二次創作小説(新・総合)

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【fgo二次創作】神の意志を求めて
日時: 2025/03/09 21:35
名前: きのこ (ID: /.YWlUQc)


静寂な神殿の中、三人のルーラーが向かい合って座していた。

「さて、皆様」

天草四郎は柔和な笑みを浮かべながら言う。

「ここに集まったということは、我々の間で決着をつける必要があるということですね?」

「決着も何も、ルーラーの座など一人に決めるものではないでしょう?」

ジャンヌ・ダルクは溜息をつきつつ、聖旗を抱えた。

「私は皆のために祈り、平穏をもたらす者です。戦うためにここにいるのではありません」

「そうだな、余も争うことは好まぬ」

カール大帝は堂々と腕を組む。

「だが、この場にいる限りは、誰が真の裁定者か証明しなければならぬ。ルーラーとは、ただ裁く者にあらず、統べる者でもあるのだからな!」

四郎が軽く肩をすくめる。

「では、理論的に議論を進めましょう。裁定者たる者は何を基準とすべきなのか?」

「神の意志です」

ジャンヌは即答した。

「救済です」

四郎は静かに言った。

「秩序の維持こそが肝要だ」

カール大帝が厳かに告げる。

三者の視線が交差する。

「……意見がまとまりませんね」

天草が肩を竦めた直後、カール大帝が立ち上がり、力強く拳を振るった。

「ならば、拳で語るのみ!」

「なぜそうなるのです!」

ジャンヌが叫ぶ間もなく、巨大な拳が振り下ろされ、四郎の体が吹き飛ぶ。

「ふむ、なるほど……これは、殴り合いによる決着ということですね」

天草は地面に転がりながらも微笑を崩さず立ち上がる。

「では、受けて立ちましょう」

「ちょっと待ってください!」

ジャンヌが両手を広げて止めようとするが、次の瞬間にはカール大帝の剛拳と天草の洗礼詠唱が激突していた。

ジャンヌは己の額を押さえながらため息をついた。

「これが……神の御業なのでしょうか……」

彼女の静かな嘆きの中、ルーラーたちの激戦は続くのだった。

戦いの衝撃で神殿の壁が崩れ、天草の洗礼詠唱とカール大帝の剛拳が激突し続けた。

「おお……ますます熱くなってきたぞ!」

カール大帝が豪快に笑いながら拳を振るう。

「やれやれ、止める気はないようですね」

四郎は冷静に回避しながら微笑む。

「いい加減にしなさい!」

ついにジャンヌの怒りが爆発し、聖旗を振るうと、衝撃波が二人を吹き飛ばした。

「ルーラーが殴り合ってどうするんですか!」

二人は瓦礫の中から顔を出し、苦笑しながら立ち上がった。

「……うむ。確かに余もやりすぎたかもしれぬ」

「私もつい、熱くなってしまいました」

三人はしばし沈黙した後、やがてカール大帝が深く頷いた。

「ならば結論はひとつだな」

「……ええ」

「ルーラーの座は……みんなのものということで」

三人は何事もなかったかのように頷き合い、神殿の崩れた柱の上に座り込んだのだった。