SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

好きじゃない。 ( No.80 )

日時: 2016/05/30 16:09
名前: もな

「ねえ優斗、私の話聞いてる?」
私は自分の向かい側に座っている彼氏の大原優斗にイライラしながら聞いた。

私、安藤結菜(あんどうゆいな)。彼氏である優斗と一緒にカフェに来ている。
けど、私がいくら話しても、優斗はコーヒーと飲みながらスマホを見ていて、全く聞いてるなんて素振りない。

「うん、聞いてる聞いてる。」と適当に答える優斗。
よくよく考えると、私は優斗と会う度に大好きだよ、って伝えてるのに、優斗から好きの一言も言ってもらった覚えがない。


「優斗。一つだけ真面目な話だからこれだけは聞いて。」
と、私が言うと、優斗も私のいつもと違う真面目な態度に異変を感じたのか、私の方を見てくれている。

「優斗はさ、私の事、好きなの?はっきり言ってよ!」
優斗は即答で答える。「俺、結菜の事好きじゃないよ。」
「え!?」


それってまさか…。

私は分かりやすく傷ついた。


私の目に涙が溜まる。


その時、優斗は言った。




「結菜、何か誤解してない?俺は結菜の事、好きじゃなくて、愛してるんだけど。」
私はハッとなった。
けど、あんな酷い態度とって、そんな簡単に良いよ、なんて言えない。


「そんな簡単に信じれるわけないじゃん。」
私は呟くかのように言った。

「これでも?」
優斗の顔が私に近づいて来る。


そして、私と優斗の唇が重なった。
「っ///」

優斗がゆっくりと顔を離す。
「これで、信じてくれる?」


優斗がアイドルのようなスマイルで私を見つめる。


「...十分です///」
私は顔を真っ赤にして言った。


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