二次創作小説(新・総合)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 星のカービィ ギャラクティックファイターズ
- 日時: 2019/11/01 14:38
- 名前: TK (ID: CMSJHimU)
TKと申します。この作品は歴代のカービィ作品のラスボス達とそれに立ち向かうべく呼び出されたヒーロー達のオールスターバトルとなります。この作品を読むにあたっての注意があります。
・この作品はカービィの二次創作であり本作とは全く関係がありません
・キャラクターの性格、喋り方、設定などは独自解釈です
・一部ですが擬人化されたキャラクターが出てきます
・オールスターといいつつもラスボスが抜けていたりなぜこの人選をしたんだという組み合わせがありますが最終的にはラスボスは全て出します
以上の注意書きを読んだ上でこの作品をお読みください。
登場するキャラクターは以下の通り
ノヴァ(ヒーロー)&ナイト(ラスボス)
カービィ&ダークマター
デデデ大王&ナイトメア
バンダナワドルディ&マルク
星くん&グリル
リボン&ゼロツー
ドラグーン&ハイドラ
メタナイト&ダークマインド
魔法の絵筆&ドロシア
トリプルスター&ドロッチェ
フラッフ&アミーボ・アモーレ
勇者の心&ネクロディアス
ランディア&マホロア
タランザ&クィン・セクトニア
エリーヌ&クレイシア
秘書スージー&星の夢
フラン・キッス&エンデ・ニル
andmore
キャラクター紹介
(カービィ〜ドロシア) >>01
(トリプルスター~エンデ・ニル) >>02
プロローグ >>03
第1話 >>04 第2話 >>05 第3話 >>06
- Re: 星のカービィ ギャラクティックファイターズ ( No.2 )
- 日時: 2019/01/22 09:57
- 名前: TK (ID: I.inwBVK)
キャラクター紹介(後半)
・トリプルスター(三ツ星)
ノヴァの力が宿り意思を持った空に隠された神具。三ツ星の称号に相応しく教えればあとは自分でなんでもこなせるオールマイティであり、廃れてしまった王国を自力で復活させたという逸話をもつ。性格は明るくデデデ大王と同じくムードメーカー役を努める。なお勝負に負けるとわかりやすくヘコむ。
「私の力でノヴァの皆様を必ずや勝利に導いて差し上げましょう!」
「三ツ星クラスの力、あなたに思い知らせてあげます!」
「私が、負けた?そんな……」
・ドロッチェ(盗賊)
キザで義に厚いナイトのメンバー。そんな彼がなぜナイトに呼ばれたのかは未だに謎に包まれている。ロマンと共に生き、ロマンと共に死ぬといった生き様を示しており、エンズ・ワールドのお宝を巡って旅を進めてきた。また、彼には紳士的な一面もあり、たとえ敵対する勢力の女性とは言え自分からは攻撃しないという。
「弱きを助け、強きをくじく。俺の好きな言葉さ。」
「女性も宝も同じさ、同じように大事にしなくてはな。」
「こうなることは避けられないか……かなり痛いが、許してくれるな?」
・フラッフ(王子)
性格もフットワークも軽いノヴァのメンバー。初見では王族とは思えない性格だが礼儀正しくマナーも良く、しっかりと王族している。アミーボ・アモーレに露骨にライバル視されており、さんざん罠をしかけられたり攻撃を受けたりするが、本人は気にせずキレイに避け返り討ちにあうことがほとんどである。
「束縛されるのは嫌いさ、ボクは自由を求めてるからね。」
「王族に見えないって?これでも元の世界では割と頑張ってたほうなんだよ?」
「キミも懲りないね……いいよ、かかってきな!」
・アミーボ・アモーレ(策士)
ずる賢く狡猾なナイトのメンバー。ユーモア溢れる性格だが根は曲がっており、エンズ・ワールドを自分のものにしようと企んでいる。幸せというものが何よりも大嫌いで他人の不幸に喜ぶ。フラッフを露骨にライバル視しており、いろんな手を使ってフラッフを邪魔しようとするがキレイに避けられる。しかし全く懲りていないようである。
「ワシがこの世界の主にふさわしいでアミーボ!」
「ワシはな、幸せー、とか希望ー、とか、正義ぶったやつらが御託ならべて説教するのが大嫌いでアミーボ!」
「フラーッフゥゥ!!ここであったが百年目でアミーボ!」
・勇者の心(勇者)
カービィの体から飛び出た意志がノヴァの力と融合してノヴァのメンバーになった。おとぎ話の勇者そのもののような性格で、真面目かつ正義感に溢れており、世界を守るためにエンズ・ワールドを旅している。カービィの体から飛び出たせいなのか、本人もトマトとフルーツが大好きになった。
「全てはこの世界を守るために!」
「ネクロディアス、貴様との因縁、ここで断ち切る!」
「トマト……?あぁ、いただくとしよう。トマトは私の好物だ。」
・ネクロディアス(骸王)
闇の力を好み光が嫌いなドクロ団の長であり、ナイトのメンバー。多くの団員を率いて動いてきた彼はかなりのカリスマ性を持ち、冷酷な野心家で、大いなる力を手に入れてからは多くの星を闇に閉ざしてきた。そんな彼もナイトの軍の例に漏れずエンズ・ワールドを闇に包もうと企んでいる。
「光など無意味、この世は闇さえあればよいのだ。」
「なぜ闇に抗うのだ、どうせ全ては無くなる、消える。」
「こい、勇気などなんの役にもたたんということを示してやろう。」
・ランディア(守護者)
おそらくノヴァのメンバーの中でも最年長であるドラゴン。今回は他の3つの首は置いて代表のリーダーが参戦した。長く生きて得た知識と経験をもとにメンバーを率いたり、子供メンバーの保護者にもなったりする。戦いではドラゴンの力強さを存分に振るう豪快な戦い方を見せる。
「私の力が必要か?ならば力を貸そう。」
「はっはっは、元気がいいな。私も負けてはいられない。」
「過ぎた力は身を滅ぼす、自惚れも大概にすることだ。」
・マホロア(戯言)
息をするように嘘を吐くナイトのメンバー。胡散臭い話を投げかけては相手を困らせる変わり者で、性格はひねくれているが魔術の才能はピカイチ。この世界を支配しようと考えた彼は人の心を巧みに操り利用する。嘘で塗りかためた仮面を幾重も装着した彼の本性を見破れる者は誰一人としていない。
「この世界を支配するコトは全宇宙を支配するコトの準備運動ダヨォ。」
「ボクを信じてヨォ!確かに何度も疑われるようなコトはしたけど……」
「ボクの覇王への道はダレにも邪魔サセナイ……まずはキミからぶっ潰してアゲルヨォ!」
・タランザ(従者)
頭脳明晰だけどどこかドジなノヴァのメンバー。頭がよく育ちがいいがどこか天狗な部分もありちょっぴりナルシスト。なぜか子供メンバーに振り回される日々を送りながらも向こうに呼ばれたセクトニアを案じている。自分の道がわからず迷ってきた彼だったが仲間達に背中を押され、かつての主と戦うことを決めた。
「ワタシにかかればそんなもの、お見通しなんだよねっ!」
「ちょ、子供達よ、ワタシの髪を引っ張るのはやめるのね!そこ、ワタシの手を持ってくな!」
「セクトニア様……ワタシはどうすれば……」
・クィン・セクトニア(女王)
絶世独立で美しきナイトのメンバー。美貌、武力、高貴さ、どれをとっても一級品であり、他のメンバーを汚らわしいものと完全に下に見ており、創造主を前にしてもその威厳を崩すことはない。今まで自分が頂点である世界に君臨していたので常に高圧的であり、美しさを保つためにはどんなことも厭わない執着さを見せる。自分のことを慕っているという輩がいるが、そんな奴などどうでもよいのだ。
「童にひざまずき、全てを捧げよ。」
「フン、貴様など童の足元にも及ばんわ。」
「童に逆らうか……ならば死をもって償え。」
・エリーヌ(彩精)
気が強くおませなノヴァのメンバー。いろんなことは自分ひとりでできると思っているが基本できておらず、星くんと合わせて子供扱いされることを不満に思っている。いつも元気に振る舞い悩みのないように見せているが、本当は自分が落ち込んでいるところを見られて弱いやつだと扱われたくないことを隠している。
「なにぼさっとしてんの!さっさと行くわよ!」
「ちょっ……何見てるのよっ……あっちいきなさいよ……」
「なんでそっちにいるのよ、クレイシア……」
・クレイシア(創造者)
思いやりがあり優しいナイトのメンバー。そんな彼女がなぜナイトに呼ばれたのかは未だに謎に包まれている。想像力が豊かな芸術家気質であり、暇さえあればインスピレーションのままに作品を作っているが、いつもできるのは無色の作品故に寂しさを感じている。とある少女のことをいつも気にかけている。
「このインスピレーションを止めるには、作るしかないわね……」
「あなた達と戦うことで、新しい扉が開く気がするわ。」
「あなたと戦うことも必要なことなのよ、エリーヌ。」
・スージー(秘書)
したたかで働き者なノヴァのメンバー。お茶汲みから戦闘までそつなくこなすオールマイティ。今回はスケジュール組み立ての必要が無いのでのんびりしている様子であり、ときどき女性メンバーを引き連れてお話している。そして隠れて髪飾りを触りながら誰かのことを思い出している姿も目撃されている。
「今回はスケジュールを組まなくて住むからゆっくり羽を伸ばせるわー!……まあそんな事言ってられる状況じゃないんだケド。」
「上から目線のやつらが多くて、ホントーに困りますわー。」
「あんたのせいで、全部めちゃくちゃだわ……アイツもアイツよ………」
・星の夢(電脳)
まさかの機械がナイトに呼ばれてしまった。機械なので性格というものは無いに等しく、ナイトの軍を効率的に進ませるべくノヴァのメンバーを殲滅しにいく他、どこのデータから採取したのか、寿命のある生物に哀れみを抱いている。また、何かを模して作られたのかどこか少しだけポンコツな所も見せる。
「敵勢存在ヲ感知……殲滅シマス。」
「争ウコトハ、不要ト判断……ホロビナサイ。」
「生命体……カナシミ………モロイモノデス。」
・フラン・キッス(氷華)
氷のように冷たいオーラを放つノヴァのメンバーの一番の新参者。常に冷静であり他のメンバーとは異様な雰囲気を醸し出し、エリーヌに憧れの目で見られている反面、なぜかスージーからは嫉妬のような目で見られている。美しいものを好んでおり好きなものを見つけると氷漬けにするという噂。
「フフフ………ジャマハローア。」
「なぜ私はこんなトコロへ……?ルージュさん?……リーダー?」
「こんな禍々しいものが私達を希望の道へ……?」
・エンデ・ニル(破神)
破壊し蹂躙するために生まれたナイトのメンバー。神様なだけあって威厳も重圧もトップクラス。元々は善でも悪でもない完全なる中立の存在だったが負の感情を対価に捧げられたためただ破壊を行うだけの存在と化してしまった。彼もまた創造主の思惑には従わず破壊衝動の赴くままに世界を蹂躙する。
「地を哀で包む時がきたようだ。」
「光も闇も、この破壊の力の前では無力。」
「祈り子か?……ならば叫びを捧げよ。」
- Re: 星のカービィ ギャラクティックファイターズ ( No.3 )
- 日時: 2019/01/25 19:21
- 名前: TK (ID: aFJ0KTw3)
プロローグ・ひかりとやみのたたかい
ここはカービィの世界とそっくりの世界、エンズ・ワールド。光と調和を司るギャラクティックノヴァと闇と混沌を司るギャラクティックナイトが共に力を合わせて別次元から作り出した。エンズ・ワールドは2人の力によって長く平和が続いていた。
しかし、突如としてギャラクティックナイトがこの世界に混沌をもたらすために様々な世界、次元から最凶の軍勢を呼び出した。この事件のよりエンズ・ワールドの危機を感じたギャラクティックノヴァは同じく様々な世界、次元から最強の軍勢を呼び出した。これにより光と闇の頂上決戦が始まった。これから話すのはその物語である。
光の広場
ここはギャラクティックノヴァが呼び出した軍の拠点となる光の広場。広々とした空間が淡い光で満ち、その中心となる台座ではノヴァが佇んでいた。そしてノヴァを取り囲んでいるのはたった今ノヴァに呼ばれたヒーロー達だった。姿は違えどみな同じ自分のことを身に何が起こったかわからないといった表情をしていた。
カービィ「ん………ここ……どこ?」
デデデ「お?なんだここは………お、バンワド、お前も呼ばれたか。
バンワド「あ、大王様……ここはどこなんでしょう……」
メタナイト「ここは………」
最初に呼び出された4人は真ん中にノヴァがいることに気がついた。
カービィ「君は……だあれ?」
ノヴァ「READY……どうやら儀式ハ成功シタようです……」
デデデ「おい!質問に答えやがれ!」
ノヴァ「ワタシは…ノヴァ……こノ世界ニおいテ、光と調和ヲ司るものデス……」
メタナイト「私達をなぜここに……」
ノヴァ「ソレを説明するニハ、まダ早いようデス……」
デデデ「なんだと!?それはどういうこと……お?」
ノヴァと話している4人の後ろに光が現れ、そこから新しいノヴァの軍となるヒーローが現れた。
星くん「あれっ……ここはどこ?」
リボン「ここは……どこでしょう?」
フラッフ「おっとっと……あれ、ボクの書類は……?」
ランディア「……ついに呼ばれたか。」
現れたのは流星の子供、神秘的な水晶を持った小さな妖精、青い体の王子、大きなドラゴンだった。ノヴァが呼んだメンバーはよくも悪くも個性的だった。
フラッフ「おや、先客がいるようだね。ボクはフラッフ、お取り込み中のところ悪いんだけど、いったいここはどこなんだい?」
デデデ「知らん、俺様達も今ここに呼ばれたところだ。」
フラッフ「つまり、誰も状況を知らないと……」
メタナイト「この分だとまだまだ呼ばれそうだ。」
リボン「わかるんですか?」
メタナイト「見ろ。」
メタナイトが指を指した所にも更に光が現れ、またもノヴァの軍のメンバーが現れた。
タランザ「うわあぁぁ……あれ、ここはどこなのね……?」
エリーヌ「こ、ここ、どこなの……?私、まいご?」
スージー「あら?さっきまで会議室にいたのに…」
キッス「ここは……?どうやら祭壇ではないようですが……」
光から落っこちてきたのは、不思議な柄のマントを羽織った男、頭が虹色な妖精、スーツを着こなした秘書、そして特徴的なローブを着て帽子を被った青髪の女性だった。
スージー「あなたね!私をこんな場所に呼び出したのは!どういうことか説明してくださいまし!」
ノヴァ「いいデショウ……時ハ満ちマシタ……」
メタナイト「これで全員、ということか。」
ノヴァ「話し、マショウ……何故、アナタ達ヲ呼んダのかヲ……」
ノヴァ「コノ世界はワタシとギャラクティックナイトが作ったモウヒトツの世界……「エンズ・ワールド」ト呼んデイマス。この世界ハ2人の力ニヨリ長く平和を保ってキタのですガ、突如とシテギャラクティックナイトがコノ世界に混沌をもたらそうとシタようです……ギャラクティックナイトは様々な世界カラ最凶ノ軍勢ヲ呼び出シましタ。」
カービィ「最凶の軍勢?」
ノヴァ「アナタ達ごとノ世界で悪と呼ばれル存在デス。」
フラッフ「悪と呼ばれる存在?」
ノヴァ「YES…写し出シテみまショウ。」
ノヴァは目から光を放ちホログラムを作り出した。そのホログラムは確かに呼ばれたヒーローの世界では悪と呼ばれていた者達ばかりであり、ヒーロー達の顔は驚きや恐怖に満ちていた。
デデデ「ナイトメアめ……」
バンワド「ま、ま、マルクが……マルクが……」
リボン「ゼロツー……!?」
ランディア「マホロアか…」
スージー「星の夢……」
そしてメタナイトがあることに気がついた。
メタナイト「向こうの数が多いような気がするが……」
キッス「そうですわね、相手はそうとうな実力者達でしょうし、なんとかして戦力差を埋めなければ……」
ノヴァ「ソノ心配には及ビまセン……」
するとノヴァは異空間からいくつかの道具を呼び出した。絵筆に杖に星に虹色の乗り物……それらにノヴァは光を与えた。光を与えられたそれらは光に包まれて命が吹き込まれた。身の丈ほどの髪を持つ虹色の少女、星の杖を持った少女、虹色の羽を持つ女性騎士、そしてカービィと同じ黄色い1頭身が現れた。
ノヴァ「成功したヨウデス。」
デデデ「おお……こりゃ……」
絵筆「……よろしく。」
トリプル「大彗星様の命により馳せ参じました!共に勝利を掴みましょー!」
ドラグーン「こうして会えたのも何かの縁。皆様、よろしくお願いいたします。」
勇者「この剣とともに勝利を掴むことを誓おう。」
こうしてノヴァの軍は全員集合を果たした。そしてノヴァは改めて告げる。
ノヴァ「このままデハ、エンズ・ワールドは崩壊シ、元ノ世界ニどんな影響ガアルカわかりません……皆様ニはギャラクティックナイトの軍ノ掃討をお願いシマス……」
カービィ「いいよ、僕に任せて!」
デデデ「おっし、やってやるか!」
バンワド「が、頑張ります!」
星くん「ちゃちゃっと終わらせてやる!」
リボン「…………」
ドラグーン「野放しにしてはおけませんからね。」
メタナイト「……これもまた鍛練になるか。」
絵筆「………頑張る。」
トリプル「私にかかれば勝利間違いなし!」
フラッフ「しょうがない、頑張るかな。」
勇者「行こう、勇気のままに。」
ランディア「放ってはおけないからな。」
タランザ「……女王様………」
エリーヌ「なんで………」
スージー「スケジュールに縛られない戦い……ワクワクしますわ!」
キッス「行きましょう……楽園を守るために。」
こうしてノヴァの軍はナイトの軍を倒すために戦いに身を投じることになった。
- Re: 星のカービィ ギャラクティックファイターズ ( No.4 )
- 日時: 2019/01/31 14:35
- 名前: TK (ID: aFJ0KTw3)
第1話・せかいをまもるたびじ
グリーングリーンズ
広大な空と草原が広がる大地の中、カービィはワクワクしていた。旅人である彼は知らない仲間、知らない大地を見ることを何よりも楽しみにしており、他の殺伐としたメンバーよりも笑顔に満ちあふれていた。のんきにのほほんと一人旅をしていると殺伐としたメンバー代表のような顔をしたドラグーンに会った。虹色の羽を持った鎧がとても映えていた。
カービィ「あ、ドラグーン!やっほー!また会ったね!」
ドラグーン「あ、えと……カー……ボンさん?」
カーボン「カービィだよ!」
ドラグーン「すみません、名前を覚えるのが苦手なもので……」
カービィ「まぁいいや。それよりも顔こわばってるよ?どうしたの?」
ドラグーン「私がこうして呼ばれたということは、あの人も向こうに呼ばれているでしょうから……」
カービィ「あの人?」
ドラグーン「私と対をなすハイドラという存在です。」
ドラグーンはハイドラについて詳しく話した。遥か昔から戦うために造られたハイドラは強大な力故に全てを破壊した。生物、無機物、歴史、思い出、存在するものもしないものも荒らし回った彼はきっとこの世界においても破壊の限りを尽くすだろう、と。カービィはそれを聞いて仰天した。そんな無茶苦茶な乱暴者に会ったことがなかったからだ。
カービィ「そ、そんなに乱暴者なの?」
ドラグーン「はい。野放しにしていてはいずれこの世界は瓦礫の山になってしまいます。その前になんとしてもハイドラを止めなければ……」
カービィ「なるほど……わかった、一緒に行こう!旅は道連れってね。」
ドラグーン「かしこまりました。」
ドラグーンも引き連れてカービィとの二人旅が始まった。二人のテンションの差は激しく、一人はまわりの景色を見て楽しんでおり、もう一人は世界のことを危惧していた。
ふと、2人は空に星が流れていることに気づいた。
カービィ「流れ星だよドラグーン!お願いごとをしよう!」
ドラグーン「こんな昼下がりに流れ星……?」
カービィ「トマトがたくさん食べられますようにトマトがたくさん食べられますようにトマトがたくさん食べられますように……」
ドラグーン「…………」
カービィ「……あの流れ星だけなかなか消えないね。」
ドラグーン「……なんだか大きくなっているような気がしますが。」
カービィ「あれはたぶん……」
ドラグーン「こっちに向かってきますね。かなりの大きさです。」
カービィ「逃げろー!」
迫り来る隕石から逃れるためにカービィとドラグーンはひたすら走るが、隕石は予想以上に大きくこのままでは間に合わない。それを一足先に感じたドラグーンはカービィを抱えて僅かな段差から飛行機のように飛び上がった。ハイドラとは違い飛行能力に長けているドラグーンは高く飛び上がり機動力によって隕石をよけた。隕石は地面に深くめり込んだあと周りの地形を巻き込み衝撃を起こした。ドラグーンも風に巻き込まれ吹き飛んでしまう。
カービィ「うわぁっ!」
ドラグーン「うっ……!」
体勢を立て直し安全な所で着地し、改めて隕石を見上げると驚くべきことに気がついた。なんと隕石の正体は四角いブロックだったのだ。その四角いブロックはデデデ城なみに大きかった。
カービィ「こ、こんな星ブロック初めて見た……」
ドラグーン「私の世界ではあまり見たことはありませんが……しかしなぜ星ブロックが?」
2人はよくみると他にも小さい星ブロックがいくつも落ちていた。
カービィ「どこから降ってきたんだろう……あの崖あたりかな?」
ドラグーン「見てみましょうか。」
2人は星ブロックが降ってきた原因を調べることした。
崖の上に1人の魔法使いが佇んでいた。しましま模様の帽子をかぶりほうきを持ったその魔法使いは山ほど大きな星ブロックが落とせたことに大満足していた。彼は自分の強さをひたむきに追い続けていたのである。
???「こんなに大きな星ブロックが落とせた!やった!」
カービィ「こらー!」
???「ん?」
魔法使いはドラグーンに乗りながらこっちに向かってくるその存在に初めて気がついた。この草原で初めて人に会ったのか笑顔で話しかけた。
???「おー!こんな所で人に会うなんて!」
カービィ「こんなにいっぱい星ブロック落っことしたら危ないでしょ!ケガしたらどうすんの!」
???「あー……そうだったね、ごめんね。」
魔法使いはそう言うと指パッチンで星ブロックを消した。あの大きな星ブロックも煙のように消え、あとには穴がボコボコ開いた地面だけが残った。
カービィ「すごいすごい!」
ドラグーン「それよりも、どうしてあんなにたくさんの星ブロックを?」
???「ボクちんの練習のためさ!あんなに大きな星ブロックを落とせたのは初めてだけどね。」
カービィ「君はだあれ?」
グリル「ボクちんはグリル!ぎゃらくてぃっくないと?に呼ばれたんだ!」
その一言を聞いてドラグーンは驚き剣を抜いた。カービィは慌ててドラグーンを止めるが、グリルは嬉しそうにそれを見ていた。
グリル「ボクちんの相手になってくれるの?嬉しいなぁ。」
ドラグーン「ナイトの軍勢であれば容赦はしません!」
カービィ「ま、待って待って!」
グリル「ノヴァの軍がどのくらい強いのか、ボクちんが試してあげる!けど2人はちょっとキツいから……カモーン!」
グリルはそう呼ぶと目の前の空間が黒く歪み、奥からひとつ目の剣士が現れた。
ダークマター「私を呼んだか……」
グリル「今からノヴァの軍とバトルするんだ!キミも手伝ってよ!」
ダークマター「……いいだろう、私もちょうど試したかったところだ。」
カービィ「ダークマターがきたなら話は変わる……僕も頑張るよ!」
ドラグーン「ここで蹴散らしておきましょう。」
- Re: 星のカービィ ギャラクティックファイターズ ( No.5 )
- 日時: 2019/08/17 16:19
- 名前: TK (ID: aFJ0KTw3)
第2話・つわものがあつまるそうげん
グリーングリーンズの広い空の上には、ドラグーンとグリルが空中戦を繰り広げていた。空中戦を主体とし、高い飛行能力を持っているドラグーンが有利かと思われたが、またがっているグリルの箒のスピードも負けず劣らずドラグーンに食いついている。目まぐるしく空を駆け巡る二つの点の下には、さらにもう二つの点が戦っていた。
カービィ「それっ!とぉっ!」
ダークマター「…………」
遠距離から爆弾を投げ、中距離から槍を突き、近距離から剣で攻撃するカービィ。しかしダークマターは冷静にそれをいなし、的確に剣の一撃をカービィに当てる。狙い澄ました重い一撃、カービィは軽い身のこなしで衝撃を受け流し着地した。恐らくノヴァの軍勢の中で誰よりも戦闘経験が豊富なカービィ、ナイトの軍勢の中でもトップクラスの近距離性能を誇るダークマター。二人の戦いは熾烈を極めた。
グリル「嬉しいなぁ……こんな強い人達と戦うことができて!」
ドラグーン「……それは光栄です」
一方ここは空の上、グリルはとても楽しそうにドラグーンの攻撃を受け止めていた。強い相手を求めて宇宙狭しと旅するグリルにとって、空の覇者であるドラグーンと戦えるということはまさに至上の喜びであったからだ。
グリル「じゃあ……これはどう!?」
グリルは箒をグルグル手で回転させた。すると箒の先がピカピカと光り、グリルは箒を振りおろした。するとグリルの背後の空から星が書かれたブロックが雨のように降ってくる。ドラグーンは背中に展開したプリズムのような羽を光らせブロックの雨を縫うように避け、持っていた剣で星ブロックを打ち返した。グリルは飛んできたブロックを箒で防いだものの、後からやってきたドラグーンの斬撃をまともに食らい地面に激突してしまった。
グリル「うへぇ……なかなかやるね……」
ドラグーン「これでとどめを……っ!?」
ドラグーンは横から飛んできた黒い雷球を避けた。その隙にグリルは体勢を立て直した。カービィと戦っていたはずのダークマターがいつの間にかドラグーンに横槍を入れていたのだ。そしてまたカービィとの戦いに戻っていった。カービィは剣と槍を構えてダークマターに突撃する。ダークマターも大きな剣でカービィに立ち向かう。ぶつかる2人の傍ら、グリルとドラグーンも空を縦横無尽に舞いながら空中戦を繰り広げていた。
そしてカービィはダークマターと距離を取り、手を空に掲げた。すると自分の身長の何倍も大きいであろう剣が光と共に現れた。正真正銘、カービィの切り札のひとつ、『ウルトラソード』である。カービィは大きな持ち手を持ち、力いっぱいダークマターに振りおろした。ダークマターは剣で受けとめるが、受けきれずにふっ飛んでしまう。
カービィ「でやあああぁぁ!!」
ダークマター「ぐっ…!」
ダークマターはものすごいスピードで飛んでいき、ドラグーンと戦っていたグリルにもぶつかってしまった。
グリル「わぁっ!?」
2人もろとも地面に激突した。カービィとドラグーンが追いうちをかけようとすると、周りに黒い雲が立ち込め、晴れた時には2人は消えていた。
ドラグーン「…!?あの方達はどこに……」
カービィ「もしかして、逃げちゃったのかな」
ドラグーン「くっ……仕留め損ないましたか」
ドラグーンとカービィは武器を収め、周りを見回すが、やはりどこにもいなかった。
カービィ「ま、そんなに怒ってもしょーがないよ。また見つければいいさ」
ドラグーン「どうすればそんなにのんきでいられるのかがわかりませんが……確かにそうですね」
2人は草原の先に進むと、大きなワープホールがあった。
カービィ「あ、ワープホールだ!まだ見ぬ世界へ!レッツゴー!」
ドラグーン「ハイドラ、あなたはいつか必ず………」
ワープホールも消え、草原には戦いの跡だけが残った。
- Re: 星のカービィ ギャラクティックファイターズ ( No.6 )
- 日時: 2019/11/01 14:37
- 名前: TK (ID: CMSJHimU)
第3話・だいおうとまじょ
トライアルシティ
ここは独特なデザインをした大きな街。首が痛くなりそうなほど高いビル群が建ち並ぶ。時空の歪みから飛び出したノヴァの戦士は自分の城並みに大きなビル群を見て驚いていた。
デデデ「ぬおー!?なんじゃここは、俺様の城並みに大きな建物がそびえ立っとるではないか」
バンワド「大王様、僕達は観光しに来たわけじゃないですよ」
デデデ「わかっとる!」
デデデ大王のそばをついて回っているのはバンダナワドルディ。ワドルディはたくさんいるが、その中でもバンダナワドルディ(以下バンワド)は大王にリーダーの証であるバンダナを貰えるほどその実力を買われている。中でも抱えている槍での槍術は右に出る者はいない。しっかり者のバンワドは大王や自分がちゃんと使命を全うできるかついていくことにしたのである。最初こそ「自分のためだ」と言っていた大王であったが、何だかんだ言ってちゃんと役目は果たすつもりなのだ。
デデデ「ナイトメアー!どこだー!出てこーい!俺様が直々に叩き潰してやるー!」
バンワド「……大声を出しても返事がないどころか声が響いて返ってきますね」
デデデ「ここは俺様とバンワド以外おらんということか?」
バンワド「そうみたいです」
大王達が街中を探してもナイトの戦士は見つからなかった。ここにはおらんようだと諦めてどこかへ行こうとした時、街の風景が一瞬にして歪んだ。2人は慌てて武器を構え警戒する。
『……サナイ……』
デデデ「ひっ!?な、なんじゃこの声は!どこじゃ出てこい!俺様をビビらそうったってそうはいかんぞ!」
『……ユルサナイ………』
声はあらゆる方向から響き声の主の居場所もわからない。とりあえず周囲を警戒していると掠れていた声はどんどん鮮明に聞こえてくる。恨みや憎悪にかられたような不気味で暗い声の主は2人の背後に現れた。それは忘れ去られた絵画に宿った憎悪、ドロシアだった。
ドロシア「絶対に許さない…………」
2人「「ぎゃああああああ!!!!!」」
幾重にも重ねたローブと長い髪により顔面は見えづらいが、そこから覗く瞳に光は灯っておらずその瞳の奥では何よりも深い闇の炎が灯っていた。その要望と不気味な笑い声に大王とバンワドは叫び、腰を抜かしてしまった。空中に現れたドロシアはアワアワと震えている2人を見下しながらゆったりと下りてくる。
ドロシア「許さない……あの大彗星め……私の絵筆を…絵筆をぉぉ………」
ドロシアの様子を見ながら、2人はひそひそと話をする
デデデ「なぁ、絵筆って、ノヴァの力でカワイコちゃんになったっていうあの子か?」
バンワド「たぶんそうかと……」
デデデ「しかしノヴァに呼ばれたってことはいい子なんだろ?そんな子をあいつの手に渡しちゃ何されるかわかったもんではないな」
バンワド「じゃあ………」
デデデ「そうだ、どっちにしろ世界を守るには戦わなきゃならん」
バンワド「ひえぇ……」
2人は武器を持ち直し、ドロシアに向き合う。
ドロシア「あなたも私の邪魔をするのね……許さない……許さない…ユルサナイユルサナイユルサナイ!アアアァァァァァァ!!!」
ドロシアはぶつぶつと呟いた後にキャンバスを召喚しトゲの絵を描き殴った。するとキャンバスが消え地面から鋭いトゲが生えてきた。
デデデ「おわ!?トゲだトゲだ!」
バンワド「ひえええ!」
2人は慌てて避けつつ攻撃のチャンスを伺う。
デデデ「うおおお!」
大王は固いトゲに足を踏みかけジャンプし空中のドロシアに向かってハンマーを振り回す。バンワドも槍を高速回転させ、ヘリコプターのように旋回しドロシアに向かって槍を投げた。対するドロシアもキャンバスに爆弾を書きなぐり、槍と大王を吹き飛ばす。それでも負けじとトゲを避け、ハンマーを振り回し槍を投げる。幾多の冒険を積み試練を潜り抜けてきた2人にとってドロシアの攻撃を避けることはさほど難しいことではなかった。ドロシアは怒りをあらわにし、今度はキャンバスを高速回転させ飛ばし始めた。キャンバスの回転はビルに傷をつけるほど鋭く2人の服にも傷がつく。
デデデ「うお!?俺様のガウンとハンマーに傷をつけおって……」
バンワド「大王様!戻ってきますよ!」
デデデ「なにぃ!?どわぁ!?」
デデデはブーメランのように戻ってきたキャンバスをお腹を引っ込めてなんとかよけた。キャンバスは回転をやめドロシアの周りを漂っている。そしてドロシアは何かを書きなぐりキャンバスが消えた。それは大きな鎌だった。
ドロシア「容赦しないわ……これで刈り取る!」
バンワド「鎌!?鎌が出てきましたよ!?」
デデデ「やかましいわかっとる!」
ドロシアの鎌は弧を描き2人のもとに迫り出した。
Page:1 2