二次創作小説(新・総合)
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- 【fgo二次創作】ベッドの中の暴走神々
- 日時: 2025/03/09 23:26
- 名前: きのこ (ID: /.YWlUQc)
朝、藤丸立香はベッドから身を起こし、重い瞼をこじ開ける。
昨夜は寝不足だった。
というのも、エリザベートとトラロックが、一晩中寝相の悪さで彼を悩ませていたからだ。
目の前に立つエルキドゥがその事実を知ってか知らずか、穏やかな笑みを浮かべていた。
「おはようございます、マスター。」
エルキドゥの優しい声が響く。
立香は頭を振り、なんとか起き上がる。
「おはよう、エルキドゥ…眠れた?」
エルキドゥは軽く首を傾げて、「ええ、特に問題はありませんでした。」と答える。
彼はあくまで穏やかで、どんなに環境が悪くても、どこかおっとりした性格なので、寝相の乱れなんて気にしないようだ。
しかし、立香は違う。昨晩の出来事がまだ頭から離れなかった。
エリザベートはベッドの中で転がるように寝ていた。
まず最初に起こったのは彼女の足が立香の顔に直撃したことだ。
その衝撃で目を覚ました立香は、無意識に「うわっ!」と叫んでしまい、エリザベートが寝ぼけ眼で「え?今何か言った?」と反応する。
幸い、彼女は大抵寝ぼけているので、怒られることはなかった。
しかし、事態はそれだけでは終わらなかった。
夜中、エリザベートが突然「私、アイドルだわ!」と叫び、両手を上げて「ダンス!」と叫んで寝返りをうった瞬間、立香は足を蹴られ、背中を打たれた。
思わず彼は呻く。
ああ、まさかアイドルの夢の中で彼女がステージに立っているのだろうか。
「今度こそ…寝よう…」
立香は呟きながら再び寝ようとするも、次に来たのはトラロックだった。
トラロックは安定感があまりないというか、彼女の寝相も最悪だった。
トラロックは、無意識に立香の枕の上で寝返りを打つと、その背中や足が無理に立香に寄りかかってきた。
しかも、雨や稲妻の神である彼女の周囲には、微かに湿気や電気が漂っていることがあって、立香はそれが不安で眠れない。
寝返りを打つたびに、枕が少しずつ動かされて、もう一度寝ようとしても、寝心地が悪くてつい起きてしまう。
「いったいどうして、こんな寝相になるんだ…」
立香は少しだけ呻きながら、ベッドを見回す。
エルキドゥは静かにその様子を見守り、穏やかな口調で言った。
「もしかしたら、彼女たちは無意識のうちに誰かを試しているのかもしれませんね。」
立香はエルキドゥを見て、軽くため息をついた。
「いや、試すも何も…ただ寝てるだけだよ。」
エルキドゥは微笑んだ。
「確かに、無意識ですね。」
その日の朝、立香はついに耐えきれず、エリザベートとトラロックを引き起こした。
「おい、起きろ!寝相が悪すぎる!」と叫びながら彼らを揺り起こす。
エリザベートは一瞬驚き、しかしすぐににっこりと笑顔を見せて、「あれ?マスター、どうしたの?寝相が悪かった?」と、まるで何も覚えていない様子で答える。
まったく罪の意識が感じられない。
トラロックは無表情で寝ぼけていた。
「すみません…もう少しだけお待ちください…」とだけ答え、さらに寝返りを打つ。
立香はその反応にさらに心が折れそうになりながらも、こうして1日の始まりが始まったのだった。
「まあ、こんなこともあるよね…」
立香はしばし呆れ顔をしながら、エルキドゥに向かって微笑んだ。
「次からは、もう少し静かに寝てくれないかな?」
エルキドゥはふふっと笑う。
「おそらく、次も同じでしょうね。」