見届けねばならぬのである」
エルキドゥはため息をつき、半ば無理矢理に彼の後ろを追うことに。
そして二人が立香の部屋の前にたどり着くと、ギルガメッシュは扉を開けた。
目に飛び込んできたのは、予想通りの光景だった。
「ふ、ふむ……!」
立香の部屋は、まさに「散らかり放題」状態。
衣服や本が床に散乱し、クッションが乱雑に積まれ、机の上には食べかけのスナックが無造作に置かれている。
それに、部屋の隅にはなんとも愛らしいぬいぐるみの山。
ギルガメッシュはしばらくその場に立ち尽くし、あまりにも衝撃的な光景に絶句した。
「雑種……これは一体どういうことだ!?」
「うぅ、王様、ちょっと待って! 私だって忙しくて、整理整頓できてないだけなんだよ!」
ギルガメッシュの視線が痛いほど突き刺さる。
立香は後ろに気配を感じて振り返り、その目線を受けた。
「いや、王様、こんなにひどい状態で王が来るのは……」
エルキドゥが微笑みながら立香に向けて言った。
「マスターも忙しいから、仕方がないよ。でも、ギルは少し……いえ、かなり気になっちゃうんだよね」
ギルガメッシュはエルキドゥに向けて、目を細めながら一言。
「気になる!? これは無秩序そのものだ! 何もかもが王の視界にそぐわぬ!」
ギルガメッシュは黄金の鎧をきらめかせながら、さっさと部屋を歩き始める。
「よし、決めた! 我がこの部屋を徹底的に整理整頓してやろう!」
「えぇ!?王様、そんなの……!」
「黙れ!貴様は部屋をどうでもよいが、王である我がこの部屋に入ることを許したからには、私の視界にすら許されぬ乱れを放置しておけぬ!」
立香は困惑しながらも、ギルガメッシュの暴走を見守るしかない。
エルキドゥはただ微笑んで、ギルガメッシュに従うことにした。
「では、王が整頓を終わらせるまで、しばらく待とうか」
ギルガメッシュはなんと、掃除を始めると宣言し、部屋の中を徹底的に整理し始めた。
彼の指示一つで、ぬいぐるみは整然と並び、散らばっていた服は見事に畳まれ、机の上もピカピカに。
ギルガメッシュの力をもってすれば、部屋の整頓など朝飯前である。
一方、立香はただただ呆れ顔。
「ま、まぁ、ありがとう……?」
「当然だ。我の偉大さを感じるがよい!」
ギルガメッシュはまるで自分の偉業を誇るかのように堂々と部屋を見渡す。
そして、最後に立香の目を見て、満足げに言った。
「これで、我の心が安らかになった」
「ほんとに、やりすぎなんだよ、ギル」
エルキドゥがクスリと笑いながら、立香に向かって言った。
「ギルがああやって掃除を始めると、だいたい大変なことになるんだ。彼にとってはこれも一種の『支配』だからね」
立香は少しだけ呆れた顔で、「さすが、王様」と呟いた。
その後、立香は部屋の中でギルガメッシュに整理されたことを認識し、あらためて感謝の言葉を述べた。
だが、ギルガメッシュは自分がやったことを誇らしげに口にする。
「まあ、最も、王が雑種の部屋を整えたのは、些細なことである。しかし、王にとってはこの程度が当然だ」
エルキドゥは優しく笑い、立香は軽く肩をすくめながらも、どうしてこうなるのかと内心では思っていた。