SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

雪が舞う冬とともに ( No.14 )

日時: 2016/02/09 05:47
名前: 暁 ゆら (hellohelo@nike.eonet.ne.jp

あ、雪。

春樹に知らせようと思って、ガラケーを開く。

一通のメール着信?

春樹から。

ちがう、病院からだった。

春樹君はお亡くなりになられました。

つきましては・・・

お亡くなり?

春樹が死ぬわけないじゃん。

春樹、今日誕生日でしょ?

ケーキ買って、準備してるから。

おねがい。来て、春樹・・・。


その日も次の日も、春樹が来ることはなかった。


一週間後、もう春樹はいないのか、と
やっと実感した。

あぁ、そっか。
春樹は私を残して行っちゃったんだ。

バカ。なんで。

涙がとまらない。

16歳の冬、初雪の降った日。
春樹は死んだ。

雪を見ると、春樹の顔が浮かぶ。
きのうのことのように、はっきりと。

好きだよ。

絶対、絶対。忘れたりなんかしないから。

春樹は、一生、私の初恋の人だから。



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