二次創作小説(新・総合)
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- ハンドレFa 名のない鷹
- 日時: 2025/08/05 01:56
- 名前: ひある (ID: 4cNSRyfC)
暖かな風が吹き抜けていた、6年前の4月。
自分達のすべてが奪われた、あの春。
ーーー...兄が壊された、憎き春。
(・・・・だから、春は嫌いだ。)
担任が青春だとか勉学だとかを熱弁している話をBGMに瑠衣は慣れない制服に身じろぎした。
今日から通い始める、坂の上にあるGOT'sの一校、叡神高校。
今日も今日とで教室には暖かいーー不快な風が吹き込んでいた。
「次、司波瑠衣!」
「…はい。」
担任の嫌に暑苦しい声に答え、教卓の前に立つ。今の時間はーーー自己紹介で在ったか。
「司波瑠衣です。」
名前を言って去ろうとすると担任が急いで行く手を阻んできた。
額にはうっすら血管が浮き出ている。
「あの…まだ、何か?」
「何か、ではないだろう!いつまでそうしている!!」
あ、キレた。そう目の前のお怒り担任をひとつの現象のように受け流していると、最後に飛んできた。
「まったく…あのネストの探偵の弟だと言うからなんだと思ったら……」
「ッ…あんたが仁を気安く語るな!!」
教卓を叩けば、担任は驚いて一歩後退り、教室内は騒然とし始めた。
その騒然のなかの話題に、仁は居ない。
でも、これでいい。
(もう、誰にも仁を”わかった振り”させない。)
常に父を尊敬していたあの男がちらつく。
(大人なんかに、ネストなんかにー…)
犯罪者なんかに、仁の心を殺させない。
- Re: ハンドレFa 名のない鷹 ( No.1 )
- 日時: 2025/08/05 02:13
- 名前: ひある (ID: 4cNSRyfC)
入学式早々に職員室に呼び出され、ようやく解放された夕暮れ時。
「…学校、どうしよう。」
元来頭が良く不登校がちであった自分に勿体無いと推しまくった中学生時代の担任のせいで入ることになった学校。
正直行かなくてもいいかと諦めていると、頭のなかに嫌な映像が視えた。
「……」
流石に見捨てられないと数メートル先の横断歩道に走り出す。
丁度到着したところで”視えた”少女も現れた
「…君、ちょっと」
声をかけると少女もこちらに駆け寄ってくる。
「?どうしたの、お兄さー」
直後、少女がたっていた場所に車が通りかかった。
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