SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

white lilydie ( No.10 )

日時: 2016/09/13 23:18
名前: PLUM

―――私が”彼女”に出会ったのは、去年の夏頃だった。

森の中の妖精さんみたいで、可愛くて・・毎日のように会いに行った。

来年の受験の事も忘れ、今日も待ち合わせの白百合畑へ。

・・!!?

白百合畑で今日見た光景。それは・・傷だらけの彼女。

「どうしたのその傷!今すぐ救急車を」

「無理。実は言ってなかったんだけど・・

―――私は”白百合”だったの。

だからもう寿命が来ちゃったみたい」

「駄目!どこにも行かないで!だって・・私達二人はずっと一緒じゃ」

「大丈夫、あなたの事は絶対忘れないから」
私は涙で服がぐしょぐしょだった。その涙が、彼女の額に落ちる。

「バイバイ」

そうして彼女は、種に扮して消えていった。
白百合畑の百合も、跡形もなく枯れた。

―――そして今。
私は見事に志望校に合格して、高校生活を楽しく過ごしていた。

彼女は、私の家の庭に宿っている。

・・そして知らない間に、花を咲かせていた。

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