SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

彼氏は幼なじみ☆ ( No.61 )

日時: 2015/11/30 23:47
名前: 桜ルカ

しんしんと雪が降りつもる中、私は彼氏に別れを告げられた。
何日経っても信じられなくて、いつも幼なじみの佐藤葵(さとう あおい)が…優しくなぐさめてくれたの_…。

 * * *

「桃花ぁ!!いつまで部屋にこもってんだよ!」
ダダダダッ!!…と、家の階段からものすごい音がしてから…バンッと扉が開いた。
私_白川桃花(しらかわ とうか)は、ほとんど毎日この状態。ベッドに潜りっきりなのです。
葵はヅカヅカと部屋に入ってきて、バサアッ!!と布団を持ち上げた。
「わあぁっ!!何するのよーっ!!布団ー!!」
「うるせぇ!起きないのが悪いだろ」
すると葵は、私のベッドに座り、頬に優しく触れた。その手はとても温かくて…涙が零れそうになった。
「…あいつのことなんて忘れろ。俺は_…」
葵は下を向いて黙ってしまった。その顔はとても赤くて_…、心臓の鼓動が早くなった。
「桃花が…好きなんだ_…」
_今、何が起こったの…?
私は今…告白…されたの……?
葵に強い瞳で見つめられる。その瞳は本気で恋をしている瞳で…私を見つめる。
「_返事はいつでもいいから。でも…必ず、俺を好きになれよ」
…バタン…と、静かに扉が閉まった。
静かになったはずの部屋に、心臓の音だけが響いていた。
葵は、私が好きだったの…?それとも、励ましてくれたのか_…。


学校に行くと、女子たちが葵を見つけると、目の色を変えて飛びかかっていった。
_葵は、クラス中の女子の人気者なのだ。
「さっ…佐藤君…おはようっ!」
「あー…はよ」
葵は適当に返事をしているが、…ズキン…と胸が痛くなる。
気づいてしまった。私も、葵が_…。
「…ねぇ、葵くん…なんでいつも、白川さんと一緒にいるのっ…?」
「…は…?」
「そうよ!幼なじみでしょ!?たかが幼なじみのクセにっ…!!」
いきなり、女子たちが騒ぎだした。
私_…そんな邪魔な存在…なの…?
「_俺は、桃花が好きだ!!桃花しか愛せねぇ!!桃花しか…好きじゃない…!!!」
葵が言った瞬間女子たちは、キャー!!と悲鳴をあげた。
…この気持ちを、伝えたい_…。
「私も…葵が好きっ…!!」
女子たちが騒ぐ中、葵は私にキスをした。

初めてのキスは…甘い恋の味がした_…。

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