SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

エンドロールに月の葉を。 ( No.56 )

日時: 2016/03/31 15:54
名前: 湯呑ゆざめ

★前回、321ありがとう!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さらさらと、砂時計の砂は流れるでしょう。笑って帰ったあの日、
涙を溢したあの日。


それはきっといつかのエンドロール。及第点で観客は立ち止まる。


最初は、タダのクラスの友達。
次に、案外優しい。

そして、親友という立場。何でも話せるのは嬉しい、けど。
私はこの気持ちに気づいてしまった。

そっと励ましてくれたその眼差しに何度助けられたでしょうか。
ふとした仕草に期待して何度枕を濡らしたのでしょう。

でも、君には好きな人がいるの。知ってるよ、後輩の女の子。
ねえ、相談された時ちゃんと応援できてたかな?
今更、ホンモノを手に入れようとして、この関係を壊したくない。
それほど君が大切なのだから。


なら、最後まで「親友」でいよう。
彼の背中を月明かりのように、ふっと彩づく葉のように、
照らしてみせよう。
彼の彩づく未来のために。


だって、私の日々を彩どってくれたのは君だから。
さあ、私だけの恋の「エンドロール」を始めようか。


end

メンテ