SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】
空への手紙 ( No.52 )
- 日時: 2015/11/22 21:55
- 名前: シャノン
偉大な人になりたい・・・これが私の夢。
人間・・・それは僕の嫌いなもの。
いつ死んでしまうのか・・・俺の不安。
『この世界に生きている、私・僕・俺は、何?』
私の夢は、偉大な人になること。
今の私は、男女問わず全校生徒と仲がいい優等生。このまま進めば、偉大な人になれるかも!と思ったりするけど、現実はそんなに甘くないっていうことはわかっている。でも、どうしても、私が生きた証を残したい。
そんな事を考えながら、いつものようにベランダで空を見上げていた。
すると、一つの風船が目の前に落ちてきた。
僕は、人間が嫌いだ。
どんなにいい子でも、《生きる》という罪を犯している。それは僕も同じ。死なない限り、犯罪者なんだ。あぁ、どうしてこの世界に産まれてきたんだろう?
そう思いながら歩く。ふと、空を仰いだ。
すると、一つの風船が空から降ってきた。
俺はいつ死ぬのか?不安になる。
びくびくしてみっともないと思うけど、死ぬのが怖い。死んだらどこに行くのか?死ぬのは苦しいのか?
だから、俺は空に手紙を送った。
―――この世界に生きている君へ―――
君は、自分の夢に自身をもてますか?
君は、嫌いなものはありますか?
君は、自分がなぜ産まれてきたのかわかりますか?
自分の存在意義が、存在価値が・・・
わかるなら教えて下さい。
何も知らない俺に・・・
偉大な人になりたい・・・これが私の夢。
人間・・・それは僕の嫌いなもの。
いつ死んでしまうのか・・・俺の不安。
人は、それぞれに色々な気持ちがある。
ある女の子の、偉大な人になるという夢。
本当は、《生きる》という宇宙をも変える凄い力で、もう偉大な人になっているのかもしれない。
ある男の子の、嫌いな生き物・人間。
本当は、《生きる》という時代をも変える凄い力で、この世界に存在しなくてはならないものになっているのかもしれない。
ある男の子の、死ぬことへの恐怖。
この世界のどこかには、生きることへの恐怖を抱いている人も、いるのかもしれない。
Aさんの事は、Aさんしか知らないように、
自分の事も、自分しか知らない。
だから、己の気持ちを語り合おう。
自分自身と、そして《生きる》ということで繋がっている仲間と・・・
空に送る手紙のように・・・