SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】
たとえ俺が嫌いでも。 ( No.63 )
- 日時: 2023/05/22 21:27
- 名前: 莉央兎
俺は悩んでいる。
3日に1回くらいの確率で会うアイツのことだ。
大体雨の日。
アイツはいつも自転車だが、雨が降るとバスに乗る。
俺は毎日電車だから関係ない、そう思っていた。
アイツとは小学校の頃からの付き合いだし、別に何とも思って居なかった。
実は気にし始めたのはつい最近のこと。
母さんが、「**が、すっかり美形になっていて…。」と、言っていたからだ。
確かにアイツはイケメン、と言うか美形というか…まぁ、そういう奴だ。
ついでに頭もいい。俺の中学より偏差値が4くらい上だったはずだ。
アイツの学校はJ北中学校高等学校、俺の学校はf中学校高等学校。
考えれば考えるほど頭が大惨事直前を引き起こす(?)、いや、巻き起こす(?)。
それからと言うもの、授業中でも気を抜くとアイツの顔が流れてくる。
めちゃくちゃドキッとする。
友達に気づかれていないかどうか…。
それのせいで後ろからアイツに呼びかけられるとびっくりしてしまう。
絶対後ろから呼びかけられない様に、
そしてあわよくばアイツを俺と同じ気持ちでびっくりさせたい。
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そんなこと考えながら登校していた。
我ながらボンヤリしていたなーと思う。
急に話しかけられた。
「よぉ〇〇。最近はお前が後ろから呼び掛けてたのにどうしたんだ?」
ビクッ「ど、どうしたんだよ」
気付かれてはいけない、絶対に。
小学校の時に殴り飛ばしたり、殴り飛ばされたりしていた奴に知られたら。
「どーした?今日はやけに大人しいな。」
小さな異変に気づいてくれて嬉しい。
でも今はそれを求めてはいない。
「べ、別にそんなことはないんじゃ無いかな?」
逃げたい。これ以上ここにいたら口から漏れてしまう。
まだ自分の気持ちに気づいたばかりなのに。
「もしかしてお前、体調悪い?」
違う、嫌、合っているかもしれない。
でも、アイツが想像しているのとは違う。
「本当になんでも無いってば!」
ココロがぐちゃぐちゃになっている。
「ならいーけど。」「ボソッ心配だけど。」
聞こえてしまった。アイツの「心配だけど。」って言う言葉が。
その心配が嬉しすぎてこんなになっているのをアイツは知らない。
「本当に大丈夫!**は心配性だなぁ。」
もう限界だ、逃げなくては。
「ごめん遅刻しちゃう!先行くね!また今度。」
「あ、あぁ、わかった。じゃあな。」
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あの時なんでアイツは少し動揺していたんだろう。
「あ、あぁ。」なんてアイツには似合わない。
俺はまだ、アイツが、
「好きだから心配してるんだっつーの。」と言っていたことを知らない。 (完)
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よーし久しぶりにカキコに来て小説書いたぞー!
実話かなーどーだろーなー
楽しんでいただけたでしょうか?
それでは莉央兎の挨拶ッ!
おつ莉央兎ッ!