PR
SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】
向こう側 ( No.2 )
- 日時: 2016/01/09 17:08
- 名前: もにゃこ。
私の住む地域にはある言い伝えがある。
それは、毎月1人『向こう側の世界』に連れていかれてしまうことだ。
実際に毎月連れていかれていく人はいて、いつ自分が連れていかれるのかわからず、住民達は不安を抱いていた。
あるとき、学校に転校してきた奴がいた。
そいつは、見た目が凄く美しく髪の長い女の子だった。名前を麗子と名乗った。案の定、席は僕の隣だ。
『裕太君、よろしくね!』
麗子は僕に声を掛けてくれたが、僕は返事が出来なかった。その頃からクラスの雰囲気が変わってきた。いや、おかしくなったとでも言うべきだろうか。
それを決定付ける出来事も起きてしまった。
それは、クラスでも比較的目立たない揺羽という女子が自殺してしまった。しかもこのクラスで。
揺羽を目撃したという教師は、
『髪の長い女が揺羽の首を絞めていた』
と証言しているが、学校側は自殺と処理し、その事件は幕を閉じた。
翌日、僕は麗子に事件のことを聞くと、麗子は
『私が締めたというの?裕太君がそんな言い掛かりつけるなんて…最低!』
僕はその日から孤立した。そう、何もないところに…
連れ去られた人たちと…。
PR