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SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】
星の降る日 ( No.42 )
- 日時: 2016/12/06 21:57
- 名前: 安ちゃん
ザーーー
ある雨の日のこと、私があの人と出会ったのは…。
ポタ…ポタ…
雨の雫が音を立てて落ちる。
「あー、雨降ってきちゃった!羽留奈、お父さんに傘を届けてきて」
「えー分かったよー…」
本当は行きたくないが、渋々頷く。
「行ってきまーす」
傘を2本持ってドアを開ける。
(わぁ!寒っ!!)
こんな中傘を届けるのは少し気が重いが、小走りで歩道を駆け抜ける。
私は駅前の本屋さんで本を買うことにした。
「どの本が良いかな〜♪」
鼻歌を歌いながら本を眺めていると、1冊だけ気になった本があった。
☆星の作り方☆
何だろうと思いながらもレジに並ぶ。
(立ち読みはダメだもんね。)
中を開くと星の形らしき型が、並んでいた。
その型を丁寧に剥がす。
ピカア
眩しい光が広がった。
「え…?」
目の前には、きらびやかな少年と複数の妖精たちが空を飛んでいる。
本もいつの間にか手元から消えていた。
「貴方は…誰ですか?」
問いかけてみたが答えは返ってこない。
ただ、何かを待っているような、そんな目をしていた。
それから何秒後だろうか…ゴツゴツした物が空から降ってきた。
「コ…金平糖!?」
それの正体は金平糖だった。
それと同時に少年の口も開いた。
「今日は… 星が降る日… なんだ。」
服も髪もグショグショだけど、心だけは鼓動が高鳴っていた。
金平糖を手にとって口にいれる。
ふわあ
一瞬にして甘さが広がる。
(いつもの星も、こんなに甘かったらなあ…)
羽留菜は本当に心からそう思った。
羽留菜はその日ケーキを買ってもらったとか。
「星が降る日」それは100年に一度と無い金平糖が降る日。
それを目にした者は幸せになるとか、ないとか。
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