SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】
短歌詰め ( No.65 )
- 日時: 2016/05/01 23:35
- 名前: 猫宮噂
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ついったで書き散らしていた短歌を詰めました。
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++花言葉短歌
鮮やかな赤の花束差し出して 君に誓ったあの約束を
(千日紅/変わらぬ愛)
香り立つあの丘に立ち待っている 薄紫の花を抱えて
(ラベンダー/貴方を待っている)
泣き濡れた僕に竜胆差し出して 泣きそうな君 「泣くのはおよし」
(竜胆/悲しみに寄り添う)
あの庭に零れた白い花抱え どこか遠くへ二人で行こうか
(マダガスカル・ジャスミン/二人で遠くへ)
「愛してる」囁く君が差し出したアザレアの花に涙が一つ
(アザレア/愛される喜びを知る)
戻れない遠い日の夢 鮮やかなクコの果実の紅が弾けた
(クコ/お互いに忘れよう)
移り気な君の横顔「無情だね」あの愛さえも雨に流れた
(紫陽花/無情)
十五夜に在りし日想う追憶の 遠き何時かの紫苑の花束
(紫苑/追憶)
++恋の歌
この腕を伸ばして君を抱き締めた 「恋しています」君の全てに
やれ恋し 恨み辛みは 人の常 ままならぬかな 心といふは
その愛を私にください できぬならせめて憎んで優しくしないで
届かなし 恋は想へど 百々哀し 千々に散るのは こころかにくか
いとおしや、きみをおもへどとどかなし。いたむこころもしあはせとしる。
(愛おしや、君を想えど届かなし。痛む心も幸せと知る/いと惜しや、君を想えど百々哀し。悼む心も死合わせと知る)
++その他
現し世の儚きことの良く似るは 春の桜の散りゆく様に
あのそらにまっさかさまにおちていく ひざをかかえて そらにおぼれる
冬を経て綻ぶ桜の美しき その微笑みは何時かの定め
寒空に 映える桜の 哀れかな 花はひらけど 陽さえ見られず
月のない夜を歩けば猫が鳴く。やあおいでませ、あやしの時間へ。
月明かり浮かぶ背中の恨めしや。努気を付けよ、此の刃届くまで。
革靴が吸った雨水。濡れた指。水溜りに溶けた君の哀しみ。
カラフルな飴玉ばかり詰め込んだ。硝子の小瓶、ぼくの宝箱。
「しあわせかい?」問うだけ無駄と知っている。それでも訊くよ、「きみはしあわせ?」
世界すら灰に沈める雨の中 赤色の傘君だけ色づく