SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

大好きなキミへ、ボクから送る最後の言葉 ( No.34 )

日時: 2015/11/15 14:32
名前: もな

「大好き!」



そうキミに伝える事が、ボクの唯一の幸せだった。



妄想でも、夢でも、キミに会える事が



ボクの生きる勇気になれた。








桜舞い散る一学期、運命のクラス替えで、



ボクはキミと同じクラスになれたよ。


お早う、キミがボクにそう挨拶してくれた。


キミがボクの事をただのクラスメイトだと思っていても、


ボクにとっては命よりも大切な人。


ある日の帰り道、ボクはキミの後ろで


トモダチと一緒に帰り道を歩いた。


キミは一人で帰り道を歩く。ボクは人と帰ってる。


キミの寂しそうな背中が、ボクはずっと忘れられない。


いつも持ってきてるかばんから、キミがお気に入りの本を出し、


キミは自分の世界に入る。


ものすごいスピードを出した車がキミの目の前まで来た。


プップー、とクラクションが鳴る。


しかし車は止まる気配はない。このままじゃキミは車に…。


ボクは無我夢中でキミの方へ駆け出した。


ドンッ


車と何かが接触する音が聞こえた。


車はそのまま走り去っていく、キミはボクが押したせいで


こけたけど、キミの人生はきっと光り輝くはず。



ボクは瀕死状態だった。



ああ、ボクは幸せものだ。


だってキミの腕の中で死ねるんだもの。


キミの涙がボクの頬に流れ落ちる。


泣かないで、キミの笑顔をボクは見たい。


ああ、ボクはキミの世界に迷い込んでしまったようだね。


ボクは最後の力を振り絞って笑顔でキミに言ったんだ。


「大好きだよ」


と…。


〜fin〜

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