SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

ごめんね、 ( No.51 )

日時: 2023/03/06 18:57
名前: sumo
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13631

「ごめんね、」

いいよ、なんて。
言えるわけないじゃん。


「ほんとにっ..ごめっ..ん。」

はぁ?泣いたってさぁ。
困るよ。私、返事できない。

何なの。
はぁ、腹立つ。



なんでこんなときにさぁ。





どれだけ迷惑かけたか。



どんだけ辛い思いさせたか。









..貴方に。



ここは静まりかえった病室。
ベットには少女が目を閉じて、深い深い、眠りについている。

「わたしはあの子に、青春だってろくに、ちゃんと送らせてあげられなかったっ」
もういいんだよ、..わたしは貴方がそばにいてくれるだけで嬉しいから。

「あのとき、わたしが、..あなたをかばってい..たら、あなたは生きてた..のにぃっ」

もう、そんなこと言わないでよ。私がいなくても、ちゃんと生きてよ?

あーあ。なんで私ってば。
貴方を置いて、死んじゃったんだろ。

だからさ、ごめんを言うのは私の方だよ。



「もどってきてよっ__」


そうだね..。
戻ってこれるなら、今すぐにでも抱き締めたいよ。


お母さん。

いままで、ありがとう。

少女の魂は、すうっと、天へと昇っていく。
ベットで横たわる少女は、幸せそうに眠っていた..。

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