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SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】
次の世界 ( No.9 )
- 日時: 2016/02/03 18:13
- 名前: とある
20××年〇月〇日
私はいつもを繰り返していた。変わらない日々。
どうしてこんなにつまらないのだろうか。私は楽しいはずの毎日に嫌気がさしている。人間はやっぱり一つ手に入れるとその次が欲しくなって、満足出来なくなる。悩みがないのが悩み、だった。
その日の夢に君が現れた。小さく光る君にすがるように、けれど素直になれず目を背けると君は言う。
【あなたは僕なんだ】と。
意味がわからなかったけれど何だか追求する気にもなれなかった。何故だろうか?そう思っていると続けて君が言う。
【明日友達にありがとうと告げて】と。
なにかそれは重要な事に聞こえた。
20××年〇月△日
崩壊日。何故か朝学校に来るとみんな殺しあっていて、血が飛び散り、窓ガラスも割れていた。登校中すれ違う車同士ぶつかり合い、信号機も作動していなかった。原因分からず混乱していると自我をわすれ、自分だけ生きているという孤独と罪悪感から自分を痛めつけていた。
【友達にありがとうと…】
脳内に響き渡る君の声。
そうか、やっと気づいた。
私は存在していなかったんだ。
【あなたは僕】
君は私だった。
私は夢の中の住人。友達いうのはこの世界のこと。
今日は世界入れ替え日。
ありがとうを告げなければならないという事だった。
もうすぐでこの世界も終わるから、次の世界に移るためにはこの世界に別れを告げ、自分を殺して何度も世界に移動する。
21××年〇月〇日
次の世界でもその次の世界でも、ヒトモノ壊れていく。そんな世界を見届けてさようならを告げていく。
私は夢住人。
あなたの夢に出ては、絶望を見せる。
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